ビブ・フォチューナ
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ビブ・フォチューナは、ライロス出身のトゥイレックである。彼は長年にわたってジャバ・ザ・ハットに執事として仕えていたが、実際には彼以上にこのハットの犯罪王を嫌っていた人物はいないだろう。フォチューナは幾度となくジャバの殺害を企てては失敗していたのだ。また、ウナ氏族の一員であるフォチューナはジャバの宮殿の元住人であるボマーの修道僧たちと仲が良かった。そのためジャバが死亡した後、彼は強制的に脳を肉体から取り出され、この古代オーダーの一員に加えられたのである。
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経歴
密輸業者
黄昏の惑星ライロスに住んでいたトゥイレックたちは、氏族単位で原始的な生活を営んでいた者が多かった。彼らは宇宙へ進出する手段を持っていなかったため、故郷を離れたいと思う者もほとんどいなかったのだ。だが、ライルの栽培で事業を起こしていたビブ・フォチューナはつまらない生活に嫌気が差し、より大きな野心を抱くようになっていく。企業セクターなどで麻薬として広く使われていたライル・スパイスは、銀河共和国内でもその扱いに細心の注意が払われており、多くの場合、商取引は禁止されていた。つまり、フォチューナはスパイス密輸業者だったのだ。
当然、彼の危険な商売は共和国当局や他の犯罪組織からの反感を招くことになる。やがてそれが原因となって多くの仲間が逮捕、あるいは命を落とすようになると、氏族長たちはフォチューナに死刑を宣告したのだった。しかし、フォチューナは氏族に対する復讐を心に誓い、ライロスから逃れたのである。
ジャバ・ザ・ハットの手下の1人が、ある提案を持ってフォチューナに近づいてきたのはそのすぐ後のことだった。スパイス市場に関心を持っていたジャバは彼にライルの密輸を依頼する。1人だったとき以上に働くようになったフォチューナは良質なライルを次々と輸出し、ジャバの組織がそれを売りさばいたのだった。無論、ジャバとの取引きには大きな危険が付きまとい、彼の怒りを買うようなことがあれば、即座にサーラックの餌にされてしまう。それでも莫大な報酬に魅せられたフォチューナは、喜んで働いていたのである。
当局による密輸船への取り締まりが強化されたのもこの頃からだった。フォチューナの積み荷も被害を受けるようになり、彼はジャバの怒りを買うことを恐れ始めるようになる。ついに彼はこれ以上密輸を続けることは危険だと判断し、よりジャバに近いところでの仕事を求めるようになった。偶然にもその要求は受け入れられ、彼は異様な早さでジャバの側近の1人として認められた。彼がいつも触手を振って頭を下げたり、ジャバの暴言にも素直にしたがっていたのは、それが彼の務めであり、ただやりたいことをしていただけなのだ。
組織の中で幹部として多くの経験をつみ、仕事の上でも確実に頭角を現してきたフォチューナは、急速にその評価を上げていった。彼の有力なライバルはコレリアンの海賊、ビドロ・クワーヴであり、2人は共に当時のナンバー2だったナルーン・キューザスが失態を演じて消されるのを期待していた。そしてついにキューザスが失脚すると、フォチューナはジャバの前でいままで以上にご機嫌を伺うようになり、クワーヴもほとんど運だけでジャバの信頼を得ていったのだった。そしてある日、興奮したジャワの一団がクワーヴに砂漠に墜落した宇宙船があるという話を持ち掛けてきた。その貨物室には恐ろしいランコアが潜んでいたが、クワーヴはその怪物を捕らえ、褒美とより大きな信頼を手にしようと企んだのだった。しかし、近くで一部始終を見ていた狡猾なフォチューナも褒美の半分を横取りしようと企んでおり、ちょうどクワーヴが爆弾の箱でランコアを気絶させたときに姿を現したのである。
3日後、クワーヴとフォチューナは誕生日のプレゼントとしてジャバにランコアを差し出した。とんでもないプレゼントに仰天したジャバは2人に感謝の気持ちを示し、ついにフォチューナは念願だった執事の地位を手に入れる。彼はジャバの宮殿とモス・アイズリーにあるタウンハウスの取り仕切りを任されることになった。しかし、一方のビドロ・クワーヴには悲劇が待ち受けていた。彼にはジャバの宮殿でのランコアの最初の餌食になるという名誉が与えられたのである。フォチューナはライバルに自分より大きな褒美が与えられたことを素直に喜んだのだった。
その後、故郷ライロスに立ち寄った彼はジャバへの恩返しとして踊り子のウーラを誘拐し、進呈した。ジャバはウーラを大変気に入り、フォチューナはさらなる信頼を得ることになる。しかし数日後、ハン・ソロの救出に現れたルーク・スカイウォーカーたちによってジャバが殺されたとき、狡猾なフォチューナは即座に逃げることを考えていた。時を見計らって小型パトロール艇に乗り込んだ彼は、セール・バージの爆発の前に何とか逃げ延びることに成功したのである。
ジャバの死後
その後、フォチューナはジャバの財宝を巡る熾烈な戦いに身を投じることになる。彼は犯罪帝国の亡骸を分断しようとする亡者たちと戦いつつ、宮殿に身を潜め、この戦いの勝利者になるかと思われた。しかし、宮殿のかつての住人であるボマーの修道僧たちに取り囲まれたフォチューナは、脳を取り出され、クモ型歩行ドロイドに収容されてしまう。彼はその後何年もの間、すべての感覚を奪われた狂気の人生を過ごしていたが、やがて宮殿の新しい主となった悲運なトゥイレック、フィリス・オランから肉体を奪い取ることに成功する。そして、フォチューナはオランの肉体を意のままに利用し、ジャバの犯罪帝国の再建に乗り出したのだった。