デイヴィック・キャング
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解説
共和国以前の時代から、犯罪帝国は繁栄をし続けていた。古くは、シム・ザ・デスポットも絶えず独裁によって多くの惑星を支配していた。だが、やがて彼はハットによって滅ぼされ、ハットたちは自らが統治する惑星に、独自の方法による圧制と不正をもたらすことになる。そして銀河内乱のおよそ4,000年前、共和国がはるかに高い理念で銀河系を統治していたときでも、セクター全域で人々の命を左右する犯罪シンジケートという汚点が存在していたのだった。
エクスチェンジは、当時、アウター・リムのほぼ全域で活動していた最も力のある犯罪組織の1つである。この影の集団はコンピアと呼ばれる神秘的な存在によって導かれていたが、その実体は有益な惑星を支配する犯罪王たちによって構成された司令系統だったのだ。そして、このエリート集団に受け入れられる唯一の方法は、他の数人の犯罪王に指名されることである。惑星タリスを支配していたのがデイヴィック・キャングであり、彼の組織は、禁制品の密輸、奴隷売買、そして高利貸しに特化した集団だった。
噂によると、キャングはある天才技術者の命を救うことに同意したという。そして、この技術者は多額のクレジットと引き換えに、キャングにカスタム製の強力な装甲服を作り、提供したのだった。この装甲服はキャングに最高の防御能力を与えたが、それでいて極めて軽量かつ柔軟なものである。しかし、その後の言い伝えによると、キャングの装甲服は余りにも素晴らしい出来だったため、彼は結局この技術者を始末することにしたという。彼にとってこの装甲服の類似品を身に付けた者の存在は脅威であり、そのような可能性はどうしても排除しておかなければならなかったのだ。
タリスの上空で行われた共和国とシスの軍団との宇宙戦の後、共和国の工作員たちはこの辺境の惑星で立ち往生してしまう。だが、キャングの仲間だった元賞金稼ぎのカンデラス・オードーがキャングの居城に侵入し、彼の宇宙船<エボン・ホーク>を盗み出すことで、逃亡者たちがタリスから脱出するのを手助けした。キャングは彼らの逃亡を阻止しようとしたが、そのときに殺害されるのだった。