オーキー・ドークス
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解説
マケン・テでスキンガの養殖を営む裕福な家系の長女として生まれた、見る者を気絶させるほど美しいオーキー・ドークスは、肉体的な魅力よりもはるかに多くの才能を持っていた。彼女の母親はオーキーを牧場の代表として惑星外に出し、毎年開催されるコルサント家畜交換展示会に出席させた。だが、コルサントの大都会にやってきたオーキーは欲望の赴くままに散財してしまい、借金まみれで身動きの取れない状況に陥ってしまう。彼女は体に埋め込むために高価な宝石を大量に購入し、家族の貯金口座を空にしてしまったのである。
極貧となったオーキーは裏通りへと逃れた。彼女は両親が自分にかなり失望しており、もはや食べてさえもくれないだろうということを知っていた。しかしその後、オーキーは排水溝の中で、自分に値段が付けられないほどの貴重な才能があることに気づいたのである。彼女は孤独な感情を力強い絵に変えることができた。コルサントの裏通りで手に入れた屑同然の汚物をキャンバスや絵の具として使い、この無一文の乙女は不気味で奇怪な作品を描く地下社会の有名画家となったのだ。彼女はこの成功によってコルサントの上流社会へと上っていき、ついにはコルサントの華々しいアスクルー・エンターテイメント地区のアウトランダー・クラブに集まる富裕層へと加わったのだった。
ある日、勇ましい共和国司法省の役人、ダネル・フェイトニーとその仲間のアック・メド=ベックがオーキーに話しかけ、彼女の将来の芸術活動に出資したいと申し出た。フェイトニーは魅力的な男だったが、彼女も最初は彼に疑いの目を向けていた。なぜなら、「もちつもたれつのビジネス・パートナー」というベーシックは、スウォークス・スウォークスの言葉でいう「騙されやすい者」と驚くほどよく似ていたのである。しかし、彼女は自分の心を信じた。その晩、オーキー・ドークスは2人の新しい友人と、芸術品となる可能性を秘めた作品を持って、一緒にアウトランダー・クラブを出たのである。
彼女は完全に無一文というわけではなく、体に埋め込んだ宝石を売ればいくらかの金にはなるはずだった。また、彼女にはボロボロの共和国の制服に包まれたバラバラの手足からなる作品といういくつかの興味深いアイデアもあったが、発想が実を結ぶまで、ただ待つ必要があったのだった。