レイチ
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レイチは、森林衛星エンドアに存在した獰猛な肉食獣である。この生物は衛星の森林地帯に生息する様々な動物たちを捕食することで知られていた。森林の動物を捕え、餌食にするために、レイチは独特な自然のメカニズムを使用した。レイチは前頭部の上にある小さな噴出孔から空気中に濃いガスを発散させることで動物たちを操り、自分の意志に従う奴隷にすることができたのである。こうして昏睡状態に陥った森林の動物たちは、レイチの洞窟へと導かれ、そこで順番に食べられるのを待つことになるのだ。やがてレイチとその狩猟法はブライト・ツリー・ビレッジのイーウォックたちと対立することになり、彼らはレイチによる森林の支配に終止符を打つことを決断した。イーウォックたちは魔法の帽子を使い、レイチを無害な木に変えることに成功したのである。
だが長い年月の後、ウィケット・ウィストリ・ウォリックとその友人たちによって、レイチは偶然にも封印された状態から解放された。この危機において、レイチは再び森林の動物たちを支配し、ニーサ・ア・ジャリ・キンターカのペットのボードック、バーガもこの怪物のガスの影響を受けてしまう。バーガがレイチに食べられてしまうこと、そして自分たちが森林全体に恐怖をもたらしてしまったことを恐れたウィケットと友人たちは、レイチを捕え、再び封じ込めるための計画を強いられる。双頭のゴンスターの力を借りたウィケットは、レイチに使用する新しい魔法の帽子を手に入れることができた。イーウォックの子供たちは怪物と対決するためにレイチの洞窟へと向かい、この危険な戦いの中で、ウィケットはついにレイチの頭に魔法の帽子をかぶせることに成功する。彼らはこの怪物を再びただの木に変えることができたのだった。
目次 |
経歴
起源
レイチはエンドアの鬱蒼とした森林を故郷とする二足歩行の巨大な怪物である。彼が広範囲に生息する種族のメンバーなのか、あるいは単なる突然変異で生まれた個体なのかは不明だが、原住民のイーウォックたちにその存在がほとんど知られていなかったという事実は、後者の説を強く支持している。この猛獣は激しい食欲を持つ強い肉食性を示し、知性を持たないあらゆる種類の動物たちを自分の手に惹きつけるメカニズムを発達させていた。レイチはマインド・コントロール装置として機能する頭頂部の孔から濃厚なガスを噴出させ、森の動物たちを自分の意思に従う奴隷にすることができたのだ。そして、捕えられた獲物たちは死の森の奥深くに位置する洞窟へと連れて行かれ、そこで従順にレイチの空腹を満たす食料となる順番を待つのである。
しかしこうした振る舞いは、最終的にブライト・ツリー・ビレッジのイーウォックたちと真っ向から対立することになった。イーウォックたちの村の動物たちも同じように催眠状態にかかり、村を離れてしまったのである。だが、イーウォックたちにはこれらの行動を阻止することも、レイチそのものを阻止することもできなかったため、彼らは外部に助けを求めることになった。そして、ツイン・ヒルズで暮らす自称モンスター・ハンター、双頭のゴンスターが、絶望に暮れたイーウォックを助けるために雇われたのだった。ゴンスターはイーウォックに、レイチを無害な木に変える力を持った魔法の帽子を与えた。だが、イーウォックがこの帽子を怪物の頭に被せることができるという保証は何もなかったのである。
その後、村の最精鋭の戦士たちがレイチを寝床まで追跡し、追い詰めることに成功した。そして長く激しい戦いの末、イーウォックの戦士たちはレイチに勝利したのである。1人のイーウォックが背後からこの怪物に近づき、頭に帽子を被せることに成功したのだ。レイチはたちまち木に変身し、森の動物たちに掛けられていた呪文の効果も消失したため、村に対する脅威は去ったのだった。その後、この戦いに関する逸話はレイチの巻物に書き記され、後世のイーウォックたちに継承されたのである。若いイーウォックたちは、レイチの木に近づかないようにと教えられ、特にレイチの頭に残された魔法の帽子には決して触れないようにと指示されていた。やがてこの巻物はイーウォックの呪い師ログレイの手に渡り、その内容は部族の若いイーウォックへと伝えられたのである。
復活
