カーベ
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カーベは、チャドラ=ファンの少女である。彼女はモス・アイズリーの酒場の常連客であり、ジュリ・ジュースが大好物だった。
経歴
カーベは故郷チャドの大地震による難民の1人である。大地震とそれによって引き起こされた津波は古代から続いたチャドラ文明を滅ぼし、この惑星を海賊や奴隷商人に明け渡してしまった。彼らは価値あるものすべてを奪い取り、多くのチャドラ=ファンが奴隷として他の星系へ連れて行かれてしまう。しかし、小柄なチャドラ=ファンは肉体労働に不向きであり、実際はきれいずきなのだが、外見から不潔そうに見られ、闇市場でも評判は悪かった。そのため奴隷商人たちは彼らを置き去りにするようになり、カーベも1人でタトゥイーンの雑踏の中に捨てられたのである。
そんな暗い過去を背負っていたにも関わらず、いたって陽気で無邪気なカーベはモス・アイズリーでの生活に驚くほど精通していた。カーベは種族特有の敏捷性と嗅覚を活かして盗みを働いていたが、巨大なタルズの友人マフタックが絶えず外敵から守ってくれたため、街中を自由に駆け回ることができた。実際、彼女は盗みを犯罪ではなくゲームであると思っていた。もしマフタックがいなければ、彼女はとっくにバンサの餌にされていただろう。これといった夢も希望もない2人にとって、カーベの盗んだ金は貴重な生活資金なのである。
カーベのお気に入りの手口は、ジャワに変装して新しくこの街にやってきた人々から存在しない商業ギルドへのサービス税を徴収するという、危険極まりないものである。このためジャワたちは何度も返済を求められ、ときには暴力沙汰になったこともあった。カーベの犯行だと気付いた彼らは怒り狂い、彼女をカークーンの大穴に突き落とそうと思ったこともあったらしい。
チャドラ=ファンは本能的に孤独を嫌うため、カーベもマフタックと一緒にいるときが最高に楽しかった。2人はモス・アイズリーの酒場で時間を過ごすことが多く、彼女はそこでスリの練習などもしていたが、とりわけ酒場で一番強いジュリ・ジュースを飲みながらギャンブルを打つのが大好きだった。しかし、幼いカーベはスニフター1杯ですぐに酔いつぶれてしまい、彼女をドッキング・ベイ83の地下通路にある寝床へ連れて行くのはいつもマフタックの役目だった。
そんなある日、2人は危険を承知でジャバ・ザ・ハットのタウンハウスへ盗みに入る決意をした。無数の罠を天性の勘で潜り抜けた彼女は、拷問部屋で偶然にも反乱軍のバリド・メゾリアムと出会う。彼は2人にデータドットを手渡し、これを反乱軍に届ければ30,000クレジットの報酬がもらえると告げた。エイリアンを迫害する銀河帝国への憎しみから依頼を引き受けた2人は、約束通りの大金を手にすることとなり、その後自分たちの運命を求めてそれぞれの故郷の惑星へと帰っていったのだった。
チャドの大地はほとんどが水没してしまったが、その多くは砂漠や沼地であったため、幸運にも生活に適した土地は比較的多く残されていた。そこでチャドラ=ファンたちは、かつての文明を再建しようと努力していたのである。