オーウェン・ラーズ
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解説
オーウェン・ラーズは若い頃からタトゥイーンで生活するため、苦労を重ねてきた。水分農夫の息子として生まれた彼は、伝統的な規律や厳しい仕事に大きな価値感を抱いており、甥のルーク・スカイウォーカーにもこうした価値感を受け継がせようとしていた。オーウェンは面倒見の良い保護者ではあったが、無愛想で厳格な一面もあり、夢見がちな甥との間には衝突も絶えなかった。そしてオーウェンとルークとの仲裁を努めたのは、決まって妻ベルーの仕事だったのだ。
当時の銀河系で暮らしていた多くの人々とは違い、オーウェンはジェダイ・ナイトを尊敬していなかった。アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービに対する消えぬ怒りが彼の思いに影響を与えていたのだろう。オーウェンは唐突にアナキンの子供を委ねられたが、ジェダイが滅び、帝国が栄えている時代のなか、それは極めて重大な危険と責任が要求されることだったのだ。
オーウェンはルークを普通の若者として育てようとした。彼がジェダイの血を引いていることや、彼の「死んだ」父親が単なる貨物船の航法士ではなかったことなどの事実は、一切伝えようとしなかった。
しかし、オーウェンは厳格な表情を保ちつつも、ルークの将来を密かに案じていたのである。ルークが見失った道具を探そうともせず、直感だけで見つけると、それを叱責することさえもあった。また、ルークは10代の頃、友人のウィンディと共にヒューイと名付けたデューバックに乗って砂漠への無謀な旅に出かけたことがあった。2人はクレイト・ドラゴンに遭遇し、荒地で立ち往生してしまったが、そこを通りかかったオビ=ワン・ケノービに助けられた。オビ=ワンは2人をラーズ家へと連れ帰ったが、激怒したオーウェンはルークではなくオビ=ワンに二度と来るなと怒鳴りつけたのだった。
しかし、オーウェンにはルークの冒険心を抑えることができなかった。宇宙での暮らしに憧れる若きスカイウォーカーは、タトゥイーンを離れて帝国アカデミーへ入学したいという願望を抱いた。だが、オーウェンは農場にはルークの力が必要だと説得し、それを拒否した。毎年ルークの友人の多くが輝く未来に向かってこの砂漠の惑星を離れていった。ルークはオーウェンが自分の可能性を滞らせているとさえ思っていた。だが実際には、オーウェンは甥がアナキンの運命の犠牲となるのを見たくなかっただけなのだ。
やがてルークは農場を離れることになるが、それは悲劇の結果によるものだった。帝国軍が行方不明のドロイドを探すため農場を破壊し、そのときオーウェンとベルーも殺害されてしまった。タトゥイーンに残る理由のなくなったルークは砂漠の惑星を離れ、ジェダイへの道を歩むことになるのだった。