フィニーズ・ヴァローラム
(ヴァローラムから転送)
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フィニーズ・ヴァローラムは、圧制的な帝国を設立するために急速に崩壊していった銀河共和国における最後の最高議長の1人である。2期8年にわたって議長職を務めたヴァローラムは、数少ない良心的な政治家だった。しかし、彼は同時に悲劇の人物でもあったのだ。
解説
フィニーズ・ヴァローラムはおよそ1,000年にわたって政治家を輩出してきた有力な家系の出身である。ヴァローラムの家名は共和国政府における彼の地位を確固たる物にしたが、同時にそれが破滅の原因にもなるのだった。彼の政敵たちは、彼が本来の能力によってではなく、家系の力によって議長の座を掴んだのだと主張している。ヴァローラムにとって最大の欠点は、カリスマ性の乏しさだったのだ。
ヴァローラムは陰謀的な告発や個人攻撃を回避することができず、これらはメディアの偏見的な報道によってさらに勢いを増していった。彼は通商連合への課税によって同族企業の利益を上げようとしたという告発を受けるが、その怖気づいた態度はますます彼自身を窮地に追い込み、やがては彼の政治生命をも封じてしまう。
ヴァローラムが共和国の自由貿易地帯に対する課税を提案したのは、同僚であり親友でもあるナブー選出のパルパティーン議員の忠告によるものだった。しかし、通商連合がナブーへの武力封鎖を行うと、多くの議員達はニモイディアンではなく、ヴァローラムを非難したのである。
彼の情報源だったジェダイ・マスターのアディ・ガリアは、通商連合の目的がナブーではなく、何か別のものにあることを感じていた。ヴァローラムは事実調査のため秘密裏にジェダイを特使として派遣し、元老院の官僚的な手続きを回避しようと試みるが、既に議会の大半は彼に敵対していた。さらに通商連合は話し合いの前にジェダイを攻撃し、交渉も決裂してしまう。ナブーのアミダラ女王が現状を訴えるためコルサントを訪れたとき、彼は女王の生存を知って喜びを見せるが、腐敗した議会ではもはや彼の求心力は期待できず、当然のように官僚たちの言いなりになってしまう。議会での常識の欠如と重大事に対する無関心に憤慨した女王は、無益な討論に明け暮れる議員たちを非難し、パルパティーンの忠告どおりヴァローラムの不信任案を動議したのだった。
こうして罷免され、元老院議員の地位にまで降格されたヴァローラムにとって、最高議長に選出された当時が、見かけ上は政治的成功の絶頂期だったのである。しかし、彼の政権下の元老院は腐敗し、完全に機能を失っていた。正規の手続きに縛られ、根拠のない告発で追い詰められ、ヴァローラムの力が貪欲な通商連合による狡猾な陰謀の前には無力であることが証明されたのである。
その後の数年間、彼の後任となったパルパティーンの政権下でも、ヴァローラムは共和国の政治の裏舞台に辛うじて留まっていた。その間、彼は自伝を執筆し、やがて銀河系がクローン大戦の戦禍に包まれるまで、難民救済運動に加わって働いていたのである。彼が増大し続けるパルパティーンの権力についてベイル・オーガナと話し合うべくコルサントに帰還したのは、ジオノーシスの戦いからおよそ16ヵ月後のことだった。ヴァローラムはパルパティーンに特別な権力を与えてしまったオーガナと元老院を叱責し、パルパティーンを一時的にとはいえ信じてしまったことに苛立ちを募らせていたのだ。同様に彼は、オーガナの輸送船の1隻を襲撃した海賊団が、パルパティーンによって組織されていたものであると確信していた。この攻撃によってパルパティーンは、防衛および武装化法案への賛同を得ることができたのである。
その後、ヴァローラムは自主的に世間から切り離された生活を送ろうと考え、<スター・オブ・アイスキン>に搭乗してコルサントを離れた。しかし、<スター・オブ・アイスキン>は離陸した直後に爆発し、ヴァローラムを含むすべての乗客と乗員が死亡する。この卑劣な攻撃によって分離主義勢力は激しい非難を浴びることになった。そしてこの事件の後、元老院議事堂ホールにはフィニーズ・ヴァローラム記念碑が建てられ、彼の政治世界における功績が称えられることになるのだった。