オーラ・シング
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オーラ・シングの人生には、死と苦痛、そして復讐が常に付きまとっていた。幼い時代により素晴らしい教育を受けていれば、彼女はおそらくジェダイ・オーダーで最も偉大な存在の1人へと成長していただろう。だが、それに反して彼女はオーダーにおける最も恐るべき禍の1つとなったのだった。
経歴
他のジェダイ候補生たちと同様に、オーラ・シングのフォースに関する潜在能力が見出されたのは彼女がまだ幼い少女だったころのことであった。彼女は垂直に延びるナー・シャダーの都市のみすぼらしい雑踏の中で生まれたが、その種族も知られておらず、母のオーヌアンナもスパイスに溺れ、既に正気を失っていた。だが、あるときダーク・ウーマンと呼ばれる謎のジェダイがシングのもとを訪れ、彼女の保護を申し出たのだった。ダーク・ウーマンは密輸業者の衛星の腐敗した闇からシングを連れ出し、ジェダイの訓練を開始すべく彼女をコルサントへと連れて行く。だが、シングは気難しい頑固な少女だった。彼女は狡猾な本能と恐ろしいほどの反射神経を持っていたが、フォースを十分に支配するためにそれを制御する能力を欠いていたのだ。ジェダイ評議会はダーク・ウーマンが彼女の攻撃的本能を制御してくれるだろうと期待した。しかし、シングは仲間たちの間でも、6本の足を持つ恐ろしいドラヴィアン・ハウンドの名にちなんで「ナシュタ」と呼ばれるほど闘争本能の強い少女だったのであった。
シングとダーク・ウーマンは、結果的に評議会の期待を裏切ることになった。オード・ナマートへの旅の最中、彼女は宇宙海賊に誘拐され、ジェダイに関する偽りの情報を教え込まれたのだった。この虚偽は見捨てられ裏切られることを恐れる彼女の本能的な恐怖心を強く刺激した。そして、弱冠9歳でまだパダワンの段階にも達していなかったとき、シングはオーダーに背を向けたのだった。
やがてシングは自分の攻撃性が海賊の暮らしによく適合していることに気づくようになった。彼女は雑踏の中で自由な生活を送るうちに戦闘や狩猟の技術に磨きをかけ、後にハットの犯罪王に捕らえられたことから悪運に取り付かれ始めたのだった。ハットは彼女を恐るべき悪夢の暗殺者とするべく、人食い種族アンザーティの犯罪組織に師事させた。シングはそこであらゆる感情を捨て去り、冷酷非情の殺人鬼と化すと、かつて自分を虐げたすべての者への復讐を誓ったのであった。さらに、アンザーティたちは彼女の脳にレン=オーム社製バイオコンピューター・センサーを移植した。これは彼女の状況認識力を向上させるだけでなく、アンザーティが獲物を捕食する際に与える恐怖感を擬似的に伝達することができるのだ。
シングはいかなる組織やギルドにも属さない、ジェダイ狩り専門の賞金稼ぎとなった。彼女は仕留めた敵から戦利品として少なくとも6本のライトセイバーを奪っており、彼女自身の紺色のライトセイバーを武器として振り回していた。また、彼女は2丁のブラスター・ピストルと長距離射撃用ライフルを常時携帯しており、主として地上を移動する際にはエレクトロバイノキュラーと、旧式だが高度な改良を施したスウープを使用していた。
周囲で共和国が崩壊していくのを横目に、シングはジェダイを抹殺し続けた。タトゥイーンにやってきた彼女は、タスケン・レイダーに紛れて暮らしていた伝説のジェダイ、シャラド・ヘットを発見した。シングはジャバ・ザ・ハットのライバルの1人と契約を交わし、ヘットを追い詰めたのだった。ナブーの戦いの直後、キ=アディ=ムンディもヘットを救出するためタトゥイーンへ向かうが、彼の努力も虚しくヘットは殺害されてしまうのだった。その他にも、ピアース、ジュミケルなど、彼女に殺害されたジェダイは数知れなかった。シングは特にダーク・ウーマンを裏切り者と見なして激しい敵意を燃やしており、復讐を求めて彼女を追い続けるのだった。
そしてクローン大戦が勃発したとき、彼女はついにチャンスを得た。クローン大戦による混沌のなか、オーラ・シングは自らの激しい復讐心を満たし、なおかつ容易に高額な報酬を与えてくれる雇い主を発見したのだ。彼女はドゥークー伯爵のもとで働くようになり、クローンに関する情報を得るため若きボバ・フェットを追跡した。しかし、若いボバが莫大な財産を相続していたことを知ると、彼女はドゥークーから依頼された仕事を放棄し、この少年の持つジャンゴ・フェットの遺産を奪い取ろうと考えたのだった。シングはボバを追って財産の隠し場所である銀行惑星アーガウに到達するが、彼は惑星内部の迷宮を潜り抜け、シングの手を逃れていったのであった。
その後、シングが元老院議員暗殺のためデヴァロンで雇われたとき、ジェダイのチームが調査のために派遣されることになった。その中にはダーク・ウーマンも含まれていた。シングはかつての師ダーク・ウーマンとジェダイ・マスター・ソルムを罠に誘い込み、洞窟を爆破させて2人を閉じ込めた。残されたジェダイ・ナイト、アイラ・セキュラはシングを追い、両者は激しい対決を繰り広げるのだった。2人の女戦士はほぼ互角の戦いぶりを見せるが、ついにアイラのライトセイバーがシングの体を貫くと、彼女の氷のような表情は、傷つき、孤独な、そして見捨てられた子供のような顔へと変わっていった。シングはなおも果敢に攻撃を仕掛けるが、結果はアイラの勝利に終わった。しかし、ジェダイの定めに忠実なアイラは、無益にシングの命を奪おうとはしなかった。代わりに彼女はライトセイバーでシングのバイオコンピューター・アンテナを切断した。気を失った彼女はそのままウーヴォIVの刑務所へと運ばれたのだった。
しかし、銀河社会が持つシングへの関心はその後の争乱によって急速に薄れてしまい、それ以来、彼女の運命が歴史に記されることもなかった。彼女は何年もの間、姿を消していたが、やがて銀河内乱の時代が訪れたとき、ジャバ・ザ・ハットの戦闘部隊の一員として再び姿を現したという報告もなされていた。