バラーダ
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バラーダは、ジャバ・ザ・ハットのセール・バージ<ケターナ>の主任メカニックを務めていたクラトゥイニアンである。彼はジャバの犯罪帝国において最も忠実かつ勤勉な召使の1人だった。バラーダの主人への忠誠は、自身がカークーンの大穴での戦闘で命を落とすまで続いていたのである。
経歴
ジャバ・ザ・ハットの部下は自分たちを極めて重要な存在だと信じていたが、実際にジャバが宮殿の番人たちに大きな信頼を寄せていたことはほとんどなく、多くの取り巻きや相談役たちは基本的に主人を楽しませていただけだった。しかし、その中でも大きな信頼を抱かれていた数少ない部下の1人が、ジャバのリパルサー・スキッフで働いていたクラトゥイニアンのバラーダだった。
クラトゥイニアンは敬意を重んじる種族であり、親に対して尊敬心を持たない子供は奴隷として売り飛ばされるという悪しき風習があった。このため、できの悪い息子だったバラーダは家族によって売りに出されていたのである。バラーダがジャバの組織に加わったのは、ジャバがサバックに勝って彼を買い取ったときのことである。バラーダの前の主人は間の抜けた整備工場経営者であり、ジャバにバラーダを取られたばかりか仕事と財産をすべて奪われてしまった。実は、この勝負はジャバによって細工されたものだったのだが、誰一人として気付かなかったのである。
ジャバが所有する乗り物の多くは乾燥気候用に改造され、強力な装甲と砲座が装備されたスキッフである。バラーダは整備工場で働いていたときの経験を活かし、主にこれらのスキッフやセール・バージの購入、改造、整備を担当していた。さらに彼は乗員の1人でもあり、特に戦闘に遭遇したときやジャバ自らが乗り込むときなどは船長も務めていた。
バラーダは宮殿でも孤立した存在だった。特に親しい仲間がいたわけでもなく、唯一心を許していたのはエファント・モンだけだった。モンは彼を信用し、数々の助言を与えていた。逆に、ジャバを影の脅威から守っていたモンにとって、バラーダは貴重な情報提供者だったのである。
契約書によると、バラーダは主人が家族に払ったのと同等の金額を返済し終わるまで、低賃金で働き続けることになっていた。しかし、ジャバに雇われるまで質素な生活をしていた彼は賃金の大部分を主人への返済に当てており、ジャバに買い取られたときにはその残金もあと2,000クレジットにまでこぎつけていたのである。事実、彼はあと1年もしないうちに自由の身になれるはずだった。
しかし、ジャバは契約書の内容を忠実に守る一方で、バラーダに残酷な仕打ちを与えていたのである。彼は契約通りの賃金を支払ってはいたが、しっかりと部屋代と食事代を請求していた。バラーダはどれだけ働いても決して余分な金を手に入れることができず、自由を手にすることもできなかったのだ。
ジャバがルーク・スカイウォーカーやハン・ソロを処刑するためカークーンの大穴に出向いたとき、バラーダは囚人たちと同じスキッフに乗っていた。不運にも彼は最初の犠牲者となってサーラックに飲み込まれてしまったのだが、このときついに、彼は自由になったのである。