ヴェッカー
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解説
クオレンのヴェッカーはおそらくプリンス・シーゾーに仕えるヴィゴたちの中で最も特徴のない男といえるだろう。彼の一団は勢力範囲を広げるという点では理想的な犯罪組織ではないが、ヴェッカーはブラック・サンに安定した収入を献上し、シーゾーの力にもほとんど恐れを抱いていないのである。シーゾーは犯罪組織が野心を映し出す鏡であることを知っており、ヴェッカーが自分の勢力を拡大させようとしない以上、彼がブラック・サンにおける影響力を増大させることもないだろうと考えている。これといった特徴のないごく普通のヴィゴは、他のヴィゴたちにとってもこれといった特徴のないごく普通の競争相手に過ぎないのである。
かつてのヴェッカーはヴィゴの部下の1人だった。彼の哲学は常に主人に仕えることであり、自らの目標として出世を掲げたり、権力増加のために反乱を企てるようなことは一切考えていなかったのである。後に上官はシーゾーへの反抗を企てたために処刑され、ヴェッカーは自動的にヴィゴに昇進したが、彼にとっては今までの生活と何も変わったところはなかった。部下たちと比べれば確実に組織における影響力は増大したのだが、彼は未だに偉大な主人に仕えているつもりだったのである。
ヴェッカーは前任者が何年もかけて築き上げたカジノと娯楽産業に基づく犯罪組織を譲り受けた。これらの多くは完全に違法なものだったが、同時にブラック・サンによる厚い擁護も受けていたのである。しかし、このビジネスは事実上独り立ちしており、ヴェッカーは自分と組織を禍へと導くかもしれない危険な計画に加わる理由がいまひとつ理解できずにいた。
それでも娯楽産業自体は大きく繁盛していたため、ヴェッカーは自分の地位を楽しんでいたのである。パトロンたちは彼のクラブで酒を飲み、彼の経営する高級ホテルに泊まってスウープ・レースやカジノで楽しみ、大金を落としていった。銀河の住人たちは常に娯楽と余暇を必要としており、ヴェッカーは多様な娯楽を提供することによって地下組織であるブラック・サンにも多額の収入をもたらしていたのである。
自らの地位が経済的に安定し始めても、ヴェッカーは主人に対する陰謀や他のヴィゴの失脚などは到底考えもしていない。このような行為は自分の安全を傷つけることになるだけだとするヴェッカーにとって、安定した生活と引き換えに権力への望みを得ることは単なる大仕事でしかなかったのである。