スライザー・バッシュフォーブ
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スライザー・バッシュフォーブは、コルサントのココ・タウン地区で労働者階級の一員として働いていたナクノグの私立探偵である。彼は長年にわたってデックス・ダイナに通う常連客だった。
解説
熱心なギヴィンの理論家は一生をかけてコルサントの多階層都市にいくつの階段があるのかを数えたというが、スライザー・バッシュフォーブであれば即座にその数を答えただろう。私立探偵(自分では「プライベート・ダック」と呼んでいた)である彼は、街角の鼓動や犯罪の流れに鼻を利かせる才能を持ったナクノグだった。オビ=ワン・ケノービがカミーノ・セイバーダートの情報を捜し歩いていたのと同じ日に、バッシュフォーブがデックス・ダイナに座っていた理由は他の事件と同様、女性絡みのことだった。
ある闇夜の出来事である。その日は明らかに嵐であり、それはコルサントの天候制御ネットワークが許可したものだった。故郷サンプの汚れた沼地を離れるナクノグは多くないため、彼にはオフィスに入ってきた婦人が大きな問題を抱えていることがすぐに分かった。彼女は目を見張るほど元気で、眼球を真っ赤にし、その瞳には相手の胸を引き裂く、あるいはそれを凍りつかせるかのような冷たい光が宿っていた。彼女の名はヴェッカ・ロディックといい、最新主演作『エアタクシー・ドライバー』でいくらかの人気を博したダグのホロヴィド俳優、セボカの個人的なアシスタントだった。そして細いシガーラを一吹かしする合間に、彼女は愚かな何者かがそのマチネ・アイドルの命を狙っているとバッシュフォーブに相談したのである。
バッシュフォーブとその友人レッドナックスは、スライザーのお気に入りの溜まり場であるデックス・ダイナで彼女のボスと面会することに同意する。そして当日、隣のブースに「ジェダイの糞野郎」が座っていることに気づいたセボカは苛立ちを見せたが、そのことを除けば面会はオッテガン・シルクのようにスムーズに進んだのだった。さらに、巧みな話術はセボカを気楽にさせ、彼が立ち去るとき、スライザーは新しい仕事を得ることになる。
彼はデックスにいくつか質問をするためジェダイが立ち去るのを待ちながら、その場で聞き込みを開始した。このベサリスクの店主はいつも1つ2つの信用できる噂話を聞かせてくれるのだ。デックスはバッシュフォーブを他の手がかりへと導く情報を聞いたことがあるという。彼はすぐさま賞金稼ぎギルドの旧友から確かな手がかりを聞きつけ、マノカと名乗るダグの住むポム・プラザの真下の荒れ果てたアパートへと向かう。しかし、部屋に押し入ったバッシュフォーブが見たものは、彼に銃を向けたヴェッカの姿だけだった。彼女は最初からボスを殺すつもりだったのだ。「マノカ」はセボカが素性を隠すために使っていた偽名であり、彼が秘密の隠れ家に姿を現したとき、彼女はこのダグを殺してバッシュフォーブに罪を擦り付けようとしていたのである。しかし、彼はいかに相手がヴェッカのような美人であろうと、決して騙されることはなかった。地下レベルのみすぼらしい街角における銃の使い方など学んだことがあるはずのない彼女は、一瞬目を逸らした隙に、バッシュフォーブに先に発砲するチャンスを与えてしまったのである。彼はトリガーを引き、彼女に毒の入った恐ろしいカプセルをお見舞いしたのだった。