ダネル・フェイトニー
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解説
コルサントの下層にある歓楽街を訪れても、そこにたむろする人々の制服に騙されてはいけない。もちろん、そこには上層からコルサントのナイトクラブを訪れ、常連客に混じって「スラム見物」をしている役人たちもいる。だが、共和国の官僚やセネイト・ガードのように見える客たちの大半は、他人のポケットの中身を狙う詐欺師なのだ。一見するとダネル・フェイトニー中尉もうまく制服を着こなしているが、彼には決して何も与えてはならなかった。
ダネル・フェイトニーは共和国に奉仕する官僚としての将来を夢見ていたが、2つの主な長所によって堕落した。それは、サバックの変化にも追従できる明快な頭脳と、女性を狂喜乱舞させる熟年の上品な振る舞いであった。彼が間違った女性に深入りしてしまったのは後者の才能が原因だった。その陰湿な女は彼を騙し、不法なスパイス採鉱事業に投資させたのであった。彼はなんとか逮捕を免れるが、コルセックとエイリアンの敵対者の双方から追われる羽目になった。ダネルは創意に富んだ野心家の友人、アック・メド=ベックの助けを借り、コレリアを脱出した。彼には立派な制服を着て働くという願望があるが、それも信頼とペテンの織りなす芸術のなかに利益と興奮があることを悟ったからだった。
一連の不運な出来事の末、2人はコルサントにたどり着いた。そこで彼らはココ地区刑務所の準監房区画に短期間だけ投獄されるが、洗濯用スピーダーを騙し盗って脱獄に成功した。そして夜のギャンブル街で一財産を稼いだ後、2人の詐欺師は共和国の制服を手に入れた。こうして「中尉」(少なくとも階級章を信じる限りは)となったフェイトニーとメド=ベックは獲物と娯楽を求め、アウトランダー・クラブの常連客となったのだ。