ムスタファー
提供: スター・ウォーズの鉄人!
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宇宙に誕生してまだ間もないムスタファーは、2つの重力場によって捕らえられ、文字通り相反する方向へと引き裂かれつつある惑星である。
解説
地表で爆発する火山と燃えたぎるマグマの泉を擁する黒曜石の景観は、ただそれだけで見る者を威圧する。アウター・リムに位置するムスタファーは、近隣のガス状巨星の月になることから必死に抵抗している状態なのだ。ムスタファーは巨大な惑星ジェストファッドに近接しているが、もう1つの巨星レフラーニからの遠隔作用によって引き寄せられており、不安定な軌道を維持している。この潮流のストレスがムスタファーの溶解した核を加熱させ、結果的に惑星全体におよぶ地殻変動を発生させているのだ。
ムスタファーは、文字通り地獄のような自然環境を呈しているが、それでもなお火山の極地において生き延びる固有の生態系を維持している。2種類の亜種からなる知覚種族ムスタファーリアンは、この惑星で最高潮を迎えた銀河系の事変にほとんど関心を抱いていなかった。彼らはムスタファー・ラーヴァ・フリーに乗って灼熱の大地を移動し、溶岩流から貴重な鉱物とエネルギーを採集するビジネスにひたすら没頭していただけなのだ。
ムスタファーは激しい地殻変動によって周辺一帯に天然の妨害フィールドを形成している。そのため、この惑星は長らく外界からの詮索の目を逃れ続け、銀河系の歴史の中に埋もれた存在となっていた。だが、テクノ・ユニオンは300年以上にわたってムスタファーに対する権利を主張し続けており、彼らがこの惑星の実質的な所有者だったのだ。テクノ・ユニオンの偵察隊は、ムスタファーの地殻とマントルに、この惑星に固有の貴重な鉱物、マーカナイトの同素体が満たされていることを発見していたのである。ムスタファーの溶岩はおよそ800標準度の高温だが、専用の装置を使うことで、容易に汲み上げることができる。そして、テクノ・ユニオンの高官たちは未開の原始人だったムスタファーリアンと協定を結び、彼らに最も基本的で安価な外界の道具を提供した。その見返りとして、ムスタファーリアンはテクノ・ユニオンの建設業者をこの惑星に招き入れ、溶岩流に溶け込んだ貴重な鉱物を採集するための巨大工場を作らせたのだった。
ムスタファーの集積工場では貴重な鉱石を溶岩流の中で攪拌するためにトラクター・ビームや電磁採鉱技術を使用していた。表層にまで溶け込んだ鉱床は、労働ドロイドや、手で重い釜を持ち上げている屈強のムスタファーリアンによって汲み上げられる。そして、溶岩や金属の入ったバスケットは工場へと運搬され、配分のために精錬加工されるのだ。溶岩に耐え得る装甲服はエネルギーを使用した偏向シールドよりも高価であるため、集積工場は超高熱から外壁を保護するためのエネルギー・シールドで覆われていた。
クローン大戦の間、独立星系連合を率いる分離主義評議会は、故郷を追われ絶えず移動することを余儀なくされていたが、ムスタファーの厳しい環境は、彼らにとってまさに理想的な聖所を提供してくれた。幾度となく失敗を繰り返したグリーヴァス将軍は、ダース・シディアスから評議会の保護を命じられ、評議会をムスタファーの秘密基地へと移動させると、彼らにその場所で更なる命令を待つよう指示する。巨大な断崖に面したテクノ・ユニオンの工業施設は、大企業の幹部たちの本拠地として十分に役立った。ニモイディアンの兵士やB1バトル・ドロイドたちが警備を行い、一方で強力な偏向シールドが灼熱の環境から建造物を守っていたのである。
しかし戦争が終わると、シス卿ダース・シディアスにとって無用の長物と化した分離主義評議会は、彼の弟子ダース・ヴェイダーによって容赦なく粛清させられた。そしてテクノ・ユニオンが帝国による国営企業となると、ムスタファーの存在もほとんど忘れられてしまう。だが、銀河帝国の初期の時代、分離主義勢力の愛国者として逃亡していたジオノーシアン、ガイザー・デルソーがムスタファーに潜伏していることが判明し、この地獄のような惑星は帝国に忠実な第501大隊のストームトルーパーたちによる強襲を受けたのだった。