全地形用単座式歩行兵器
(AT-PTウォーカーから転送)
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全地形用単座式歩行兵器(AT-PT)は、銀河共和国およびその後の銀河帝国で使用された対歩兵用軽ウォーカーである。このウォーカーはクワット・ドライブ・ヤード社の子会社であるロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社によって製造されたものだった。
特徴
AT-PTの外観は後継機のAT-STに良く似ており、中央の操縦ポッドとその両脇に取り付けられた2本の多関節脚によって構成されていた。脚は通常は後方に畳まれているため前方に半分かがんだ状態で歩行することになり、操縦ポッドも関節部の位置にまで下がっていた。しかし、戦場から脱出するときなど高速移動を行うときには上方へ伸ばすことも可能であり、操縦席を高くすることによって操縦士の視界を広くすることもできた。また、駆動装置はこの軽量機体に優れた安定性をもたらし、この点ではより大きなAT-STにも勝っていたのだ。また、AT-PTの平地での最高速度は時速60キロメートルにも到達し、最大45度の傾斜でも登ることができた。
操縦ポッドはパイロットを厳重に守るための厚い装甲で覆われており、実際に小型火器や対歩兵用兵器などでは直撃しても貫通させることはできない。小さなサイド・ハッチの奥にある狭いコクピットは当然1人用だが、緊急時には外側にもう1人の乗員を載せて運ぶことも可能である。ポッドには旧式だが歩行のためのセンサー装置が用意されており、さらに武器系統と主駆動部ユニットの端末も装備されていた。また、AT-PTの標準的な武装はダブル・ブラスター・キャノンと震盪グレネード発射管である。
歴史
AT-PTは本来、旧共和国時代に製造された1人乗りウォーカーの試作機である。たった1人の兵士でも、この全高3メートルほどの小さな2脚歩行機に搭乗するだけで敵部隊を食い止められるほどの装甲兵士に変身することができたのだ。しかし、AT-PT計画はやがて中止となってしまい、クワット・ドライブ・ヤード社の技術者たちはこの設計思想を後のAT-ATやAT-STの開発に受け継がせるだけに留まったのだった。
クローン大戦の数十年前に開発されたAT-PTは当初から旧共和国地上軍の主要兵器になり得ると目されており、速度の点ではリパルサーリフトに敵わないものの、通常の地上基地を破壊することは十分に可能だった。この計画に携わっていた技術者たちは平地、浅瀬、ジャングル、山岳地帯、都市部などを自由自在に動けるウォーカーの開発に取り組んでおり、AT-PTは個々に調整された2本の脚のサスペンション装置によって、リパルサーリフトや一般車両が苦手とする急傾斜や障害物をものともしなかったのである。
旧共和国は小規模な部隊にAT-PTを割り当てる計画を立てており、その部隊は当時の地上軍に匹敵する戦力を持つことになった。AT-PTは小規模な軽機甲部隊と同等の活躍をしていたが、費用は確実に安くついていたのである。さらにAT-PTの移動速度によってコムリンクによる通信可能範囲も広がり、この部隊は通常の地上軍よりさらに広い範囲をパトロールすることが可能になったのだ。
しかし、AT-PTは戦場での実践的なテストを一切受けずに終わってしまった。旧共和国のAT-PTの大半はカタナ・ドレッドノートに搭載されており、カタナ艦隊が消息を絶ったとき、AT-PT計画を促進させようとする動きも潰えたのである。