<ヴィラーゴ>
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<ヴィラーゴ>は、ブラック・サンのプリンス・シーゾーが所有していたスターヴァイパー級アタック・プラットフォームの試作機である。
特徴
<ヴィラーゴ>の独自の設計は可動式の調整可能な4枚のウィング・パネルにあり、各々には最高の機動性を維持するための2本のマイクロスラスターが取り付けられている。各翼は他と切り離されたSフォイル機構を持っており、機動性が必要な場合には飛行時にも一定間隔で位置を変えることができた。この変形形態は<ヴィラーゴ>をあたかも不規則に翼を羽ばたかせる優雅な鳥のように見せている。また、この戦闘機は各翼のマイクロスラスターや1対のクワデックス製社IGtエンジンからなる主推進機構の可動式ナセルなど、すべての装置が最先端コンピューター制御システムによって統合されており、操縦が極めて容易である。しかし、この可動式ウィング・パネルは宇宙空間での機動性を高めているものの、大気中を航行している際には障害物でしかなかった。そのため、シーゾーは戦闘中以外は各翼を収縮した状態にしていた。
速度と機動性だけでなく、<ヴィラーゴ>は防御と武装の点でも充実していた。コクピットの両側にはテイム&バック社製Ht-12ダブル・レーザー・キャノンが搭載されており、戦闘中には広範囲に強力な火力を及ぼすことができる(ただし、翼が収縮しているときはこれらのキャノンは前方向に固定されていた)。また、前方の砲火アークに覆われた部分には2門のプロトン魚雷発射管が隠されていた。一方で、ウィング・パネルの前面は重装甲で覆われており、装甲が比較的弱い機体後方も強化型偏向シールド発生装置によって守られていた。
<ヴィラーゴ>に搭載されたあらゆるシステムは、最大効率で稼動させた場合に莫大なエネルギーを消費してしまう。そのため、開発者たちは4つの独立したパワー・ジェネレーターを統合した形で採用しており、それぞれを各ウィング・パネルの翼桁に搭載させたのだった。同時に、各翼には予備の燃料セル・ラックも取り付けてある。
歴史
ブラック・サンの首領プリンス・シーゾーがコルサントの宮殿から遠く離れることは稀だった。彼は銀河系全域に存在する無数のビジネス拠点に忠実な手下を配置していたため、この星系を離れる必要性がほとんどなったのだ。しかし、シーゾーは他人を完全には信用していなかった。そのため、彼はマンダルモーターズ社の造船工場に特注し、新型宇宙船を造らせている。この快速かつ実践的で恐ろしい船によって、シーゾーはブラック・サンの事業が彼個人の関心を必要とした際にはどこへでも出向くことができたのである。これはスターヴァイパー級アタック・プラットフォームの初号機であり、シーゾー専用に設計された非常に高価な船だった。この戦闘機は卓越したスピードと機動性という点でダーク・プリンスの基本的要求を満たしており、防御および攻撃の面でも十分な装備がなされていたのだった。
スターヴァイパー級アタック・プラットフォームの性能に満足したシーゾーは、この船を<ヴィラーゴ>と名づけ、マンダルモーターズ社からこの戦闘機に関するあらゆる権利を買収した。彼はこの戦闘機を、この世で1つしかない自分だけのものとしたかったのである。
<ヴィラーゴ>は、ダース・ヴェイダーが旗艦<エグゼキューター>でシーゾーのスカイフック<ファリーン・フィスト>を砲撃したとき、コルサント上空で行われていた戦いで破壊されてしまった。シーゾーの死の直後、マンダルモーターズ社はスターヴァイパーの権利を取り戻し、初号機に次ぐバージョンの生産を開始したのだった。