グリーン
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解説
グリーンはヴィゴの中の唯一の人間であり、そのことにはもっともな理由がある。プリンス・シーゾーは人間を裏切りやすい種族ではあるが、中にはごく希に信用できる者もいると考えていたのである。グリーンはあたかも根拠があるかのように、いつも他のヴィゴたちよりも自分が優位に立っていると感じていた。おそらくシーゾーの部下で一番の愚か者である彼はダーガ・ザ・ハットの密命で働いていた部下たちによってそそのかされ、シーゾーを失脚させて自分がブラック・サンの頂点に君臨することができると信じていたのである。
グリーンのシーゾーに対する絶え間ない策謀は、本来の職務に対する緩慢さを露呈させることになり、彼の組織への納付金も減少の一途をたどっていた。彼がシーゾーの期待を裏切っていることはスパイによってすぐに報告され、グリーンは急速にシーゾーの信頼を失っていったのである。
意外なことに、彼のブラック・サンへの最大の献身は彼の有する恐喝を専門とした広域スパイ網だった。このスパイ網の活動拠点は主に銀河中心部に集中していたが、彼は自分の力をより大きな物とするために、さらに多くのセクターにも関心を寄せていたのである。彼は仲間のヴィゴたちと同様に銀河中心部に多くの協力的な犯罪者を抱えており、その中にはスパイス商人や奴隷商人も含まれていた。さらに、コルサントにスパイスを直接密輸することが禁じられていたため、このような仲間の存在は彼にとって大きな強みだったのである。しかし、インペリアル・センターへのスパイス独占供給権をもつウェンデル・ライト=シムズの存在によって、グリーンは特にもてはやされてはいなかった。
グリーンの外見は彼の内面的な性格をよく表している。彼はいつも帝国の高僧を思わせる派手なローブをまとっており、血の気の引いた陰気な表情で自分の裏の行動を知っている者たちを見回しているのである。また、彼はまだ中年だが髪は白く、そのためにどうしても目立ってしまう。スパイや部下たちがすべてを知っている一方で、自分の裏切り行為がシーゾーの関心を引いていることに気付いていないのはグリーンだけだったのだ。