BLX-5
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主人からボラックス、ときにはゾラックスと呼ばれていたBLX-5は、かつてサーヴ=O=ドロイド社が製造していたBLX労働ドロイドである。彼は何十年にもわたって多くの主人に仕え、多くの仕事をこなしてきた。中でも最も有名な主人は、企業セクターおよびタイオン・ヘゲモニーに滞在していた当時のハン・ソロとチューバッカである。
解説
若き密輸業者だったハン・ソロは、その頻繁な旅において余分な手荷物は極力背負わないように努めていた。特に彼にとってドロイドなどは無用の長物でしかなく、自分のことはすべて自分で行うことを好んでいたのだった。しかし、そんなハンの心を一変させたのは、自らの大いなる価値を示した2体の風変わりなドロイドたちだった。
当時のボラックスは、フォンドアの造船所で働く標準的なBLX労働ドロイドとして誕生してから既に1世紀以上を経過していた。クローン大戦当時は宇宙船の整備技師を務めていたこともあり、ときには連隊指揮官に抜擢されたこともあった。その間、彼は老朽化を防ぐために何度も修理されたが、様々な偶然が重なり、メモリ消去だけは一度も施されたことがなかった。そのため彼は無数の技能を身に付け、同時にゆっくりながらも強烈な個性を持つようになったのである。しかし、いつの日か彼も時代遅れのドロイドとして扱われるようになり、やがて売りに出されたのだった。
ボラックスがその生涯で受けた最も注目に値する改造は、企業セクターで宇宙船の違法改造やIDの偽造などを行っていたドクとその娘ジェッサのアウトロー・テク集団によってなされたものだった。彼の胸部に、ブルー・マックスと呼ばれるキューブ型ドロイドを収容するためのスペースが設けられたのだ。ブルー・マックスは違法だが知的なコンピュータ・プローブであり、ボラックスの相棒、そして親友同士となったのだった(ボラックスという呼称もドクとジェッサからブルー・マックスにちなんで付けられたものである)。
ジェッサからの依頼で企業セクターで行方不明になった人々の足取りを調査していたハン・ソロは、ボラックスとブルー・マックスを雇うことになる。ブルー・マックスは企業セクター共同体(CSA)の保安システムを破ってデータ・センターへの不正アクセスに成功し、自らの能力を示した。同じくボラックスはブルー・マックスを保護し、彼を必要とするところに運ぶことで、その価値を認めさせたのである。彼らの働きによってスターズ・エンド刑務所は崩壊し、CSAの幹部らによる違法な奴隷売買の実態が暴露されることになった。さらに、彼らはそこで数千年前のシム・ザ・デスポットの財宝を発見したのである。
その後、2体のドロイドは自分たちがまだ知らない銀河系を見てみたいと思うようになり、ハンの下で働くことと引き換えに<ミレニアム・ファルコン>の乗員として迎えられた。だが数々の冒険を経た後、最終的にボラックスとブルー・マックスはハンに別れを告げ、旅立っていった。彼らは主人をもたない自由なドロイドとなり、その後の足取りも一切記録に残されていない。