ドースク82
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解説
ドースク82は、ルーク・スカイウォーカーがジェダイ・オーダーの再興に励んでいた時代に活躍したコマイトのジェダイ・ナイトである。コマイトはまだらな緑色の肌をしたエイリアン種族だが、彼らはドースク82が生まれる遥か以前に種族として完璧な状態に達したと考え、その状態の遺伝子を維持するために、クローニングによる繁殖を開始したのだった。ドースク82はオリジナルから数えて82番目の世代となるクローンだったが、父に相当するドースク81が突然変異によって手にした強いフォース感知能力を受け継いでおり、父と同様にあらゆるコマイトの伝統に反して、故郷の惑星コムを離れたのだった。
かねてからコマイトたちは簡素な生活を営んでおり、故郷の外での出来事にはほとんど関心を示していなかった。だが、初めてフォースを身に付けたドースク81はコムから旅立ち、ルーク・スカイウォーカーのもとでジェダイの道を学んだのだった。やがて彼は英雄として故郷に凱旋し、コムに新たな認識をもたらすことになった。ドースク82も、偉大な英雄の子孫であるというプライドで心を満たすのだった。しかし、若いころのドースク82は、ドースク81がジェダイとして見出される前に行っていた仕事、すなわちコムのクローン製造施設の管理を引き継いでいたに過ぎなかった。だが、ドースク82は、かつてのドースク81と同様に、広大な宇宙と遥か彼方の惑星に思いを巡らせていたのである。彼は自分も父と同じようにフォースを使えるのだということを誇示し、訓練を積めば父の後を受け継いでジェダイ・ナイトになれるはずだと考えていたのだ。
ドースク82がヤヴィン4へと旅立ったのは、銀河系が比較的平和な時代を迎えていたときのことだった。当時は特に大きな抗争もなく、ルーク・スカイウォーカーも新たなるジェダイ・ナイトたちの育成に時間を費やすことができていたのである。アカデミーに到着したドースク82は、父ドースク81が故郷に凱旋した際に一度顔を合わせたことのあったキップ・デュロンと再会した。ドースク81の親友だったキップは、父と全く同じ姿をしたドースク82ともすぐに打ち解けたのだった。彼はドースク82をヤヴィン4のジャングルの奥深くへと連れて行き、ジェダイ・アカデミーを守るためにフォースと1つになったドースク81の墓標へと案内した。このとき彼らはエグザ・キューンが4,000年前にシスの錬金術で創造した魔獣と遭遇したが、この出来事によってドースク82は偉大な父の跡を継ぐ決意を固め、同じくキップも彼を支えると胸に誓ったのである。しかし、その直後にキップはルークに呼び出され、ジェダイの力が必要とされる任務へと送り出されたのだった。
この任務の内容は、辺境の鉱山植民地コーボスの調査だった。あるときこの惑星から新共和国に対して明確な救助信号が送られてきたが、その理由が謎であり、後続する信号もまったく無かったのだ。ジェダイ・ナイトにして新共和国国家元首でもあったレイア・オーガナ・ソロは、兄ルークにコーボスの調査と、救助信号の原因究明のため、ジェダイを派遣して欲しいと要請していた。ルークはキップにコーボスへ行くよう指示したが、彼はドースク82を同行させると強く主張した。そして、ハイパースペースを旅する途中、ドースク82は自分のジェダイとなるための能力について疑問を口にしたのだった。だが、キップはかつてドースク81と共に立ち向かった数々の任務のことや、アカデミーで学ぶ他のジェダイを守るために自らを犠牲にしたドースク81の英雄的行為のことを聞かせ、ドースク82の恐怖を和らげたのだった。
実際にこの植民地で起こったことは、発掘の間の爆発によって、眠っていた野獣リヴァイアサンを目覚めさせてしまったことだった。目を覚ましたリヴァイアサンは激しい怒りで植民地と鉱夫たちを攻撃し、周囲にあるものを見境なく破壊しながら、その爬虫類の腹を満たすべく鉱夫たちを貪り食っていったのである。
コーボスに到着したキップとドースクは、即座にこの惑星に閉じ込められた鉱夫たちの霊的な存在を感じた。2人は船を降ろすと、破壊されたキャンプを探検し始めた。そして鉱夫たちの住居へと進み、彼らは入植者たちについて学んでいったが、今やそのすべてがキップの心の中をさまよう悩ましい魂だけの存在となっていたのである。コーボスの大地に激しい嵐が吹き荒れるなか、ドースクとキップはこの住居で夜を明かし、翌朝に調査を再開することを決めた。しかし、キップの心は休まらなかった。ドースクは眠りについたが、キップはそこで起こったすべてのことを調べるため、1人で出て行ったのである。
