オダミン
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解説
ティナンのオダミンは企業セクター共同体(CSA)の孤独を好む宙域行政官である。しかし、彼の姿を見たことのある者はほとんどおらず、この事実は企業セクターにおけるちょっとした伝説にもなっていた。彼は代理人を使う術にも長けていたため、何人もいる彼の部下たちでさえ、オダミンの姿を知らないのだ。それでも、オダミンの正体に関する噂だけは広まっていった。彼が自分の姿を秘密にしているのは暗殺者の襲撃によって醜くされたからだと言う者もいれば、身の毛もよだつほど醜悪な顔をしているからだと言う者もいた。なかには、オダミンこそがパルパティーン皇帝の仮の姿だと思案する者もいたのだ。
オダミンは注意深く自分の公のイメージを作り上げており、メディアに提供する経歴もホログラム・イメージのない偽りの情報だった。彼は行政官の地位にある間ずっとスプレイという偽名を使っていたのだ。しかし、それはかつての若い頃、インタステラー・コレクション社の回収担当を務めていたときに使っていた名前である。
実際のところ、ティナンはラッコのような姿をした知的種族である。極寒の水の惑星を故郷に持つため、マイナス50標準度まで耐えることができ、優れた泳ぎ手として知られているが、一方で視力は大きく退化している。
CSAのスタッフに出世する前のオダミンは、監査部門の密使として検査官の事務所に出入りしており、そこで頭角を現した。そして帝国高位宗教裁判官のトービン卿がウィールデンで暗殺される一ヶ月前に視察のため企業セクターを訪れたとき、事件が起こった。トービンが豪華なプールでくつろいでいると、カルト宗教団体として知られる第一周波教会の生存者たちが、彼の殺害を企てたのだ。しかし、ティナンの旅行者を装っていたオダミンが、天性の水中能力によってトービンを救助し、警報を鳴らして暗殺者の存在を知らせたのである。この英雄的行為によってオダミンは昇進を果たした。もっともトービンはさらなる報酬を提案していたが、オダミンは自分の匿名性が揺らぐことを懸念し、辞退したのである。
また、オダミンは企業セクターにおける奴隷売買および犯罪組織の撲滅にも一役買っていた。彼はシオチの奴隷商組織を1人で壊滅させたことで宙域行政官の地位を得たが、こうした活躍によってマロームのギャング団から標的とされていた。事実、オダミンは何度もマローム・ファミリーから殺されかかっていたのである。しかし、彼は悪名高きガンマンのギャランドロを召抱え、マロームに関する悩みを永遠に葬り去ったのだった。
ヤヴィンの戦いの数年前、オダミンはCSAの最高機密に関する調査を行い、CSAの幹部多数が関与する違法な奴隷商組織の存在を突き止めた。彼は再びギャランドロを呼び、アムードゥのグレイド議会から情報を入手するよう依頼した。一方でオダミン自身はスプレイとして行動し、オスランペクスVの宇宙船技師ヴィンダとドラッグの代理としてハン・ソロに接触していた。彼は実際にハンとチューバッカを雇い、調査への協力を依頼した。そして、ロアドのハート=パーン・ゴーラ=フィオラの助力もあって、オダミンは奴隷売買を阻止することに成功したのである。
こうした数々の功績によって、オダミンは故郷ティナの同胞たちから英雄として崇拝されているのだ。