ユージャン・ヴォング
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ユージャン・ヴォングは、既知銀河系の外側に起源を持つ2足歩行のヒューマノイド型エイリアンである。彼らの出身惑星はユージャン・ヴォングの言葉で「神の揺り篭」を意味する惑星ユージャンターだとされているが、この惑星は何千年もの昔に滅びており、彼らは安住の地を求めて無数の宇宙船で虚無の空間を放浪していた。そのため、現在生きているユージャン・ヴォングたちにとっては、彼らの持つ宇宙船ワールドシップこそが故郷であり、生活の場であり、そして墓場でもあるのだ。
生態と外見
ユージャン・ヴォングは多くの点で人間とよく似ているが、通常の人間より長身で体重もあり、頭髪はほとんどない。顔は脈打つ肉塊のようにも見え、生気のない目が青味がかった瞼によって強調されている。傾斜した額はそれだけで十分野蛮な印象を与えるが、儀式的な刺青と下層階級の者たちを使って自らつけた傷によりさらに誇張されている。上層階級のユージャン・ヴォングになると、肉体の一部を切り離すことによってさらにグロテスクな変貌を遂げていることもある。
こうした傷の形態は、各ユージャン・ヴォングに要求される儀式化されたシステムを例示しているように見える。彼らの目的は栄光、すなわち神々と同じような姿になることによって神々により近い存在になることなのだ。そのため傷は昇進の象徴となり、さらなる肉体の変化、究極的には自らの改造が目的となっていく。そのために彼らは自らの肉体に他の器官を移植することもあり、他の生物の肢や生物工学によって作り出した肉体の部位を接合させることもある。ただしその目的は外観を変えたり、能力を向上させることだけであり、自分たちの能力を永久的に妨げるような方法で肉体を傷つけることはない。
一般にユージャン・ヴォングは恐れを知らない勇猛果敢な戦士であり、どんなに不利な状況にあっても決して降伏しない。彼らの信仰によると、降伏さえもが神々に対する侮蔑行為とされているのだ。また、彼らの自尊心に対する攻撃は死の決闘を意味し、それは同時に神々への貢ぎ物として考えられている。そのため決闘における死は彼らにとって到達し得る最高の名誉なのである。
また、理由は定かでないが、この銀河系に住む人々はジェダイであってもフォースを通じてユージャン・ヴォングの存在を感じることができない。それはあたかもユージャン・ヴォングにまったくフォースが存在していないかのようである。彼らはフォースの一部ではなく、ジェダイによるフォース攻撃に対しても完全な耐性を持っているのだ。
文化と社会
ユージャン・ヴォングの社会は完全な階層社会を形成しており、各階層は監督官、戦士、司祭、シェイパーの各階級に分かれている。あらゆるユージャン・ヴォングの頂点に立つ存在は神々に匹敵する地位と権力を持った最高大君主であり、最高大君主にその側近となる各階級の上位者たち、すなわち高位監督官、ウォーマスター、最高位司祭、シェイパー・ロードらが加わった内部サークルによって統治がなされている。一方で、権力の最下層には労働者階級に属する多数のユージャン・ヴォングがひしめいている。また、肉体の移植に伴う変化の儀式に失敗した者や、それによって能力を落とした者、または傷が癒えなくなった者は「恥ずべき者(シェイムド・ワン)」と呼ばれ、下層階級のさらに最下位の身分に置かれることになる。彼らはかつての地位を奪われ、栄光ある死を遂げることさえ認められず、ただ蔑まれるだけの存在なのである。
ユージャン・ヴォングは生命を深く崇拝しており、彼らが使用する道具は武器から艦船にいたるまで、すべてが独自の生物工学によって創造された有機生命体である。ユージャン・ヴォングの学者によって発見された古代の文献によると、太古の昔にユージャンターは高度なテクノロジーを持つ種族の侵略を受けたことがあり、機械によって多くのユージャン・ヴォングが殺戮されたのだという。そして当時の最高大君主が神々に救いを求めたとき、偉大なる神々が与えてくれた知識こそが生物を武器として使う術だったというのだ。この知識の正確な内容は時間と共にあやふやなものへとなっていったが、現在でもユージャン・ヴォングの最高大君主は、8つのコーテックスによって分類された知識を神々から授かっているのだと言われている。
ユージャン・ヴォングの戦士が使う武器の1つアンフィスタッフは、岩のように堅い杖からカミソリのように鋭いエッジにまで自在に変幻する鞭状の蛇であり、同様に戦闘時には衝撃的な爆発力を持つ手榴弾型の昆虫サッドバグも使用される。また、ヴァンドゥーム・クラブの装甲服は生きた背甲によってブラスターやライトセイバーによる瞬間的な一撃から戦士を保護することが可能である。また、彼らの宇宙船もまた巨大な生命体であり、ヨリク・コーラルで作られたこれらの艦船は推進および防衛のためにドヴィン・ベイゾルと呼ばれる生物を使用している。ドヴィン・ベイゾルは重力を操り、敵の砲火を吸収または偏向させる小型ブラックホールを投影することができるのだ。さらに、ユージャン・ヴォングによる既知銀河系への侵略は、この銀河系に関する情報収集のために送り込まれた密使によって極秘のうちに開始されていたが、彼らは外皮を覆うウーグリス・マスカーによって肉体を偽り、新共和国の重要な施設や政治拠点に浸透していた。
こうしたユージャン・ヴォングのテクノロジーによる生物は、人工的に生み出された有機生命体をもとにシェイパーたちによって排他的に作り出されており、それ自体が独立したエイリアン種族であると考えられている。しかし、こうした生物で今までに発見されたものは極わずかでしかなく、既存のデータが全種族の典型となりうるかどうかを決定する手段は存在していない。
逆に彼らは機械を使うことを本能的に拒んでおり、純粋に機械によって製造されたものを一切受け入れない。特に生命の模倣であるドロイドを神々への冒涜であるとして激しく拒絶し、徹底的な嫌忌の対象として捉えている。ユージャン・ヴォングは機械を使用する自分たち以外の種族を不敬者と称し、不敬者に埋もれる銀河系を侵略することは神々への献身に他ならないと信じているのだ。
ユージャン・ヴォングの行動はすべて最高大君主を通じて神々の偉大なる栄光のために捧げられるものである。何千年にもおよぶ放浪生活の末にようやく発見した理想的な銀河系を侵略することも、ユージャン・ヴォングにとっては栄光以外の何ものでもなかったのだ。彼らは新共和国の統治する銀河系を次々と破壊し、自らの肉体と同様に改造することで、不敬者に汚された世界を浄化し始めたが、それも神々の意思に基づく行為だった。また、その過程で彼らは定期的に犠牲を払って懺悔を行うが、それも彼らの神話の中で創造主がより高位へ昇進するために大いなる苦痛を味わい、最終的には死をもって自らを犠牲に捧げたからに他ならない。創造主ユン=ユージャンはこの自己犠牲によって下位の神々を創造し、続いて他の生物を混ぜ合わせ交配させることによってユージャン・ヴォングを創造したのだと言われている。そのため、彼らにとって自己犠牲は極めて重要な概念であり、信仰の深さを表す神聖な行為とされているのだ。