ズー・パイク
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この恐るべき美人姉妹はプリンス・シーゾーに雇われた典型的な殺し屋であり、その腕前はかなりのものだが、ブラック・サンとの直接的な関係は特にない。
解説
エピカンシクスの双子ザン・パイクとズー・パイクは、26標準歳にしてアウター・リムの小星団パカンス・リーチで名を挙げたプロの格闘家である。2人の唯一の違いは、ザンが両目とも緑色であるのに対し、ズーは片目が緑色でもう片目が青色であることだ。2人は今まさに銀河の格闘技界に台頭し始めたところであり、違法なスポーツが密かに行われている秘密の闘技場や高級娯楽ホールで敵と戦っていた。彼女たちは機敏であると同時に格闘センスにも長けており、さらに、金を払わずに近づいてくる者や賞金の分け前だけが目当てのブローカーを一切信用していないため、契約作業にいたるまでも自分たち自身の手で行っているのである。
ザンとズーはテーアズ・カジまたは「鋼鉄の手」とも呼ばれるバンデュキ武術の達人である。若い頃、2人は母親にエピカンシクスが征服したパカンス・リーチの惑星バンデュキへ連れて行かれ、この地方で大いに崇拝されていた隠者の秘密集団、パラワの門弟たちと共に多くのことを学んでいた。彼女たちはそこでパカンス・リーチの偉大な歴史や文学、哲学について学びながら、物理学と武器を一切使わない格闘技の腕を身に付けたのである。武術を習得したパイク姉妹はテーアズ・カジの修行生の中でも素早くその階級を上げていき、師匠たちからも多くの賛辞を受けていた。しかし、本来このような武術は社会をよりよくするために使われるものなのだが、パイク姉妹は自分たちの才能を私利私欲のために使い始めたのである。
2人の恐ろしさはまさにその美しさに匹敵している。彼女たちはパラワの師から譲り受けた自由に動ける格闘用のチュニックを身に付けており、エピカンシクス特有のしなやかで強靭な肉体を誇っている。また、通常は黒髪をモールで束ねているが、時にはその先端に刃を仕込み、戦闘時に致命傷を与える武器として使用するのである。氷のように冷静な2人は決して感情を表に出さない。パイク姉妹は素手でも十分に敵を打ち負かすことができ、逆に武器を持たないことは2人にとっての誇りにもなっていたのである。