ヨリク=エト
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ヨリク=エト、通称コーラルスキッパー(新共和国軍は蔑称としてスキップと呼んでいた)は、ユージャン・ヴォングが銀河系への侵略の際に使用した有機工学による宇宙戦闘機である。
特徴
既知銀河系への侵略に際して、ユージャン・ヴォングたちは新共和国が予想だにもしなかった危険な生物工学兵器を大量に解き放ってきた。こうした兵器の中でも最も広範囲に使用されているものの1つが、侵略軍で標準型戦闘機として利用されていたヨリク=エト、すなわちコーラルスキッパーである。
生きた戦闘機であるスキップ(新共和国のパイロットたちはこう呼んでいた)は、その大部分が有機体であるヨリク・コーラルによって構成されていた。ルーク・スカイウォーカーとジェイセン・ソロがベルケイドンで発見したコーラルスキッパーの「養殖場」には、成長する無数の戦闘機を取り囲むように、つる状植物が生い茂っていた。これらのつる状植物が太陽光のエネルギーを養分に変換し、コーラルスキッパーに注ぎ込んでいるのだ。コーラルスキッパーは作られるというよりも、むしろ育てられているため、すべての個体が1つ1つ厳密に異なる形をしている。しかし、細い先端部、天然の雲母に似た暗い天蓋、空気力学的な三角形の船体など、基本的な形状はすべての個体で共通した特徴である。
コーラルスキッパーは武装面でも極めて特徴的である。ユージャン・ヴォングのパイロットが敵に向かって発砲すると、機体の先端に付いた小さな付属肢から燃えたぎる溶岩が射出される。この物体は敵の宇宙船に当たると装甲プレートを貫通して爆発し、標的に回復不能な大打撃を与えることができるのだ。また、コーラルスキッパーは推進機構にも同じ原理を使用しており、進行方向と逆向きにマグマを噴出させることによって推力を得ている。そのため、コーラルスキッパーは岩や小惑星、その他、宇宙空間を漂う岩屑などのミネラル分を定期的に摂取しており、これによって武器を補充すると同時に、燃料の補給を行っている。
コーラルスキッパーの機体前方に辛うじて見える小さな脈打つ軟体生物は、ドヴィン・ベイゾルである。控え目だが、これはコーラルスキッパーの最も重要な構成物の1つであり、ドヴィン・ベイゾルは超小型のブラック・ホールのようなものを発生させ、それを活性化させることによって、一点に超重力場を形成させている。コーラルスキッパーはこの重力場を敵の艦船に向けることによって、相手のシールドを剥ぎ取ることができるのだ。さらに、敵機からのレーザー砲火やプロトン魚雷をこの重力異常に飲み込ませることによって、自機のシールドとして利用することも可能である。
幸いにして、新共和国のパイロットたちはドヴィン・ベイゾルを打ち破るいくつかの方法を発見することができた。彼らは慣性補正器の範囲を広げることによってドヴィン・ベイゾルの作り出す重力井戸に順応し、シールドの損失を防ぐことに成功している。また、コーラルスキッパーに低出力のレーザーを連続して打ち込むことによって重力シールドを過負荷にし、ドヴィン・ベイゾルに武器やエンジンなど、他のシステムのエネルギーを消費させてしまう方法も有効である。
しかし、死をも恐れないユージャン・ヴォングのパイロットたちは、コーラルスキッパーをその潜在能力以上に恐ろしい兵器として有効活用していた。敵陣に突入したスキッパーはスピンを素早く加速させながら、敵のレーザー砲火を次々と重力場の中に引き込んでいく。こうなると敵機は重力異常から逃れることができず、互いに衝突するまでコーラルスキッパーの周りを巡回し続けることになる。衝突位置では重力場も分散しているため、コーラルスキッパーとその死を覚悟したパイロットもろとも、あらゆる船が莫大なエネルギーの閃光に包まれてしまうのだ。
コーラルスキッパーは厳密な意味での宇宙船であり、重力下では十分に機能を発揮することができない。また、これらは長距離移動を想定していないため、銀河系を横断するにはより大型の母艦に頼る必要がある。
デュブリリオンの戦いでランド・カルリジアンが1機のコーラルスキッパーの捕獲に成功したとき、新共和国はユージャン・ヴォングのパイロットが、コグニッション・フードと呼ばれる特別なマスクを通じてコーラルスキッパーとの意思疎通を行っていることを発見した。実際にこのフードはコーラルスキッパーの一部であり、ユージャン・ヴォングの言葉を理解し、話すことができるのだ。