デンガー
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返済者の異名をとるデンガーは、ハン・ソロに対して個人的な復讐心を抱いていたコレリアンの賞金稼ぎである。彼はヤヴィンの戦いの3年後、ハン・ソロと＜ミレニアム・ファルコン＞の捜索に執念を燃やすダース・ヴェイダーによってスター・ドレッドノート＜エグゼキューター＞に召還された5人の賞金稼ぎの中の1人だった。
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経歴
初期の人生
青春時代のデンガーはフェリーニ・チームで大成したスウープ・レーサーだった。子供の頃からスウープ・レースの危険な魅力に取り付かれていた彼は、コレリアン星系ではちょっとしたカルト・ヒーローだったのだ。そして、名高いフェリーニ・チームの一員となってからは、トップ・レーサーとしての名声と経済的な力を手に入れ始めた。やがてそれ以上の成功を望むようになったデンガーは、頂点を目指すあまりレースにもエゴを持つようにもなっていったのである。
スウープ・レーシングの文化は2つの異なる団体によって支えられていた。それは星系や帝国政府から後援を受けていた公認組織と、ギャングたちによって支配、運営されていた非合法組織である。両者は完全に異なるレース・スタイルを形成しており、前者は当局によって保護され、趣があったが、後者は野生的で非常に危険なものだった。しかし、ギャングによって支えられたスウープ・レースが、公式プロのレースより遥かにエキサイティングなものであることも周知の事実である。そのため、非公式レースでは物静かな公式レースよりも多くの話題や伝説、そして英雄が生まれたのだった。
そんなカルト・ヒーローの1人が、ハン・ソロという名の若い駆け出しのレーサーだった。デンガーには偉大な実績があったが、それでも人々は絶えずソロを優位に比較していた。デンガーは単なる成り上がり者が自分より多くの名声を得ていたことに我慢できず、ついにソロとの直接対決を要求する。ソロとしてもこの挑戦を拒むわけにはいかず、2人はアグリアットの危険な結晶沼で雌雄を決することになったのだった。
コレリアン星系のほぼ全ての人々が固唾を飲んで見守るなか、世紀の対決が開始された。それは多くの観衆を1人として失望させることのない銀河系史上最もスリリングなレース展開となり、もちろん勝敗は最後のストレッチまでもつれ込んだ。わずかに遅れをとっていたソロは、危険を承知でより低いアプローチをとり、下生えの結晶地帯へと向かう。ソロの大胆な策略を見たデンガーは、さらに低いアプローチをとって優位に立とうとするが、意外にも両者は沼の最後のストレッチを切り抜けるまで並んで争っていた。しかし最後のビットから結晶のかけらを取り除いたとき、デンガーはソロが頭上にいることに気付いていなかった。彼のマシンはソロのスウープのリパルサー・スレッドに右側を巻き込まれ、大破してしまったのである。
大火傷を負ったデンガーは同時に深刻な頭部挫傷を抱えることになり、さらに非合法レースに参加していたかどでプロ・ライセンスを永久に剥奪されてしまった。さらに、身体の傷は回復しても、プライドにつけられた傷だけは決して癒えることがなかった。デンガーにとって自分がコレリアン星系を離れてからもハン・ソロの英雄伝を聞かされることは、非常に耐え難い屈辱となったのだ。
その後、評論家として再出発していたデンガーに帝国軍は殺し屋になることを打診した。帝国軍は傷ついた彼の肉体とプライドを回復させるため、視床下部を切除して特殊な回路を埋め込み、デンガーを一切の感情を持たぬプロの暗殺者に作り変えた。さらに薬物投与によって完全な記憶と引き換えにある種の幻覚を生じるようになったデンガーは、帝国軍の命令によって数多くの残虐な任務を遂行することになる。だが、アスラットの神聖な子供たちを抹殺する任務だけはどうしても受け入れることができず、それ以降の仕事を奪われたデンガーは、ソロに復讐心を燃やすフリーランスの賞金稼ぎへと転向したのである。
賞金稼ぎ
ジャバ・ザ・ハットの下で働きながらソロを捜索していたデンガーは、ダース・ヴェイダーによって＜エグゼキューター＞に召還された。しかし、ボバ・フェットに先を越されたことを知ると、彼は再びタトゥイーンへと戻り、ジャバの宮殿で毎晩のようにゼルトロン・スパイスの効いたワインを飲んで宴の日々を過ごすようになる。それはデンガーにとってかつての興奮には程遠い毎日だった。
そんな彼に再び人生の転機が訪れた。惑星アルーザでの仕事のなかで、デンガーは踊り子マナルーと出会い、ふとしたことで彼女を帝国軍から助けることになったのだ。その後、ジャバの宮殿に連れてこられたマナルーが、踊り子にされそうになるところを助けたのもデンガーだった。そして、強い感情移入能力によって相手の心を操ることができたマナルーは、デンガーの失われた感情を取り戻すことに成功する。やがて2人は恋に落ちたのだった。
ジャバの死後、宮殿の奥深くに隠されたジャバの財産の噂を知っていたデンガーは、金庫室を開ける識別チップを探すためカークーンの大穴で大破したセール・バージの残骸へと向かった。しかし、彼が見つけたのはジャバの死体ではなく、サーラックから脱出した瀕死の状態のボバ・フェットだった。デンガーは傷ついたフェットを宮殿へ連れ帰り、ジャバの医療ドロイドで必死の治療を行った。その後、デンガーとマナルーはフェットの媒酌によって結婚し、密輸業者の溜まり場とされるナー・シャダーへと旅立つことになる。
