Bウィング・スターファイター
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Bウィング・スターファイターは、反乱同盟軍の艦隊で最も大型で最も重装備の宇宙戦闘機の1つである。Bウィングの名前の由来は、遠景からみたときの機体の形状が小文字の ”b” に似ていることだが、他にも攻撃モードのときの形状が剣に似ていることから、「ブレード・ウィング」のニックネームで呼ばれていたという理由がある。
遠くから見た外観から「十字架」としても知られるBウィングは、昆虫型種族ヴァーパインの企業、スレイン&コーピル社がシャンティポール計画の一環として当時のアクバー中佐と共同で開発したものである。Bウィングは操縦が難しい戦闘機だが、エンドアの戦いやコルサントの解放をはじめとする銀河内乱後期の戦いの中で、無数の戦闘を繰り返してきた。Bウィングの主要な役割は強襲型宇宙戦闘機であり、これは新共和国および銀河同盟の時代においても、ユージャン・ヴォング大戦からその後まで一貫して変わらなかった。
後に開発された2人乗りバージョンは短距離輸送任務にも使用されている。
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特徴
Bウィングは3基のミディアム・イオン・キャノン砲塔、3基のヘヴィ・レーザー・キャノン、1基のブラスターによってXウィングや帝国軍のTIEシリーズなどとは比べ物にならないほどの攻撃力を有し、まさに銀河系最強の宇宙戦闘機としての地位を確固たるものにしていた。事実、パトロール艇やコレリアン・コルヴェットでさえもこれほどの攻撃力を搭載することは希である。Bウィングは小規模な同盟軍艦隊の戦いに絶大な貢献を果たしたのだった。
イオン・キャノンの1つは主翼に取り付けられた兵器ポッドから発射されるが、このポッドには放射型プロトン魚雷発射管とレーザー・キャノンも装備されていた。残りの2つのイオン・キャノンは砲塔を備えた両翼の先端に搭載されており、2つ目のプロトン魚雷発射管は大型エンジン冷却板の下に取り付けられていた。ブラスターは通常は2基だが、中には4基装備したモデルも存在し、コクピット・ポッドにまとめて搭載されていた。
イオン・キャノンとプロトン魚雷は連動しており、同じ標的を攻撃する。それぞれは独立して最高の精度を発揮し、一斉発射によって大きなダメージを与えながら互いを補うことになる。
レーザー・キャノンのエネルギーは独自の火力制御照準コンピューターによって非常に低く抑えられていた。レーザーを発射し続けることによって、ダメージを与えなくてもコンピューターはほぼ完璧な照準距離と進路情報を割り出すことができ、レーザーが標的を捕えると、イオン・キャノンとプロトン魚雷による一斉攻撃が開始される。このシステムは最初の一撃に97%という極めて高い命中率を保証するが、当然、敵の砲手にも自機の進路を露呈してしまうことになる。このためBウィングのパイロットがこの照準システムを利用する機会は少なく、機体から完全に除去してしまう者も多かった。一方、ブラスターはパイロットの操作によって個別に発射される。
Bウィングのデザインは自動ジャイロ機構による安定したコクピット・ポッドを備えた斬新なものであり、このポッドには生命維持装置、航法コンピューター、コムリンク送受信機、各種センサーが装備されていた。敵機と遭遇すると、機体は攻撃を避けるために回転を止めるが、ジャイロ機構はコクピットを固定位置に保とうとする。こうして安定性を維持させることによって、機体が回転していてもパイロットは敵機に集中できるのだ。
この異様だが効果的なシステムは技術者にとって悪夢だった。Bウィングに必要とされる保守作業は飛行時間当たりで比べても同盟軍で使用される他のあらゆる攻撃艇を上回っていた。ジャイロ機構は確かに素晴らしい作品であるが、使用後には大きな疲労を生じ、状態が悪ければ取り返しの付かない事態を招くこともあるのだ。ジャイロ機構が機能不全のときは翼の形態が常に一定となり、これは戦闘効果を著しく低下させてしまう。通常の多くの宇宙戦闘機と異なり、Bウィングは戦闘中の重力制御もジャイロ機構に頼っているため、このシステムが不調になるとパイロットは大きなストレスを受け、素早い戦闘展開になると物理的ダメージを被ることにもなるのだ。
