パロウィック
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解説
ロウィック出身の内気な両生類型種族パロウィックは、丸々と太った胴体からカエルのような長い手足を生やしている。彼らの滑らかな皮膚には緑色、茶色、黄色の縞模様が刻まれており、故郷の熱帯雨林のなかにうまく溶け込むことができるようになっている。パロウィックの最大の特徴は顔の中央から伸びた細い管状の口であり、その先端には似つかわしくない人間のような唇が付いている。また、一部のパロウィックには管の下に第2の口があり、そこには牙が生えていることもある。若いパロウィックは青年期の間この第2の口を保持しているが、これはやがて自然消滅し、顔面の皮膚に吸収されてしまう。
管状の口では一度に食べられる量が限られているため、第2の口は若いパロウィックが成長期により多くの栄養分を摂取する際に使用されている。しかし、大人になると次第に必要となる食糧とエネルギーが少なくなるため、第2の口はその役目を終え、消滅するのだ。また、牙も第2の口が消えるのに伴って消滅するが、これは若者たちの自己防衛に使われることがある。
パロウィックの体は彼らの故郷ロウィックのじめじめとした環境によく適応している。彼らは長い脚で薄暗い沼地を素早く走り、魚、トカゲ、水鳥などを捕獲する。よく効く鼻は巨大なマーレロー・ダックの卵を嗅ぎ分けるのに役立ち、管状の口を突き刺して舌で黄身を吸い取っている。また、獰猛な肉食獣が現れると、水中に潜って顔から生えた2本の枝目を水面に出し、危機が去るのを待つことができるのだ。
パロウィックは卵を産むことによって繁殖を行う。彼らは乾燥した泥や葦、草で作った屋根付きの小屋で生活し、女性は卵を産むと子供が孵化するまで家で保護をしている。子供たちは名家による封建制が敷かれた農業集落で成長し、教育される。パロウィックはやや原始的な生活をしており、貿易商や採鉱者たちによってもたらされた最低限のテクノロジーしか有していない。実際、高価なロウィッカン・ファイヤージェムを探していた採掘者によってこの種族が発見されたのは、エンドアの戦いのわずか10年前のことである。