キャリン・ファーミア
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解説
過去を捨て去った無一文の女性、キャリン・ファーミアにとって、忠誠は何よりも重要な概念だった。かつてクワッティ保安部隊の一員だった彼女は、腐敗したKDY社の幹部たちによって、ニモイディアンのエージェントへ企業秘密を売り渡すという闇取引の濡れ衣を着せられたのだった。そして、ぶっきらぼうに釈放された後、彼女は自分の才能を活かして賞金稼ぎとなり、無法者たちを法廷へと送り続けていた。やがてファーミアは腕利きのスライサー、キアン・シーをパートナーとし、三流の犯罪者や企業泥棒を捜索することで、ある程度の成功を謳歌したのである。
コルサントでのある晩、彼女は情報屋から、スーザンの門弟たちと呼ばれるカルト集団の不穏分子たちが、彼女によって殺害された高位司祭スクリ・オスクローの復讐を計画していると聞かされた。オスクローは教会を違法活動の隠れ蓑として使用していた。さらに情報屋によると、キアンもこの計画の一翼を担っており、ファーミアを売り渡すつもりなのだという。キアンは最後の裏切りで自分の役割を果たし、高額の報酬を受け取ることになっていたのだ。
キャリンはこの話に動揺するが、真実をすべて知る必要があった。スーザンの門弟たちがコルサントの流行の地区で人気のあるフラッシュを楽しんでいることを知った彼女は、仕事について話すため、キアンにアウトランダー・クラブで会おうと告げた。先に到着したのはファーミアだった。そして、クラブ内に居並ぶ人々を入念に見渡していた彼女は、スーザンに特有の陰謀をいくつか見抜いたのである。
彼女はニラット・アジラを脅迫し、容易に尋問することができた。ファーミアは彼女の口から、高位司祭がコルサントにいること、そして彼がキアン・シーと実際に接触していたことを突き止める。彼女は何をするべきかを心得ていた。
キアンが到着すると、キャリンは無知を装い、疑われないよう友好的に振舞っていた。この夜、偶然にもクラブ内でジェダイの正義の裁きを目撃した彼女は、意思をより一層強固なものとした。やがて2人はクラブを後にし、ファーミアはキアンが攻撃を仕掛けてくる前に彼女を押さえつけようとするが、キアンは反射的にファーミアの攻撃を避けると、彼女の手から逃れてしまった。キアンはそのまま闇夜の中へと消えて行ったのだった。
ファーミアが攻撃を予期していたことに気づいたキアンは、オスクローとの取引を打ち切った。そして数年後、キャリンは帝国を軽蔑し、反乱軍のみを援助していたが、その一方でキアンは帝国からの請け負いを再開していた。やがて、キアン・シーはキャリンを帝国へ引き渡す仕事を請け負い、ナー・シャダーでかつての相棒と対峙することになる。だが、このときばかりはキャリンも過ちを犯さなかった。彼女はキアンに死をもって裏切りの代償を払わせたのである。