シェヴィン
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シェヴィンは、惑星ヴィンソスに原住する厚皮型種族の遊牧民である。
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生態と外見
シェヴィンは背が高く大柄で、太い足でその巨大な体を支えている。灰色をした皮膚には深い皺が刻まれており、まばらに生えた細い毛に全身を覆われている。手は3本の指が生えた円柱状の足より大きく、腕は膝頭にまで伸びている。最も巨大なシェヴィンの場合、指先が地面をかすめることもあるという。
彼らの頭部は地面に向かって伸びる長い首の先端に付いている。長い鼻は抜群の嗅覚を発揮し、振り向かずに食糧を嗅ぎ分けることも可能である。シェヴィンは視線を平行に保って獲物や猛獣を監視している間でも、食糧を漁り、食べることができる。黒大理石のような円形の目には瞳孔がなく、また瞼は二重構造になっている。その片方は透明になっているため、風や埃によって視界が遮られることを防ぐのに役立つ。だが、彼らは皮膚が厚いため、触覚はやや鈍い。
シェヴィンは一般にゆったりとしたローブをまとい、細いロープ状の尻尾を覆い隠すようにそれを後ろへ引きずっている。裕福なシェヴィンは精巧に作られた高価なローブを選ぶことが多く、同様に特製のネックレスや足首用の宝石も身に付けている。学者たちによると、彼らが衣服を着るようになったのは、他の惑星の知的種族と出会ってからだという。 その巨体からしてシェヴィンは愚鈍な生物のように見えるが、実は器用なハンターである。彼らはチームワークと武器を駆使して標的を取り囲む術に長けており、より素早く機敏な獲物をも仕留めることができるのだ。彼らはこうした狩猟戦略によってこの惑星を支配し、同じヴィンソスに原住するヒューマノイドのシェヴたちを奴隷化することに成功した。シェヴはシェヴィンより機敏であるが、卓越したハンターたちを出し抜くことができず、完全に支配されてしまったのである。
ヴィンソスは広大な平原を有する温暖で快適な惑星だが、砂漠もあり、極部にはツンドラ地帯が点在している。シェヴィンの居住地は惑星全域にわたっており、彼らは高密度な脂肪と結びついた独自の循環器系によって、温暖な気候の下では涼しさを、寒い地方では暖かさを維持している。この幅広い環境適応能力のため、星系の外でも熱帯の惑星から亜寒帯の惑星まで、多くの場所でシェヴィンを見ることができる。しかし、シェヴィンの居住が集中している場所を見れば、彼らが亜熱帯を好んでいるのは明らかである。そして、彼らはヴィンソスを離れると、自分たち自身に従い、違法行為に手を染めることが多い。
一般に、シェヴィンは密輸業者、武器商人、傭兵、高利貸し、ギャンブラー、恐喝者として見られている。そして実際に、外界人が接触したシェヴィンは大部分がそのような職業に就いているのだ。さらに、彼らは奴隷商人としても知られ、ヴィンソスのヒューマノイドたちを無慈悲に酷使している。多くの種族は自分たちも同じように支配され、絶望的状況に置かれるのではないかと危惧しており、シェヴィンとの接触を避けている。しかし、彼らの力を利用して闇市場における有益な情報を得ようと考える者もおり、そのような人々は積極的にシェヴィンを求めている。
シェヴィンは自らを邪悪であるとも悪意的であるとも思っていない。彼らは必要なものを手に入れ、利益や利便性のために他者を使う、日和見的な現実主義者だと自覚しているのだ。彼らの目的ははっきりしている。金、権力、そして地位の獲得である。彼らは陰謀、権力者の密かな操作、注意深い投資、あからさまな窃盗などによってそれを実践している。シェヴィンは様々な武器を必要以上に使いこなす能力を有しているが、ヴィンソスを離れると自分たちは背後で安全を確保し、代わりに他人を使って戦わせることが多い。
しかし、必ずしもすべてのシェヴィンがこのような悪人というわけではない。惑星ヴィンソスには他人のビジネスを利用したり、奴隷売買を行う以上に複雑な機械の製造に関心を持つシェヴィンの技術者も何百人と存在している。こうしたシェヴィンたちはより攻撃的な同胞たちのために働いていることが多く、平和なシェヴィンはこれをヴィンソスの奴隷たちよりは恵まれた生活であると受け止めているのだ。
社会と文化
シェヴィンは4本足でヴィンソスの平原を徘徊していた太古の哺乳類から進化した種族である。何百万年もの昔、小惑星の衝突によってこうした哺乳類のなかでも大型のものは全滅したとされているが、小型種族は生き残り、現在のシェヴィンへと進化した。今日では古代の巨獣たちの骨や化石が考古学者たちによって探求され、完全な骨格となると法外な値段で取引きされている。もちろんシェヴィンは考古学的な発掘にも高額な料金を徴収しており、学者が発見したものを惑星外に持ち出す場合にはさらに追加料金を課している。彼らは歴史的な発見にほとんど関心を抱いていないが、こうした発見によって得られる利益には大きな関心を示しているのだ。