しかし、十分な警戒策をもってしても、レイチを封じ込め続けておくことはできなかった。エンドアの戦い前のあるとき、イーウォックの子供たち、ウィケット・ウィストリ・ウォリック、ティーボ、ラターラが、偶然にもレイチの木を発見する。そのときはちょうど若いイーウォックたちが相互に出会い、祝福しあう仮装パーティ、シャドウ・ナイト・フェスティバルの日だった。この祭典に参加するためのコスチュームを持っていなかったウィケットは、偶然見つけた帽子を気に入り、自分のものにしようとしたのである。マスター・ログレイの記録にあった話を微かに覚えていたティーボは、彼が帽子を取ることに反対するが、ウィケットは自分のような力強い戦士は何も恐れないと豪語し、友人の警告を無視してしまう。すると、自由が近づいていることを感じとったレイチが枝を動かし、ウィケットが帽子に手を伸ばすのを手伝ったのだった。
ウィケットが木の上から帽子を引きはがすと、突如として地面が激しく震えはじめた。すると、ただの木だったものが次第に恐ろしい怪物へと変化し、3人のイーウォックを驚かせる。レイチが恐ろしい勝利の咆哮をあげると、イーウォックたちは半狂乱でその場から逃走したのだった。だが、レイチは森の中までイーウォックたちを追い、帽子を渡せと命令する。ウィケットが即座にそれに従うと、レイチは追跡をやめ、手に掴んだ帽子を二度と封印されることがないようにバラバラに引き裂いた。そして彼はすぐに森の動物たちを支配を開始したのである。やがて、イーウォックのニーサ・ア・ジャリ・キンターカとそのペットのボードック、バーガを見つけたレイチは、空気中に大量のガスを発散させ、バーガを支配下に入れて連れ去ったのだった。
その後、レイチはブライト・ツリー・ビレッジへ向かい、イーウォックが飼育する動物たちに同じ術を使い始めた。あたり一帯の動物たちが服従を強いられ、イーウォックの主人のもとを離れると、レイチの洞窟へと向かう。洞窟ではレイチが動物たちを囲うための即席の檻や足枷を作っており、さらに捕えた獲物を焼くための火を起こしていた。そして何頭かの獲物の肉を食べた後、まだ空腹が収まらないレイチは洞窟内を徘徊し、次の獲物を物色したのだった。このときバーガに目を付けたレイチは、このボードックを次の食事に選んだのである。だが、ボーガの体を突いたレイチは、バーガが痩せすぎていること気付いた。彼は一掴みの飼葉を投げると、それを食べて太るようにと命令したのある。
イーウォックによる妨害
レイチが獲物を太らせ、さらに多くの動物たちを洞窟へ誘い込もうとしたため、彼を偶然にも解放してしまったイーウォックたちは、この怪物を再び封じ込めようと決意した。彼らはツイン・ヒルズで暮らす双頭のゴンスターのもとを訪れ、新しい魔法の帽子の作成に着手してもらうことができた。そしてゴンスターが作業を行っている間に、ウィケットとニーサはバーガを怪物の餌食となることから救うため、フーシャの背中に乗って死の森へ向かうことになる。ウィケットの考案した計画は、レイチの水瓶にドリーム・フラワー・ポーションを入れ、彼を眠らせるというものだった。彼は、レイチを無抵抗な状態にしてしまえば、頭に帽子を被せることも容易になると考えたのである。
だが、まさに瓶に薬を入れようとしたとき、ウィケットは迂闊にも足を滑らせ、水瓶をひっくり返してしまった。洞窟の外は水まみれとなり、この騒動によって救出作戦もレイチに気付かれてしまう。レイチはウィケットとニーサを捕えると、彼らをロープで縛り、洞窟の中に監禁したのだった。そして、彼は催眠状態の動物たちを食べ続け、やがて夜になっても、依然として新しい動物たちを洞窟へ引き寄せていた。だが、さすがの怪物も長年の眠りから覚めた後の久しぶりの活動に疲れを見せはじめる。レイチはついに食事を中断し、床の上に転がると、やがて眠りについたのだった。
レイチが寝ている間に、ティーボとラターラはゴンスターから魔法の帽子を受け取り、洞窟へと向かっていた。だが、2人が到着したときにはレイチはまだ半分目を覚ましており、彼らはウィケットとニーサの作戦が失敗したことを知ったのである。そこでティーボはゾンバに変装し、洞窟の中へと入って行った。彼は友人たちを発見し、解放することができたが、イーウォックたちがレイチに気付かれないよう密かに洞窟から脱出しようとしたとき、バーガが床に転がっていた骨をうっかり踏んでしまう。すると、骨が砕ける音が洞窟内に響き、レイチを起こしてしまったのだった。獲物が逃げようとしていることに気付いたレイチは、あわてて飛び起き、逃走するイーウォックたちを追ったのである。
