エネルギー・スパイダー
(スパイス・スパイダーから転送)
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解説
スパイス・スパイダーとも呼ばれるケッセル原住のエネルギー・スパイダーは、他の多くの生物とは物理的にも全く異なる生態をもった恐ろしい生物である。外見的には長い無数の脚が生えているだけだが、口の周りには何百本もの小さな牙が並んでおり、さらにその悪夢のような巨大な身体には何千個もの眼が散らばっている。さらに、水晶のように細くて固い脚が光の中で輝きながら透き通って見え、休息しているときは小さな点状の光を放って身体が脈打つように震動しているのだ。
しかし、エネルギー・スパイダーは闇の世界に潜み、獲物を待っているため、光の下で見られることは決して有り得ない。洞窟やケッセルの自然の坑道を徘徊し、グリッタースティムでできたクリスタル状の巣を張って、主食となるボギーを待ち構えているのだ。巣に掛かったボギーはグリッタースティムを光活性にし、エネルギー・スパイダーに餌の存在を伝える閃光を放たせる。エネルギー・スパイダーは坑道や巣で捕らえた獲物からエネルギーを排出させることによって養分を得ているのだ。その姿は赤外線スコープにも映らないため、ケッセルを支配するモルース・ドゥールの部下たちにとっては恐怖の存在となっていた。
エネルギー・スパイダーがどのようにしてグリッタースティムを合成しているのかは知られておらず、岩に埋め込まれた形で発見されるスパイスと関係があるのかどうかも不明である。しかし、最も新鮮なスパイスが密集している坑道の下層部で、頻繁にエネルギー・スパイダーが出現しているのも事実なのだ。
かつて帝国軍が行っていたスパイス採掘はそれほど坑道の奥深くにまで進出していなかったため、エネルギー・スパイダーが発見されたのも比較的最近のことである。エネルギー・スパイダーがグリッタースティムの取引きに果たしている役割は推測の域を出ないが、この生物が他の惑星に輸出されるようなことになれば、グリッタースティムの唯一の産出惑星としてのケッセルの立場は確実に陥落することになるだろう。