サレシャス・B・クラム
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サレシャス・B・クラムは、ハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレの宮廷道化師として雇われていたコワキアン・モンキー=リザードである。
解説
サレシャス・B・クラムはジャバ・ザ・ハットの宮殿に住み着いていた道化のようなコワキアン・モンキー=リザードである。クラムはジャバの宮廷の台座に座り、いつもジャバの面会相手の真似をしては甲高い笑い声をあげていた。コワキアン・モンキー=リザードが知覚生物であることは間違いないが、彼らは何も造れなければ、芸術も科学も文学も何も理解していない。彼らの本能は集団で食べ物を漁ることだけであり、自分より大きな知覚生物の前に出ると可愛がられようとなついてくるのだ。
クラムはこれまでにジャバに逆らい、その後も生き続けた唯一の生物である。彼が初めてジャバと出会ったのは、ジャバが重要な取引きのためクエン宇宙ステーションに立ち寄ったときのことだった。厄介な寄生虫に過ぎなかったクラムはジャバの宇宙船に忍び込み、マンティロア社製のネズミ採りから逃げまわって、大はしゃぎしていた。クラムにはどんな状況でも本能的に必ずトラブルを引き起こしてしまう癖があり、このときも誰にも気付かれずにジャバの寝室に隠れていたのだった。
船に戻ったジャバはすぐにクラムを発見した。クラムは部屋中を引っ掻き回し、ジャバのフード・ボールの上に座って彼の緑色の粘土状食料を食べていたのである。激怒したジャバはクラムを一口で飲み込んでしまおうとしたが、素早すぎて捕まえることができなかった。するとクラムは樽木に飛び移り、ボールを大きな耐熱ヘルメットのように被ってジャバをからかい始めたのである。
ちょうどその時、騒ぎに気付いたビブ・フォチューナと彼のライバル、ビドロ・クワーヴが部屋に駆け込んできた。驚いたクラムはボールを投げ捨て、呆気に取られているビドロに緑色の液体を浴びせかけた。ビドロは怒り狂ってブラスターを構えたが、緑色の液体はブラスターの中にまで染み込んでおり、彼の放ったものはすべて緑のヘドロとなってフォチューナの顔面に降り注いだ。その光景を見ていたジャバは全身を抱えて大笑いし、クラムをペットとして連れて帰ることにした。彼に与えられた仕事は、ジャバを笑わせることだった。このとき以来、ジャバは部下たちが殺し合いを始めても、笑うことに夢中で冷静さをほとんど失うようになったのである。サレシャス・クラムはジャバの懐に座るようになり、セール・バージで最期を遂げるまで、宮殿の番人や訪問者たちをからかっていたのだった。