シンデル・トワニ
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解説
エンドアの戦いの数年前、当時5歳だった幼い少女シンデル・トワニは、父ジェレミット、母カタリーン、兄メイスと共に、一家4人で宇宙旅行へと出発した。だが、トワニ一家を乗せたスター・クルーザーは深宇宙で大破してしまい、彼らは森林衛星エンドアへの不時着を余儀なくされる。これがシンデルの恐怖と冒険に満ちた人生の始まりだった。一家は森に放り出され、大人たちはこの未開の星で文明を探すという無謀な冒険へ出かけることになる。一方、決して宇宙船を離れるなと言われていた子供たちも好奇心には勝てず、2人で森林の探索を開始したのだった。やがて、ジェレミットとカタリーンは諦めて宇宙船へと戻るが、そこは既に無人であり、2人は必死に子供たちの名前を叫び続けた。だが不幸にも、彼らの声はエンドアを徘徊する巨大な怪物ゴラックスの注意をひきつけてしまう。シンデルの両親はゴラックスがペットとして飼っている獰猛な生物ボア=ウルフに捕まってしまい、その後、ゴラックスの住む洞窟へと連れ去られたのだった。
両親と離れ離れになったシンデルとメイスは森で食料を捜し回っていたが、やがてシンデルは疲労のため病気で倒れてしまう。だが、2人はイーウォックのディージに助けられ、彼らの村へと招かれた。その後、シンデルはディージの妻ショードゥがエンドア特有の草で作った薬の力によってなんとか元気を取り戻し、ディージの陽気な末息子ウィケットと仲良くなる。彼女はウィケットと遊びながら簡単なベーシックを覚えさせたりもしたのだった。
そしてある晩、短気なメイスは妹を説得し、イーウォックたちを残して2人でこっそりと両親を捜しに出かけることになる。そして、彼らは危険な夜の森林を何時間にもわたって探索し、ついにはボラ(ボア=ウルフの別名)に捕まってしまうのだった。だが翌朝、兄妹を探していたディージが槍でボア=ウルフを退治してくれたため、2人は再び救助される。このときボア=ウルフの死骸から、メイスとシンデルはジェレミットとカタリーンのライフ・モニタを発見し、ようやく両親がゴラックスに捕らえられていることを突き止めたのだった。彼らはイーウォックたちに助けを求め、ディージたちも一度は絶望的な状況に困惑したが、ついには2人への協力を約束する。その後、子供たちを助けるため、ディージとその息子たちはイーウォックの呪い師ログレイに助言を求めた。そして、ログレイが幻灯機を通して2人の両親がまだ生きていることを確認すると、ディージはゴラックスの住む洞窟へ向けた救助隊を組織した。また、ログレイは救助隊の各メンバーに、探索に必要になるであろう様々な道具を提供し、幼いシンデルは決して燃焼しない魔法のピュア・ライト・キャンドルを与えられたのだった。
イーウォックと人間の混成救助隊がエンドアを横断する冒険へと出発する。シンデルとウィケットもプルガ・ホースに跨ってゴラックスの洞窟を目指すが、やがて馬も恐怖に怯えて森へと逃走してしまう。しかし、イーウォックのきこりであり伝説の戦士でもあるチュカ=トロックがこの臆病な獣たちをうまく手懐けたため、一行はついに洞窟のある山へと到着することができた。ここでウィケットとシンデルは洞窟の入り口付近に留まり、大人たちとメイスが奥へと侵入していく。そして、シンデルは魔法のキャンドルからウィスティの女王イズリナを召還し、この魔法の妖精はゴラックスの注意を逸らしてくれた。このときメイスとイーウォックたちは勇気を奮い立たせ、仲間を失いながらもゴラックスを倒したのである。ジェレミットとカタリーンも無事に解放されたのだった。
