ジョー・ヤウザ
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エンドア出身のジョー・ヤウザ(これはサイ・スヌートルズに付けられたステージ名である。彼の本名はJ'ywz'gnk Kchhllbrxcstk Et'nrmdndlcvtbrxといい、ベーシックでは発音できないのだ)は、マックス・レボ・バンドに在籍していたヤズムのパフォーマーである。
解説
森林衛星エンドアに原住するヤズムは原始的な種族だが、中には故郷を離れ、歌手として成功した者もいた。彼らの言語は明らかに音楽的概念に基づいており、耳障りな声だとして嫌う者もいたが、知的なヤズムの中には卓越した歌手が存在していたのも事実なのだ。そしてそのなかの1人、ジョー・ヤウザは、マックス・レボ・バンドを大成功へと導くことになるのだった。
ヤウザは身長が低かったために仲間の「群」から追放された。ほとんどのヤズムは最低でも2メートルの身長があるが、ヤウザはたったの1.4メートルだったのだ。群の仲間が獲物を求めて森林を捜索していたときも、彼はしばしば見捨てられ、1人でやりくりしていた。ヤウザはその孤独な生活の間に、彼らの言葉で作った悲しみのメロディを練習していたのである。
ある日、食料を求めてあてもなく森林をさまよっていたヤウザは、奇妙な金属製の建造物を発見した。彼は何か食べ物があることを期待して中に忍び込んだが、実は密輸船に捕らえられてしまったのだ。しかし、この船の船長ローク・ガーネットはこの小型エイリアン、特に彼の歌声を大変気に入った様子だった。彼はヤウザ(船長からは「毛玉」という愛称で呼ばれていた)を数ヶ月間船に乗せ、ヤウザも進んで掃除や料理などの簡単な仕事を手伝っていた。しばらくすると、ガーネットはこの「毛玉」にちょっとしたベーシックを教えることに成功したのだった。
ナー・シャダーに停泊したとき、ヤウザはガーネットの船を下りてふらふらとさまよい、チェスコ伯父の店というみすぼらしいタップカフェの中から聴こえる野生的な音楽に引き寄せられた。カフェで演奏していたバンドはエヴァー・オーバスの一団だった。このバンドの作り出す音に心を動かされたヤウザが即座に歌い始めると、それを見ていたオーバスは驚き、観衆も歓喜した。いつもは不機嫌な観衆がこの小さな生物のパフォーマンスに歓声と拍手喝采で応えると、オーバスもしぶしぶながらこの「毛玉」をバンド・メンバーに加えたのだった。サイ・スヌートルズが彼に芸名「ジョー・ヤウザ」を付けたのもこのときであり、彼は熱心にその名を覚えていた。
ヤウザは毎日の食事の提供(これはオーバスがオートランのキーボード担当者マックス・レボと交わした契約内容によく似ている)を条件に、タトゥイーンまでバンドと同行することに同意した。ところが、バンドが砂漠の惑星に到着した直後、オーバスはある契約を巡る争いで殺害されてしまう。しかし、彼らは悪名高いジャバ・ザ・ハットの宮殿で演奏できることになった(バンドのメンバーたちは知らなかったが、ジャバはヤズムを嫌悪していた。かつてジャバに負債を抱えていた密輸業者が生きたヤズムを積んだカーゴを運び、借金を返済しようとしたのである)。バンドがオーディションの準備をしていると、ジャバの副官ビブ・フォチューナが何気なくヤズムを隠すようにとほのめかしてきた。そして、スヌートルズはヤウザにオーディション終了まで隠れている様にと説得した。ヤウザは再びかつての孤独と悲壮感を味わいながら、宮殿の下層区域をさまよっていた。
その後、スヌートルズたちが本格的に演奏を開始すると、ヤウザは謁見室に舞い戻り、慎重に死角に隠れていた。しかし、演奏が最高潮に達すると、彼にはもはや自分を抑えることができなかった。ヤウザはステージに飛び乗り、大声で力いっぱい歌い始めた。ベテラン芸人のごとく踊り、跳ね回り、観衆を沸かせた。彼は観衆から、さらにはジャバからも雷鳴のような拍手を浴びた。誰も彼もがこの小柄なヤズムに魅了されたのである。
ジャバの死後、ヤウザはモス・アイズリーに向かい、小型客船での仕事を得た。彼は客船の室内バンドに出演し、寝床とアウター・リムへの旅費を貰うために歌い続けていたのだ。しかしその後、彼はかつての仲間、リスタール、リン・ミー、グリアータとの再会を果たし、彼らの結成したパルパトーンと呼ばれるバンドに加わっていた。4人のミュージシャンは新しいバンドで再び銀河系の人気者となったのだ。