イスプルーアダカーサ・エスティロー
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解説
2メートル近い長身に黒い瞳、そして禿頭という異様な風貌のプルーア・イローは、帝国に激しい憎悪を抱く女性戦士である。彼女はとても短気で腕力もあり、癇に障るとすぐに殴り合いを開始していた。そして、常に超然とした態度をとる一方で、陰気になったり疑い深くなる傾向もあった。口数が少なくストイックな皮肉屋という一面もあり、ブラック・ユーモアも得意としていた。プルーアは早期から反乱同盟軍に参加しており、エンドアの戦いのときはアクバー提督の旗艦<ホーム・ワン>に技術者として乗艦していた。だが、彼女の素性は天性のパイロットであり、エイドロン基地の発見直後にはウェッジ・アンティリーズ率いるローグ中隊のメンバーに抜擢されていた。故郷エイアトゥの貴族たちが新共和国にプルーアの返還を求めてきたのも、彼女がローグ中隊に参加したころのことだった。彼女は本名をイスプルーアダカーサ・エスティローといい、エイアトゥVIの国王ウソアフェレル・カーサの生存する唯一の相続人だったのだ。
貴金属の産出地として有名なエイアトゥVIは、パルパティーン皇帝が権力の座に就いて最初に軍隊を派遣した惑星の1つである。プルーアの祖父アントビアンプルーアIII世は帝国と敵対するより譲歩する道を選び、貢物を利用して全滅させられることを防いでいた。地元のモフへの賄賂によって前国王は名目上の権力を保っていたが、帝国が人々を攻撃することを阻止することはできなかった。彼の後継者である息子はさらに権力に乏しく、ついには他の貴族たちによるクーデターによって王の座を奪われてしまう。国王の一族は全員逮捕され、国内流刑に処されたのだった。また、これとほぼ同時期に、皇帝は極めて残忍なモフを惑星の統治者に指名し、内乱に介入していた。帝国は王族を救出するという名目で軍を派遣したが、その後救出する前に反乱軍が彼らを全員殺害していたと発表した。実際に王族を殺害したのは一部の貴族たちと共謀した帝国軍だったのだ。しかし、プルーアとその弟ハランダーサだけが惑星からの逃亡に成功したという噂も囁かれていた。エイアトゥVIに残された国王派の貴族たちはプルーアを捜索し、彼女が故郷に戻って惑星が帝国の駐屯軍に対し団結する一助となることを望んでいたのである。
プルーアが自分を国王の後継者であると認めたことで、エイアトゥ社会に政権争いの騒乱が巻き起こる。彼女はローグ中隊に父に対するクーデターのこと、そして自分がいかにして王族の処刑から逃れたかを説明した。プルーアは逃亡の際に実弟ハランダーサの殺害を強いられていたのだ。しかし、このときエイアトゥVIで権力の座に就いていたのは、自らをハランダーサであると主張するハラン・エスティローだった。真相を知るローグ中隊はハランが偽者であることを暴露し、プルーアの復権に助力した。また、プルーアが幼少の頃に婚約させられていた相手のリアル・パーノンも、後に彼女が政治派閥に復帰し、故郷に王制を回復させる際の支えとなった。プルーアは貴族階級による圧政を排除し、一般市民に再び政府に対する発言権をもたらすと、プリアムスタ(前国王に反対する貴族派閥)の勅令を無視して自らを唯一の支配者であると宣言した。こうしてハランは権力の座から追放され、その背後にモフ・レオニア・タヴィラがいたことも発覚した。プリアムスタは自分たちが帝国の傀儡でしかなかったことに気づき、最終的にはプルーアの政権を承認した。彼女はエイアトゥにかつての栄光を取り戻すことを誓約したのだった。
だが、プルーアにとって故郷の女王の座に就くことは、ローグ中隊からの引退をも意味していた。ウェッジは彼女の選択を公然と支持するが、彼女はすぐに1つの妥協案を考えつく。プルーアは公務が障害とならない場合に限り、ローグ中隊と共に飛ぶことを要請したのである。ウェッジは喜んでこの提案を受け入れたのだった。後に彼女は本来の長い名前を使うようになり、エイアトゥの新共和国への参加交渉の際には代表団の一員としてレイア・オーガナ・ソロ元首とも会談を行っている。