その後も数ヶ月の間、トワニ一家はイーウォックたちと平和に暮らしていた。だがその平和も、ある日突然に起こった悲劇によって打ち砕かれてしまう。シンデルとウィケットが森の外からイーウォックたちの村へと戻ると、マローダーと呼ばれる長身のエイリアン(彼らも数年前にエンドアに不時着し、この星を出られなくなった難民たちである)たちによって村が襲撃を受けていたのだ。シンデルは目の前で母と兄を惨殺されるが、そのショックもつかの間、必死にその場を逃れて父を捜しに行く。しかし、ジェレミットを先に見つけたのはマローダーの首領テラクと、邪悪な魔女シャラルだった。ジェレミットは娘に逃げろと叫び、自分も何とかこの惨劇を逃れようとするが、無残にも殺されてしまう。マローダーたちはトワニ一家が宇宙船を動かすのに必要となる、神秘的な魔力のような力を持っていると誤解していたのだ。そしてテラクは、多くのイーウォックたちを奴隷として平原にある古い砦へと連れ去っていったのである。
その後、シンデルが生存者として逃走していることを知ったテラクは、部下のシャラルに彼女を捕らえるよう命じる。一方、シンデルはウィケットと共にエンドアの自然の脅威に立ち向かい、ある日、森の中でティークと呼ばれる奇妙な生物と遭遇した。その後、2人は彼の主人であるノアという名の老人の家へ招かれ、彼もまた数年前に乗っていた宇宙船が故障し、エンドアに不時着した人間だったことを聞かされる。こうしてシンデルとウィケットはノアと友人になり、彼に守られて平和な日々を過ごすのだった。だが、ついにはシャラルの変身能力に騙され、シンデルもテラクの砦に捕らえられてしまう。そこでテラクは彼女に、トワニ一家のシャトルから奪ったパワー・クリスタルの使用法を尋問するが、シンデルには何のことか理解できなかった。そのため、彼女はテラクの城の地下牢に拘留されることになるのだった。
その後、ノア、ティーク、ウィケットが、シンデルと他の捕らわれたイーウォックたちを救出するためマローダーの砦へと忍び込む。そして、彼らは囚人たちを解放すると、マローダーの追跡を辛うじて振り切り、森林へと逃走した。そこには何十年も前に不時着したノアの宇宙船が隠されているのだ。ノアはシンデルが取り戻したトワニ家のパワー・クリスタルを使って宇宙船の武器にエネルギーを充填し、テラクとその軍勢を払いのける。こうして両者は激しい戦いを繰り広げたが、テラクはシンデルを捕まえると、彼女の命と引き換えにパワー・クリスタルを渡すよう要求するのだった。だが、最終的にこの危機を救ったのはウィケットである。彼の投げた石がテラクのネックレスに付けられたシャラルの魔法の指輪に命中し、そこから放たれた生命の炎がマローダーたちを焼き焦がしたのだ。こうしてマローダーの脅威は去り、ノアの修理によって、宇宙船もいつでも飛び立つ準備が整っていた。その後、シンデルは涙を流しながら親友ウィケットに再会を約束し、ノアと共にエンドアから文明社会へと旅立ったのである。
そして数年後、立派な女性に成長したシンデルは、首都惑星コルサントで理想主義に燃えるジャーナリストとして活躍し、ライフ・モニターと呼ばれるニュース・サービスの配信を行っていた。そしてイェヴェサ危機の最中、彼女は新共和国情報部のハイラム・ドレイソン提督との接触に成功し、イェヴェサによるポルナイ侵攻から逃れた唯一の生存者、プラット・マラーの肉声を記録したテープを入手する。このテープにはイェヴェサの脅威とクアノッチ星団で起こっている大虐殺に関する衝撃的な証言が収められていたのだ。このテープが公表されたことによって、ポルナイは新共和国市民と元老院の同情を得ることに成功し、やがて事態は新共和国とイェヴェサとの戦争へと発展することになる。だが、これもすべて、ドレイソンの仕組んだシナリオに他ならなかった。