超軽量強襲車両
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超軽量強襲車両(ULAV)は、銀河帝国の初期の時代に使用されていた小型ランドスピーダーである。
特徴
ULAVの操縦にはパイロットと砲手の2名が必要となる。パイロットは前面のブラスターと震盪グレネード発射管を操り、砲手は後方のレーザー・キャノンを操作する。しかし、後方に装備されたキャノンは射程角が180度であるため前方を攻撃することができない。したがって、戦闘時には敵機の重兵器の標的とされる前に前方攻撃を倍加させる必要があり、そのためにパイロットは素早く機体を回転させなければならなかった。これはULAVの構造上の大きな欠点の1つである。
ULAVのもう1つの致命的欠点は旧型のリパルサーリフト・エンジンによる効率の悪さである。ULAVは地上における浮遊力が低く、走行高度はおよそ0.6メートルほどでしかない。このことは深い茂みや荒い岩場を走行する際に大きな問題となり得るため、より強力なエンジンによって浮遊能力を強化されているものも多かった。
一方で、ULAVはその高速性と機体が小型であることから敵の砲手に標的とされる確率が非常に低く、その逃走能力は数少ない利点の1つでもあった。同様に方向転換に必要とされる幅も非常に短いため、戦場でも機敏に操縦することができ、特に後方のレーザー・キャノンを旋回させるという難しい操作も比較的容易にこなすことも可能である。
歴史
ULAVは、反乱同盟軍で使用されていた小型強襲車両(CAV)の中で最も小型かつ高速な機種である。これらは初期の帝国軍で主に惑星の制圧に使用されていたものだが、主力機種が徐々により大型で強力なものへと移行されていくに連れて破棄されていったのだった。
帝国軍で使用されることがなくなると、ULAVはほとんど忘れ去られてしまい、さらに余りにも小型で改良もされていないことから惑星政府や私的企業も意図的に使用を避けるようになった。銀河系全域の軍事工場や格納庫に放置された過剰な在庫も分解処分を待つだけの状態となっていたが、同盟軍だけはそこに目を付けていたのである。
同盟軍の特殊部隊は警備の手薄だったヒフィスの帝国軍需倉庫から、他の旧式の重装備品とともに大量のULAVを奪取することに成功した。他の装備品は補修が必要だったが、ULAVだけはほぼ完璧な状態で保管されており、未使用に近い状態のものも多数含まれていた。もともと頑丈な機体であるため、同盟軍の技師たちも最大出力の増加とシールドの強化以外にほとんど改良する必要はなく、即戦力として利用できたのである。