全地形用戦術歩行兵器
(AT-TEウォーカーから転送)
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全地形用戦術歩行兵器(AT-TE)はクローン大戦時に共和国グランド・アーミーのために開発された全地形用強襲型ウォーカーである。この兵器はAT-ATウォーカーの前身となる最初の機種の1つでもあり、その後も銀河帝国において限られた規模で使用されていた。
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特徴
本来、AT-TEの基本設計は採鉱企業が広範囲にわたる惑星で秩序を保つために考案したものだったが、実際には戦闘用途に広く再利用されることになった。このウォーカーは速度が遅いため、リパルサーリフト・システムを用いた高速な飛行艇または浮遊艇を防ぐエネルギー・シールドを通過することができ、また、装甲が電磁シールドで補強されているため、イオン・キャノンやEMPによる攻撃を無効にすることができたのだ。AT-TEは共和国のクローン軍が使用する他の重兵器と同様に、クワット・ドライブ・ヤード社で開発された試作機の1つであり、後に同社の秘密の子会社であるロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社によって、極秘のうちに量産されたのだった。
その姿を見せただけで敵に恐怖を与える装甲強襲戦車AT-TEの最大の特徴は、推進のために関節式の6本の脚を使うことである。事実、このウォーカーは軍事用としては初の歩行兵器だった。AT-TEは多目的戦術強襲用兵器であり、その用途は標準的な輸送任務から敵の施設への全面攻撃まで様々な範囲に及んでいたのである。また、AT-TEはより大型で速度の遅い車両を守りつつ、地上の兵員のために援護射撃を行うこともできたため、支援役としても理想的な存在だったのである。
これまでにAT-TEに匹敵する火力を持つ陸専用兵器はほとんど存在していなかった。この強襲歩行兵器の主たる武器は、大型の汎用ヘヴィ・キャノン・タレットである。このキャノンは、爆発性バンカー・バスター、熱探知ロケット、高周波爆弾など、様々な砲弾に対応させることができ、その絶大な威力によって敵が反応する前に建造物や砲塔、兵員編隊を破壊することができたのだ。
中央のキャノンは6基の対歩兵用レーザー・キャノンによって守られており、これらはすべて旋回式タレットの上に搭載されていた。そして、前方に向けられた4基のレーザー・キャノンは、兵員が降ろされる前に展開エリアを掃討するために使用され、一方で後方の2基のキャノンがAT-TE本体を敵の待ち伏せから守っていた。また、AT-TEの外装甲は携帯用の小型火器程度であれば容易に防ぐことができるが、戦術ロケット弾の貫通を防ぐことはできず、命中すれば複合推進システムを完全に破壊されてしまう。特にAT-TEは小型ユニットによる腹部への攻撃に弱いため、地上の兵士たちによる側面の防御が欠かせなかった。
AT-TEの胴体部は装甲に覆われた2つの部位に分かれているが、両者は移動性を確保した柔軟なスリーブによって連結されており、前部と後部の区画にはそれぞれに兵員格納庫が用意されていた。そして、それぞれの格納庫には10名以上の武装したクローン・トルーパーを収容することができ、兵士たちをほぼすべての地形にすばやく展開させることが可能だった。また、AT-TEは6本の足を使ってゆるい斜面を登ったり、障害物を乗り越えたりすることができ、低い重心は安定性の向上にも貢献していた。しかし、逆に地雷には弱く、足が短いため砲手の視界も限定されていた。その上、最高速度も時速60キロメートルほどでしかなかった。当然、KDY社もこうした弱点については十分に把握しており、後にこれらの教訓を活かしてより背の高いAT-ATを開発したのである。
その大きさと複雑さから、AT-TEの操縦にはパイロット1名、監視員1名、レーザー・キャノンを操作する補助メンバー4名など、数多くの乗員が必要となり、さらに7番目の乗員が外部射撃席からキャノン砲を操作することも可能だった。また、多くのAT-TEは軍医として使用されるIM-6医療ドロイドを内部に搭載していた。
AT-TEは様々な種類の大型輸送船に載せて宇宙空間を輸送することができるが、実際に惑星の地表に降下させるには専用のバージや攻撃船が必要となる。クローン大戦中、AT-TEウォーカーは通常のリパブリック・アタック・ガンシップを改良したLAAT/cカーゴ・ガンシップで大気圏内輸送および戦場への投下が行われていた。
歴史
ジオノーシスの戦いは、新たに創設された独立星系連合と旧共和国との間で行われた初の大規模な戦闘として歴史にその名を残すことになった。このとき、ドゥークー伯爵とその支持者たちは共和国の軍事力についてある程度の認識を抱いてはいたが、共和国側が侵略の際に伴ってきたクローン・トルーパーや宇宙戦艦、軍用車両による猛攻撃は、連合側にとっても予想外の出来事でしかなかった。そして、ジオノーシスの戦いに投入された数多くの兵器の1つがAT-TEである。特別製の共和国降下船は前線に投入するためのウォーカーを積んでおり、敵の要塞へ容赦なく突き進むべく、これらの兵器を解放したのだった。
そしてクローン大戦が終結すると、より新しい、より破壊的な陸戦用兵器を好むパルパティーンは無数のAT-TEを退役させた。しかし、これらのAT-TEは破壊されたわけではなく、銀河内乱の最中にもアウター・リムの惑星で使用されていた。だが、AT-TEの惑星内輸送にはカーゴ・ガンシップが必要であり、これらが次第に姿を消すと、あわせて多くのAT-TEが破棄されていったのだった。