優秀なハンターであるシェヴィンは、主にヴィンソスの地表を走る野生のバクシンを狩猟している。彼らの集落は大型ワゴンに固定されたロッジだが、より裕福なシェヴィンは巨大なリパルサーリフトの上に住居を構えている。このような「動く村」には大抵40から100棟程度のロッジが備わっているが、大きいものになると1箇所当たり約250棟ものロッジを有するところもある。各村はコムリンクを通じてお互いに接触しており、シェヴィンの指導者は距離に関係なく惑星中で通信を行うことが可能である。ある集落に脅威が訪れると、長老は付近の村に警告を発し、通常は各村が危険を回避するため一箇所に集結する。シェヴィンは奴隷たちも移動させているが、奴隷には贅沢な移動方法は与えられず、目的地までの間、歩くことを強制されている。
シェヴィンの集落が1ヶ月以上同じ場所に留まるのは、特に収穫が良いか、天候不良によって移動ができない場合を除けば、稀である。彼らはバクシンの肉やヴィンソスに土着する多肉多汁の草を好むが、他の星系から輸入した食糧を味わうことも学んでいる。彼らは気まぐれだが、長距離ビーコンや通信装置を使って軌道上の商業船と接触し、商談を行うことによって定期的に取引きを行っている。
シェヴィンの文化の大半は他の星系から譲り受けたものである。ヴィンソスは動植物の宝庫であり、食糧や秘密基地の設営のため、外界から多くの人々が訪れている。彼らは飢えた兵士たちの訪問を歓迎し、彼らの船を停泊させ、その貨物室を食糧で満たすのと引き換えに、テクノロジーと不要品を要求していた。しかし彼らも銀河系のテクノロジーを理解するに連れ、自分たちの船や武器を作りはじめていった。
シェヴィンの船には巨大な回廊と特大の貯蔵ベイがあり、大勢の乗員を収容するためにキャビンも拡張されている。彼らは手に入れたテクノロジーの多くを奴隷の抑制に使用しており、それによって惑星の継続的支配を保証させている。
ヴィンソスの大陸は厳選された顧問の一団を従えるシェヴィンの独裁者たちによって支配されており、支配者たちは各大陸の中心に位置する政府村から一歩も動かない。こうした集落はおおよそ20ヶ所ほど存在し、そのそれぞれに独裁政権が存在している。競っている集落同士で全面戦争が勃発することはほとんどないが、彼らは常に領土と権威を賭けて競い合っており、異なる集落の境界線では小競り合いが頻発している。こうした集落は永続的なものであるが、建物は動かすことも可能である。「戦闘政治家」と呼ばれる要職に就くシェヴィンは集落を旅して周り、自分たちの独裁者に情報を提供している。彼らは体力試験や戦闘によってその地位を得た屈強な戦士たちである。
銀河内乱の時代、シェヴィンの大多数は銀河帝国を支持し、ヴィンソスの支配階級の多くは帝国軍の高級将校たちと緊密な関係にあった。帝国は日々多くの政治的業務を遂行していたが、シェヴィンの独裁者は秩序を守っていたため、帝国軍兵士たちがヴィンソスに投入されることはほとんどなかったのである。
テクノロジー
シェヴィンはハイパードライブを搭載した宇宙船やエネルギー兵器などの銀河系テクノロジーを有している。彼らの主要な産業は食糧および奴隷の輸出である。ヴィンソスの豊かな大地で産出された甘い果実はコア・ワールドに属する多くの惑星で絶賛されており、赤道付近で収穫されるナッツも高値で取引きされている。また、バクシンに代表される様々な動物たちの食肉もいくつかの惑星で市場に出されている。シェヴの奴隷は闇市場に流され、もしくは「政治犯」という名目で帝国軍総督のもとへ売却されていた。こうした奴隷は帝国軍の建設計画で高い需要を得ていたのである。奴隷の過剰輸出はヒューマノイドを減らして惑星資源を維持させることに役立っており、また彼らの個体数が増加することによってシェヴィンの脅威となることを防ぐことにも役立っている。
一方で、シェヴィンは最新のコンピューター回路、ハイパードライブのパーツ、光センサー、その他のテクノロジー装置を他の惑星から輸入している。また、彼らは宇宙船も少数輸入しているが、これらはすぐに解体および研究され、自分たちの宇宙船を作るための素材として利用されている。ヴィンソスを訪問する大胆な商人にとってシェヴィンは良い顧客となるが、それは同時に狡猾な取引相手でもあるのだ。
銀河系におけるシェヴィン
シェヴィンは彼らの出身星系、特にヴィンソスに集中して暮らしている。この惑星の気候が彼らにとって最も適しているのだ。しかし、とりわけ好奇心旺盛なシェヴィンは銀河系に悪徳と財産を求めて故郷を離れており、こうしたなかには賭博場、宇宙ステーション、ハイテク闘技場などを運営している者もいる。他にはスパイス密輸の舞台裏で働いている者もいれば、偽造文書を作成している者や、政府に潜入している者もいる。
また、同胞たちに失望し、奴隷商人でいることに嫌気が差した数人のシェヴィンは、故郷を離れて反乱同盟軍に加わった。彼らは裏切り者と見なされ、彼らが貴重な情報をもっているのではないかと考える同胞たちによって追跡されている。しかし、同盟軍は彼らをヴィンソスおよびそこに住む2つの種族に関する重要な情報源として保護していたのだった。