ウィロー・フード
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ウィロー・フードは、ガス状巨星ベスピンの上空に位置する浮遊ステーション、クラウド・シティで働いていた鉱夫である。
解説
ウィロー・フードは決して英雄になるつもりはなかったが、運命は彼を英雄に仕立て上げた。フードはガス惑星での事業に特化した採鉱企業、アロフィルター社で働くためベスピンに移住した。同社は反乱同盟軍を支持しており、フードは信頼ある従業員として、秘密裏に同盟軍に安価なティバナ・ガスを供給する役目を与えられていたのである。
この取引に関するデータには反乱軍スパイのコードネームや所在も含まれていたため、これらはアロフィルター社のメイン・コンピューター内に暗号化ファイルとして厳重に保管されていた。フードは帝国軍がクラウド・シティ内にスパイを放っていることも知っており、ティアン・カイラーが帝国軍となんらかの接点を持っていることを疑っていた。一方で、彼女はフードと関わりのある他の人々のビジネスにも多少の関心を抱いており、そのため彼はカイラーとの関わりを避け、アロフィルター社の商取引に関する彼女の疑問もすべて受け流していたのである。また、彼は過度な疑いを避けるため、反乱軍への出荷品が常につじつまの合った固形カーボナイトとなるように尽力していたのだ。
目立たないように行われたティバナ・ガスの出荷計画は功を奏したが、帝国軍が都市を占領したことでフードの生活は一変してしまう。彼はメイン・コンピューター内の反乱軍に関するデータを帝国軍に渡すことはできないと考え、メモリー・コアを削除すると、自分にとって不利となる証拠を隠滅するべく最寄のゴミ廃棄ステーションへと駆け込んだのだった。
フードは仲間の鉱夫たちのためにクラウド・シティに留まったが、帝国軍の占領は彼にとって試練のときだった。彼は扇動者の疑いがあるとして逮捕され、監視タワーに収監されてしまう。そして、彼はスキャン・グリッドによる拷問を受けたが、それでも決して知っていることを自白せず、やがて釈放されたのだった。
その後、反乱軍がこの戦争で優位になると、ティアン・カイラーは帝国保安局から見捨てられ、亡命した。彼女はフードと反乱軍との接点を絶えず疑っており、今度は都市の防衛に関する重要な情報の入手について彼の助けを求めてきたのである。フードは不安を覚えたが、彼女を次第に信用するようになった。そして、彼らの計画はうまくいき、最終的にクラウド・シティは反乱軍によって解放されたのである。
この興奮に満ちた人生のひと時の後、ウィロー・フードは平穏で落ち着いた老後の人生を歩むことになる。彼は既に一生分の興奮を十分に味わったのだ。