ワールド・デヴァステーター
ワールド・デヴァステーターは、ワールド・スマッシャー、ワールド・スイーパー、プラネット・スイーパー、シティ・イーターなどの様々な異名を持つ巨大な超兵器である。これらはインペリアル・リヴァイアサンの後継機であり、搭載された強力なトラクター・ビームで惑星に甚大な被害を与えることができた。ワールド・デヴァステーターはユマック・レスによって開発され、蘇ったパルパティーン皇帝によって使われたのだった。
特徴
ワールド・デヴァステーターはクローン技術を使って蘇ったパルパティーン皇帝が銀河系の支配権を奪回するべく使用した、驚異的な力を持つ惑星破壊兵器である。これ以前に開発されたデス・スターと同様に、ワールド・デヴァステーターは大型破壊兵器以上の能力を有していた。この超兵器は行く手に立ちはだかる生物や惑星をすべて完全に破壊するという、帝国軍の恐怖の象徴だったのだ。
ワールド・デヴァステーターは惑星を滅ぼすわけではない。その代わりに、トラクター・ビームが地表を引き剥がし、分子分解炉へと送り込む。吸い込まれた物質は分解炉で分子レベルの非精錬素材にまで分解され、ワールド・デヴァステーター内のドロイド・ブレーンに制御された工場で利用される。すなわち、ワールド・デヴァステーターは標的となった惑星を噛み砕き、その惑星の資源を新たなる兵器の材料として再利用するのだ。ワールド・デヴァステーターは数ヶ月で惑星を貪り食うことができ、その結果、大いなる恐怖だけが残されることになる。
ワールド・デヴァステーターはハイパードライブとイオン・エンジンを使って深宇宙を移動するが、この兵器の主な役割は惑星の地表を吸収することである。中央ドロイド・ブレーンには帝国軍の様々な戦闘用艦船の設計図を蓄積されており、同時に内蔵された兵器工場の制御も行っていた。ワールド・デヴァステーターは、ドロイド、TIEファイター、小型宇宙船、さらに十分な資源を与えれば中型クラスの巡航艦や他のワールド・デヴァステーターを製造することもできるのだ。事実、第1次モン・カラマリの戦いに投入されたワールド・デヴァステーター艦隊は、大量のTIE/Dオートメート・スターファイターを生産していた。
また、ワールド・デヴァステーターは惑星や小惑星を消費することによって成長することができた。一部の素材を自分自身に取り付けられる新しいパーツへと加工し、自らの機体を拡張していたのである。ドロイド・ブレーンは独自の自作パーツを作ることができるため、十分に成長したワールド・デヴァステーターには同じものが2つとして存在しない。モン・カラマリへの攻撃の際に建造された<サイレンサー7>は建造されたなかで最大のワールド・デヴァステーターであり、その大きさはインペリアル級スター・デストロイヤーを遥かに凌ぐものだった。
歴史
ワールド・デヴァステーターのプロトタイプはグランド・モフ・ターキンによって密かに設立されたモー研究所で研究され、その設計図がヤヴィンの戦いの数年後にターキン宛てに送られていた。だが、ターキンは既に初代デス・スターとともに滅んでおり、設計図は帝国軍の科学者ユマック・レスの手に渡っていたのである。レスは当初から物質を基本要素にまで分解する分子分解炉の基礎的アイデアを持っており、この設計図によってそれをより具体化することができたのだった。彼はワールド・デヴァステーターに関する手柄を自分だけのものにしようと画策する。さらにモー研究所の存在もターキンが厳重に隠していたため、この計画は容易に成し遂げられたのだった。
初代デス・スターの失敗に機嫌を損ねていたパルパティーン皇帝は、ワールド・デヴァステーターに関する報告を喜んだ。そして、レスはこの超兵器の創造を、ベヴェル・レメリスクの名声を超えるチャンスとして受け止めていたのである。皇帝も彼のこうした野心を有効に利用していたが、ワールド・デヴァステーターの完成を見ることなく、エンドアの戦いで第2デス・スターと運命をともにすることになる。結局、この超兵器が実用化されたのは、エンドアの戦いから6年後に皇帝がクローンとして復活したときのことだった。
ワールド・デヴァステーターを打ち破る鍵は、クローン皇帝の犯した致命的ミスにあった。この兵器が敵に奪われ、自分への脅威に転じることをひどく恐れていたパルパティーンは指令制御コード・システムを作り、この兵器を本拠地ビィスからの遠隔操作でいつでも自分の制御下に置けるようにしていたのである。しかし、このシステムを逆手にとったルーク・スカイウォーカーが制御信号をR2-D2に解析させ、コードを偽造したことによって、モン・カラマリを攻撃していたデヴァステーターの動きを止めることに成功したのだった。そして新共和国はこの究極兵器を完全に破壊し、カラマリの崩壊を食い止めることができたのである。
だが、ワールド・デヴァステーター艦隊の壊滅はパルパティーン皇帝にとってそれほど悩ましい出来事ではなかった。彼はその直後にさらに恐ろしい兵器、ギャラクシー・ガンを解き放ったのである。