ニエン・ナン
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解説
エンドアの戦いのとき、ランド・カルリジアンは<ミレニアム・ファルコン>の副操縦士として多くの優秀なパイロットを選んだが、中でも特に適材適所な人材だったのがニエン・ナンだったのである。
サラスタンのナンはランドの古くからの同僚の旧友であり、強い推薦を受けていた。彼のパイロットとしての腕はまさしく一流であり、ナンとその旧型軽貨物船<サブライト・クイーン>の名はサラスト星系全体に知れわたっていたのである。
かつて、ニエン・ナンはソロスーブ社で一番の運び屋と呼ばれており、天然資源や他の非精練物質の外星系への輸送に従事していた。彼の宇宙船は非常に速く、仕事も手際良くこなし、ソロスーブ社からも多額の報酬と共に大きな賞賛を受けていたのである。
しかし、会社は帝国への物資供給に完全に身を委ねるという決定を下し、続けてサラスト星系の自治権を住民たちから奪い取るようになってしまった。そのとき、ナンも故郷を去る決意をしていたが、激しいブラスター砲火と戦闘機の追跡をかわして逃亡することは予想以上に難しいことだった。そして熟考の末、彼はかつての雇い主を破滅させることに自分の才能を活かすことを決めたのである。
長年にわたる密輸業で培った能力を活かし、ナンはソロスーブ社の貨物を盗み出すと反乱同盟軍に横流しするようになった。彼は民衆に歓喜の希望を与え、彼らを行動へと導くために堂々とした態度で公に盗みを行っていたのである。次第に他の人々も資金を持って仲間に加わるようになり、ソロスーブ社ももはや彼らを止めることはできなかった。ナンは多くの密輸組織や無法者集団を味方に付け、実際にこれらの犯罪組織が踏みにじられた民衆に対する伝説的英雄となったことは、ソロスーブ社にとっても大きな問題だったのである。さらに、著名な政治家のシアン・テヴを始めとした他の多くの人々も静かにナンを支援し、同社が反乱軍との同盟を検討するように働きかけていたのである。
この状況に困惑したソロスーブ社は帝国に解決策を求めることになった。そして、帝国軍が送り込んだ回答は反逆者を見つけ一掃するためのスター・デストロイヤー艦隊だったのである。このことはソロスーブ社、そしてナンやテヴの提案を真剣に検討し始めていた同社を支える多くの人々にとって、大きな災難となった。帝国軍が圧倒的な軍事力を誇示した後、ソロスーブ社はサラスト星系の防衛とナンを止めるための警備艦隊を設置した。この警備艦隊の主な任務は海賊の襲撃などを撃退することだったが、ナンの率いるギャング団などへの威嚇も重要な使命だったのである。
ナンは状況を変えるには自分たちが反乱軍に参加して直接帝国軍と戦うしかないと悟っていた。彼のギャング団は素早く同盟軍と接触したが、協定を結ぼうとしたそのとき、帝国軍の妨害によって壊滅的打撃を受けてしまったのである。一方で、サラストではソロスーブ社が信念を一変させたという噂が流れていた。帝国軍による侵略を避けるために支持を誓い続ける傍ら、水面下では反乱同盟軍を支援するというのである。
ついにソロスーブ社が反乱軍との同盟を結び、サラスト星系を反乱軍艦隊の秘密拠点として提供すると、ナンも人々から英雄として称えられるようになった。そして、彼の名声はエンドアの戦いによってさらに大きなものとなったのである。