ワンパ
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雪獣ワンパは、アウター・リムの氷の惑星ホスに原住する肉食性の捕食動物である。この二足歩行獣は身長が2メートルを超え、その密集した白い体毛は引き裂かれた獲物の血と体液で常に汚れている。ワンパの武器は鋭利な黄色い歯と恐ろしい鉤爪である。彼らは単独行動を好むハンターだが、群れで狩猟を行うこともあり、ホスの雪棚や吹雪をカモフラージュとして獲物を待ち伏せすることが多い。通常、気を失った獲物は巨大な雪洞に作られた彼らの棲家へと運ばれ、ワンパはそこで暇なときに食事を行う。ワンパの主要な食料はこの惑星の草食動物であるトーントーンだが、ワンパは遭遇したあらゆるものに攻撃を行う習性がある。ヤヴィンの戦いの3年後、ホスに築かれた反乱同盟軍のエコー基地も日常的なワンパの襲撃に晒されていた。
ホス以外の惑星でワンパを見る機会はほとんどないが、一部の違法な闘技場ではワンパが見世物にされていることも知られていた。ワンパはこのような競技大会での価値が非常に高く、この生物を倒すために数多くのハンターたちが集まっていたのである。また、ワンパの毛皮、剥製にした頭部、その他の部位も、闇市場では高値で取引されていた。そのため、ワンパは乱獲によって絶滅の危機に晒されるようになり、後に銀河連邦自由同盟はこの生物を保護するための法を制定することになる。
解説
ホスの吹雪は恐ろしい遠吠えのようにも聞こえ、雪原をさ迷う者たちに警戒心を植え付けさせる。しかし、本当に恐ろしいのは吹雪でなく、ワンパなのだ。ワンパの叫び声は完全に吹雪によって乱されてしまい、それを聞き分けることができるのもワンパだけなのである。このように、彼らの通信手段は極めて効果的であり、彷徨う獲物にとっては致命的でもある。
ワンパはホスに現住する体長3メートルほどの大型肉食獣であり、鋭い爪と恐ろしい牙をもっている。年老いたワンパには角もあり、これは年と共に大きく成長していく。鋭敏な嗅覚と白い体毛に覆われていることによるカモフラージュ効果によって、ワンパはホスの雪原を徘徊し、おとなしいトーントーンなどの弱小動物を捕食している。
一般に、ワンパは雪原の表面付近に洞窟を掘って棲んでおり、仕留めた獲物を引きずって棲家に運ぶと、天井から逆さに吊るす習性がある。彼らは新鮮な肉を好む一方で空腹時には決して狩りを行わないため、襲った獲物をすぐには殺さず、このように保存しておくことが多いのだ。獲物を吊るすとき、ワンパは熱い息を吐いて一時的に天井の氷を溶かすことが知られている。彼らはこうした熱を体内に保存する生理機能によって様々な生態センサーによる探索を逃れてきたのである。
ワンパは単独で行動していると考えられており、実際に、今までに発見されている棲家は明らかにすべて一頭だけで使っていたものである。大量に蓄えられた獲物がその1頭の仕業だというのも恐ろしい事実だが、これはワンパが実質的にホスの地表を支配している生物だということも示している。
さらに恐ろしい報告によると、ワンパは未発達ながらも知性を持っている可能性があるという。同種の生物を広く調査した結果、ワンパが仲間に獲物の捕獲量の調整を提案しているとする証拠も発見されている。また、アストロメク・ドロイドなどが発する電磁波を探知して引き寄せられるという説や、植民地全体にゴミを撒き散らしたという報告もあり、同盟軍の経験からもこれらの理論は裏付けられている。
この調査によって、ワンパのような大型動物の狩りを楽しむハンター組織の存在も明らかになった。ワンパの毛皮や剥製は彼らにとって大きな勲章となっており、ワンパの毛で作った衣類などは銀河の流通市場でも非常に高い金額で取引きされている。