デレク・クリヴィアン
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ラルティア出身のデレク・クリヴィアンは、長年にわたってローグ中隊を支えた尊敬すべきパイロットである。
経歴
ホビーの愛称で知られるデレク・クリヴィアンは、ローグ中隊の中でも特に疑い深い男である。彼は楽観主義者のルーク・スカイウォーカーやウェッジ・アンティリーズとは対照的に悲観主義的、あるいは彼曰く現実主義的であり、互いの欠点をうまく補いながらローグ中隊を効果的な戦闘部隊に仕立てているのである。ルークとウェッジが攻撃方法について語っていると、ホビーは必ず退却方法や防衛手段の話題を持ち出した。しかし、彼は単に人の意見に反対しているだけではなく、ローグ中隊の他のメンバーも彼の意見をルークたちの意見と同じように尊重していたのである。
ホビーが反対姿勢を取るようになったのは、彼が帝国アカデミーに在籍していた頃からだった。アカデミーに入学したとき、周囲に影響されやすい典型的な若者だったホビーは宇宙に憧れ、宇宙戦闘機を操縦することを熱望していたのである。帝国宇宙軍に入隊するという義務も彼にとっては見当違いなことだった。彼が思い描いていたのは若くてハンサムでスマートな宇宙パイロットになって銀河を疾走し、女をしびれさせることだけだったのである。しかし、アカデミーで作った友人たちがそんなホビーの態度を急変させることになった。その中でも傑出した存在が若くてハンサムで熱狂的なパイロット、ビッグズ・ダークライターだったのである。
2人と他の訓練生たちは銀河系を単なる帝国以上のものとして見るようになっていた。彼らは秘密の会合を開き、自分たちの力で帝国に対してできることを話し合っていたのである。この会合は他の何よりも意義のあるものだった。しかし、アカデミーの士官はこれをスパイ活動と見なし、参加者たちを即座に逮捕してしまったのである。偶然にもそのとき欠席していたホビーとビッグズはスパイ・リストに挙げられておらず、難を逃れることができた。逮捕された友人たちも2人を裏切るようなことはしなかったが、その後二度と彼らの姿を見ることはなかったのである。
始めのころはホビーとビッグズもこれは単なる懲罰であり、長引いているだけなのだと考えていた。その後も2人は彼らが別の棟に移されたのだと思っていたが、次第に恐ろしい現実が見えてきたのである。
ホビーとビッグズは帝国が逮捕した訓練生たちにしたことを決して信じようとしなかったが、2人に対する効果は十分なものだった。もはや彼らにとって帝国の打倒は子供じみた話題ではなく、2人は反乱同盟軍に加わるため真剣に脱走を考えるようになったのである。2人は賢明に卒業まで平静を装い、偶然にも同じ宇宙貨物船<ランド・エクリプティック>に配属された。これは比較的小さな船だったが、ビッグズは一等航法士、ホビーは船の管理責任者という重要な任務を与えられたのである。
ついに<エクリプティック>を脱走した2人は反乱同盟軍と接触することに成功し、反乱軍の中でも最も有能なパイロットとなった。しかし、無二の親友だったホビーとビッグズも反乱軍の事情によって引き離されてしまったのである。当時の同盟軍には帝国アカデミーの出身者が極めて少なく、彼らのように有能な人材はジャン・ドドンナ将軍によって効果的に各地の前哨基地に分配させられていたのである。
ヤヴィン4にいたビッグズがジェック・ポーキンスらと共に勇敢な最期を遂げたとき、ホビーはサラスト星系で武器の輸送を行っていた。卓越した操縦技術で評判を集めていた彼は、ルークやウェッジのような他のパイロットと共に反乱軍基地の定期的な移動を手伝い、帝国艦隊や賞金稼ぎたちの追跡をかわしていたのである。ヤヴィンの戦い後の反乱軍は新しい惑星を見つけては基地を設立し、帝国軍に見つかれば撤退するという日々を繰り返していた。多くの場合、こうした撤退のための時間を稼ぐのはホビーのようなパイロットたちの役目なのである。
反乱軍基地で働くようになった最初のころ、ホビーはルークからビッグズの死を知らされた。彼らは今までの任務に関する情報を交換し合い、ついには親友となっていたのである。ローグ中隊が編成されたのもこの頃のことだった。
しかし、アカデミーからの友人を失ったショックは大きく、それ以来彼は懐疑的な人生を送るようになってしまった。さらに、ホスの戦いにおける凄惨な経験も彼のその後の人格形成に大きく関わったのである。