トーントーン
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トーントーンは、氷の惑星ホスに原住する草食性の爬虫類型哺乳類である。トーントーンはホスに駐留していた反乱同盟軍によって、荷運び用動物として使用されていた。また、トーントーンは反乱軍のパトロール艇が寒冷地にうまく対応できないと判明した際に、それらの代わりとしても使われていた。
解説
雪と氷に覆われた同名の星系の第6惑星であるホスには、その厳しい気候条件にも関わらずいくつかの生態系が存在しており、その1つがトーントーンである。トーントーンは筋力の発達した後脚と鋭い鈎爪を持った2足歩行の大型雑食性爬虫類であり、ラマに似た頭部からは両側に特徴的な巻角が突き出ている。彼らは寒さに耐性のある血液や内臓、そして茶色の厚い毛皮によって厳しい寒さと吹雪から身を守っている。
トーントーンは皮膚にある特殊な孔から老廃物や油脂を排出するため、強烈な悪臭を漂わせていることが多い。また、彼らは4つの鼻孔を持っており、運動中は主に大きな2つの孔から酸素を取り入れている。そして夜間、寝ているときは大きな鼻孔を閉じて雪を締め出し、小さな鼻孔で呼吸を行う。
日中のトーントーンは大きな群れをなし、餌場を探して雪原を走り回っていることが多い。雑食性の彼らは主に雪と氷の表面に生えた固有の菌糸類を摂取しているが、稀に他の小型動物を捕食することもある。鋭い嗅覚で氷に埋まった菌床を見つけると鉤爪で氷を引っ掻き、剥き出しになった菌糸類を食べはじめる。しかし、急激に温度が下がる夜間になると一斉に洞窟を捜し、互いに寄り添って寒さと外敵から身を守る。闇夜の下ではいかに厚い毛皮に覆われていようとも、ホスの厳寒を長時間耐えることはできないのだ。
ホスの冬期はトーントーンにとって特に厳しい存在である。氷がすべてを覆い隠してしまうため、ただでさえ少ない食料や水を氷の中から掘り出さなくてはならないのだ。さらに、この時期の氷は非常に固いため、飢えによって死んでしまう個体も多い。
ホスに植民地を造った数少ない移住者たちはトーントーンが優れた乗り物になることを発見した。人に懐きやすく忠実なトーントーンは容易に訓練でき、飼育者は比較的楽に降雪地帯を移動できるようになる。
トーントーンにとっての天敵は氷獣ワンパである。ワンパは身体も大きく白い体毛によって雪原では目立たないため、その鋭い爪や牙の犠牲となるトーントーンも多い。
平和を好むトーントーンは攻撃されても本能的に逃げてしまい、追いつめられたときや子供を守るとき以外は決して戦おうとしない。戦いになったとき、彼らが好む方法は相手に唾を吐くことである。トーントーンの唾は決して腐食性ではないが、氷点下の環境で目の近くに液体を吐き付けられることを嫌う生物は多いのだ。また、交配期になると、メス同士がオスを巡って角で突つき合いながら戦っている姿を見ることができる。この時期にはいらいらしたメスが人間を襲うこともあり、飼育されているメスがよく去勢されているのもこのためである。