Bウィングにはリアルスペースでの航行用にクワデックス社製カイロマスター・エンジンが搭載されていた。分離板には4つの冷却孔が開いており、エンジンから余分な熱を放出させているが、それでも機体からは強い赤外線が放射されていた。
長年にわたってBウィングは帝国艦隊の脅威だったが、ファラ・ベルトの戦いにおいて帝国軍はその意外な弱点を発見した。Bウィングは攻撃力に比べて亜光速度が遅く、大型艦船には極めて有効的だが、TIE/INインターセプターのような新型高速艇には対抗できなかったのだ。しかし、やはりエンジンからエネルギー供給を受けている偏向シールドは非常に強力なものとなっていた。
Bウィング/E・スターファイター
Bウィングは極めて完成度の高い機体だが、後年には改良を施した新型機種もいくつか登場している。コクピットを拡張してパイロットは別に砲手を搭乗可能にした機種はBウィング/Eと呼ばれ、戦闘時における敵機の撃墜数を大幅に向上させることができた。また、Bウィング/Eは速度の点でも通常のBウィングを上回っているが、逆に機動性はやや失われている。
Bウィング/Eをさらに発展させたBウィング/E2は、技術者たちの改良によってもたらされた最も完成度の高い戦闘機の一例である。このBウィングは新共和国艦隊の中枢として数年にわたって活躍し、Xウィングと同様に戦闘マシンとしての新しい戦歴を築き上げたのだった。
E2の外観は初代Bウィングの直後に開発された複座式のE型と全く同じである。複座機は砲手を収容するために操縦ポッドが3メートルほど拡張されており、砲手はパイロットのすぐ後ろに搭乗する。砲手が別に搭乗することによってパイロットはジャイロ機構を用いた安定性の維持と操縦に専念でき、結果的により多くの敵機を撃墜することができるのだ。
また、エンジン・カバーの下に隠されたもう1つの改良点も特筆に値する。Bウィング/Eの開発者は高い機動性を犠牲にする代わりに高速性と耐久性を重視し、Yウィングを上回る速度を可能にするとともに、シールドの出力も大幅に向上させることに成功した。一方で、連動型レーザー・キャノン2基、イオン・キャノン3基、8発の弾頭を備えたプロトン魚雷発射管といった標準的な装備に新型武器制御システムを搭載していた。Bウィング/E2に至ってはさらに先制攻撃用の外部装着式プロトン魚雷発射管をも搭載しており、ここにも8発の弾頭を備えていた。
その後、スレイン&コーピル社の技師たちは再びBウィング/E2の改良に着手し、弾倉をコクピット直下の主砲塔に取り付けた。これによってE2は12発の魚雷を運ぶことができるようになり、宇宙戦闘機としては他に類を見ない強力な火力を備えることとなった。しかし、その代償としてさらに機動性を失うことになり、この改良を施された機体が使用されるのは特に大きな攻撃力が要求される特別な任務に限られている。
この弾倉はBウィング/E2の魚雷搭載システムに特化して造られているため、標準型BウィングやBウィング/Eに取り付けることはできない。多くの技術者たちはそれでも旧型機を改造して装着を試みているが、スレイン&コーピルはその行為を決して推奨してはいないのだ。
アクバー提督自らもBウィング/E2を専用シャトルとして使用していた。彼の機体は標準型E2をさらに改造したものであり、通常前後に並んでいる2つのシートを横に並べ、座席後方の空間を貨物区画に改造している。
歴史
ヤヴィンの戦い以前から、反乱同盟軍は帝国艦隊による執拗な攻撃によって深刻な戦闘機不足の状態に陥っていた。しかし、この責任の一端は同盟軍自身にあった。同盟軍の宇宙戦闘機はスター・デストロイヤーを始めとする帝国軍の大型艦船に対してなす術がなく、護衛艦に軽い損傷を与える程度のことしかできなかったのだ。このような状況から、当時のアクバー中佐は大型艦船にも十分に対抗し得る攻撃力と強度をもった大型戦闘機の開発に着手することになる。アクバーはローシュ小惑星帯の植民星スレインとコーピルを訪れ、造船技術に富んだ昆虫種族ヴァーパインに援助を申し入れた。この一連の計画はシャンティポール計画と名付けられ、やがて同盟軍はBウィング爆撃機を手に入れることに成功したのである。しかし、この計画はアクバーの技術者チームに紛れ込んでいたスパイによって帝国軍の知るところとなり、同盟軍の新型戦闘機の噂は帝国艦隊に急速に知れわたってしまったのだった。