追跡
レイチは逃げるイーウォックたちを追い、木をかき分けながら森林の中を進んだ。彼は若きイーウォックたちを巨大な手で掴もうとするが、彼らは素早い動きで怪物の試みを回避する。状況の変化に怒り狂ったレイチは濃いガスを何度かにわって噴出し、バーガを含む周囲の動物たちを意のままに従わせようとした。レイチの影響力は付近にいたザクールにも及び、この猛獣が草むらから姿を現してイーウォックたちに襲い掛かると、ティーボとラターラは木の上に逃げることを強いられてしまう。また、レイチはバーガにも主人を攻撃するよう命じ、ニーサはあわや角で突き刺されてしまうところだった。しかし、レイチの戦略はウィケットによって阻止されることになる。蔦を掴んでレイチの頭上を横切った彼が、この怪物の頭に魔法の帽子を被せることに成功したのだ。しかし、イーウォックたちはこの作戦における最も重要なことを忘れていた。魔法の帽子はスパークル・シードと一緒に使わなければ効果がなかったのである。
レイチはイーウォックの失敗を笑い、頭から帽子をはぎ取ると、それを脇へ投げ捨て、ウィケットを踏み潰そうとした。だが、木に登ってザクールから逃げようとしていたティーボが空中で帽子を掴む。ラターラの助けを借りたティーボは帽子にスパークル・シードを入れることに成功し、ついにレイチに効果のある状態にすることができたのだった。そしてティーボは、レイチから半狂乱で逃げ惑っているウィケットに帽子を投げ渡す。帽子を手に取ったウィケットは怪物の股下を潜り抜け、木の反動を利用してレイチの背中に取り付いた。そしてちょうどレイチがウィケットを掴もうとしたとき、イーウォックは怪物の頭に再び帽子を被せることに成功したのである。レイチは恐怖の叫びを上げ、再び無害な木へと変化したのだった。
結末
レイチが完全に姿を変えると、動物たちも元の状態へと戻った。ザクールもその場から去って行き、ティーボとラターラはつかの間の安息を得る。また、洞窟に捕らわれえていた動物たちも、森林あるいはイーウォックの飼育人のもとへと戻っていったのだった。ウィケットは名誉のベルトに飾る勲章としてレイチの木の一部を切り取ろうとするが、ラターラにはそれを待っている時間はなかった。村ではシャドウ・ナイト・フェスティバルが始まろうとしていたのである。
村に戻り、活気あふれるパーティに参加していたウィケットとニーサは、この日の出来事について推測を交わすログレイとチャーパ酋長の会話を耳にした。ウィケットはチャーパに、自分が1人でレイチを倒した話を聞かせたいと思ったが、ニーサは彼を引き留め、そのことはすべて忘れるようにと告げたのである。レイチはその後も死の森に留まり続け、再び復活する可能性はあったが、そのようなことが起こったという記録は存在していない。
人物と特徴
レイチは知性を持つ猛獣だが、その思考は極めてシンプルであり、食べることと獲物を追うことだけに集中していた。また、レイチは途切れ途切れの言葉しか話すことができず、これは彼の知性に欠陥があったことを示唆している。だが、2人の若きイーウォックを捕えたとき、レイチは彼らをロープで縛るだけの知能と器用さを持っていた。レイチはそれほど狂暴でもサディスティックでもなかったが、自分の縄張りを守る意識は強く、イーウォックたちが動物を取り戻そうとして洞窟に入ってきたときには、本能的に行動し、邪魔者たちを踏み潰そうとした。しかし、レイチがイーウォックのような知的種族に危害を加えたという記録は他に存在していない。
レイチはイーウォックと比較してはるかに巨大な生物であり、その大きさは彼らの4倍以上あった。さらにその恐ろしい風貌に加え、レイチには肩に大きな棘が並んでおり、巨大な口は体全体から見ても不自然なほどの大きさだった。またこれらの特徴に加え、レイチは頭頂部に噴出孔を持っていた。彼はこの孔から濃いガスを噴出させ、エンドアの森に棲む知性のない動物たちをマインド・コントロールすることができたのである。そしてこのガスが噴出されると、副作用として周囲に低い唸り音が鳴り響いたのだった。