翌朝、キップがいなくなっていることに気付いたドースクは恐怖に駆られ、ジェダイ・アカデミーに助けを求めるメッセージを送るべく、宇宙船へと戻った。彼のメッセージがヤヴィン4に届いたちょうどそのとき、キップはコーボスのリヴァイアサンと遭遇した。そして、ジェダイ・アカデミーでは、ジェダイ・ナイト、キラナ・ティとストリーンが2人を救助するため、コーボスへと発っていた。彼は惑星に到着した2人のジェダイを出迎えると、3人でキップの捜索へと出発した。だが、激しい嵐によって捜索は難航し、その代わりにジェダイたちは採鉱場の周辺に巨大な怪物がいたという証拠を発見したのだった。彼らはその気配を追って洞窟へと入っていったが、そこで発見されたものは植民地を攻撃した巨獣の巣だけだった。すると卵から幼生が出現し、彼らを攻撃し始めた。混乱したジェダイたちは自分たちで攻撃しあい、慌てて洞窟から脱出するのだった。
辛うじて洞窟からの脱出に成功したドースク、キラナ・ティ、ストリーンは、外で巨大な怪物の死骸の上に立っているキップの姿を発見した。この怪物は明らかに採鉱植民地を破壊した巨獣だった。キップはこの巨獣を発見し、戦いへと突入したが、フォースの力を通じて頭上に嵐を呼び起こし、最終的に稲妻を使ってこの怪物を仕留めたのである。彼はこの怪物を殺すことによって入植者たちの魂を解放したが、それでも頭の中の混乱は晴れなかった。このときジェダイたちは、岩の多いコーボスの平原で、さらに大きな怪物が目を覚まし、彼らを探し求めていることに気付いたのである。
仲間が倒されているのを見たリヴァイアサンは激怒し、死んだリヴァイアサンを遥かに超える凶暴さでジェダイに襲い掛かってきた。彼らはライトセイバーだけでなく、嵐や岩など、コーボスの戦場で使えるものすべてを武器として利用した。しかし、この怪物の凄まじい大きさは、とてもこの惑星の自然の力で太刀打ちできるものではなかった。ジェダイとリヴァイアサンの下の地面が崩れ落ち、洞窟の下へと突き落とされるのは時間の問題だったのだ。そこには溶岩が煮えたぎる穴がいくつも点在していたが、ジェダイたちは辛うじて鉱夫たちの発電装置にあったロープやパイプにしがみ付くことができた。しかし、リヴァイアサンは溶岩の海の奥深くへと飲み込まれていったのである。
だが、この怪物は溶岩に沈んでもなお生き延びる力を持っており、ジェダイに向かってマグマのシャワーを吐き出した。ジェダイたちはフォースを使ってそれを払いのけ、辛うじて無傷でその場を逃れることに成功した。そして、キップ、ストリーン、キラナ・ティはライトセイバーで怪物に斬り掛かるが、一方でドースク82は尻込みしていた。彼は自分がフォースにおける無力な存在であるという懸念を抱いており、その疑念が彼を攻撃から遠ざけていたのだ。しかし、ドースクは恐怖を無視し、この難局にうまく対処した。彼は発電装置がまだ作動していることを知り、怪物を殺す際に有効な武器となることに気付いたのである。キップは怪物を巨大なパワー・ケーブルへと誘導し、ドースクがスイッチを投げると、囮となってリヴァイアサンがケーブルに噛み付くように仕向けた。その直後、莫大な電流がケーブルを流れ、怪物を内側から焼き払ったのだった。
ようやく怪物は滅ぼされ、すべての魂が解放された。コーボスに最終的な平和が訪れると、ジェダイたちはこの惑星を後にしたが、ドースク82にとって今回の一連の出来事は重大な意味を持つことになった。これは彼にとってジェダイ・ナイトとしての最初の試練であり、彼はこれに合格したのだ。ドースクはジェダイとして必要なものを身に付けていると認識し、ジェダイ・ナイトとしての道を歩むことを決意したのだった。
ジェダイとなったドースク82は、やがてユージャン・ヴォングによる銀河系侵略が開始されるまで、高潔な任務を続けていた。そして、彼はユージャン・ヴォングの動きを偵察し、必要となるであろうあらゆる脱出計画を支援するため、アクアリッシュの故郷であるアンドーへと派遣された。だが、不運にもユージャン・ヴォングはジェダイを捜し求めており、ジェダイを差し出した惑星は破壊から免れるだろうと公表していたのである。アンドーの人々はその言葉を信じ、自分たちを助けに来たはずのドースクをユージャン・ヴォングに差し出そうとしたのだった。彼らはエイリアンの侵略者を静めるために惑星中で機械とドロイドを破壊し始めた。ドースクは彼らが既に正気を失っていることに気付き、可能な限りのドロイドを破壊から救おうと考えた。なぜなら、ドロイドは破壊の恐怖を感じ、自己防衛のための欲求を表現する能力を持っていた。彼はそれ自体が救済に値する存在であると考えたのだ。しかし、不運にもドースク82はアクアリッシュの警察部隊に追い詰められ、宇宙船を破壊されてしまった。彼らはドースクにブラスターを向けて脅迫し、彼を戦いへと誘うのだった。ジェダイ・ナイトであるドースクは戦うつもりはないと告げ、平和を訴えたが、警官隊は無情にもブラスターを発砲した。こうしてドースク82はフォースと1つになったのである。