変形式自己推進型バトル・ドロイド・マークI
(ヴァルチャー級ドロイド・ファイターから転送)
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ヴァルチャー・ドロイド・スターファイターとして知られる変形式自己推進型バトル・ドロイド・マークIは、通商連合で使用されていたドロイド・スターファイターである。その後、このドロイドは独立星系連合でもより大規模な数が使用されており、特にクローン大戦では、ハルーン・コルの戦いやコルサントの戦いなどで大量に投入されている。
通商連合の他の多くの兵器と同様に、ヴァルチャー・ドロイドも生きたパイロットを必要としないが、ドロイド・ブレーンはドロイド司令船と接続されている必要があった。また、通商連合バトルシップにはそれぞれに1,500機のドロイド・スターファイターが収容されていた。ヴァルチャー・ドロイドは極めて精密な製造技術で知られる狂信的な宗教集団、カイ・チャーによって設立されたハオア・チョール・エンジニアリング社の製品である。その結果、このドロイドは敵機に捕捉されにくい小さな機体、多彩な搭載武器、昆虫のような外見というカイ・チャーの古典的なデザインを踏襲している。
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特徴
チャロスIVの巨大な聖堂工場で働くカイ・チャリアンたちは、ハオア・チョールと呼ばれる極めて精密な製造業に従事することを教義とした宗教を設立した。彼らによって設計されたドロイド・スターファイターには、捕捉されにくい小さな機体、数多くの搭載兵器、昆虫のような奇妙な外観といった、カイ・チャーの古典的設計思想が強く反映されている。そして、この熱狂的な信者たちは通商連合の手先となり、連合も彼らを恐ろしい兵器の製造業者としてうまく利用したのだった。ドロイド・スターファイターは宇宙空間および大気中での戦闘の双方に優れた性能を発揮することができ、通商連合からの発注に基づいてナブーの戦いの直前に大量生産されたのである。
ドロイド・スターファイターの主要な武器は、各翼に2基ずつ搭載された計4基のブラスター・キャノンである。このレーザー・キャノンは長い射程距離を誇るが、ナブー・スターファイターなどに搭載された同種の武器と比べると、やや威力に劣っていた。また、通常の飛行形態では翼をたたんでおり、レーザー・キャノンも隠された状態になるが、戦闘が差し迫った状態になると翼が広げられ、武器が姿を見せる。さらに、ドロイド・スターファイターには2門のエネルギー魚雷発射管がレーザー・キャノンを補う形で装備されていた。レーザー・キャノンによる集中砲火を浴びせるには敵に十分接近する必要があるが、このエネルギー魚雷を使用することによって、事前に敵を弱体化させておくことができるのだ。
カイ・チャーは、ドロイド・スターファイターを大群で素早く敵を殲滅する短距離型戦闘機と見なしている。また、この戦闘機の燃料システムは金属を凝縮させた従来にない固形燃料を使用しており、それを点火することによって推進力を得ていた。しかし、この燃料は消耗が激しく、約35分で尽きてしまうため、ドロイド・スターファイターは頻繁にハンガーや宇宙ステーションに帰還して補給を行わなければならなかった。
非戦闘時には、ドロイド・スターファイターは通商連合バトルシップの外部ハンガー・ゾーンにある桁に吊り下げられていた。これらの桁は高電圧パワー・グリッドに接続されており、ドロイドの充電を行うことができるのだ。また、個々のドロイドは翼と頭を動かすことによって定期的に動作テストを行っていた。そして戦闘が起こりそうになると、ドロイド・スターファイターは大群で解き放たれ、敵軍を数で圧倒させることになる。
通常、ドロイド・スターファイターの中隊は数百機の戦闘機によって構成されており、そのすべてが効果的に敵を恐怖させるような、調和した攻撃を行うようプログラムされていた。また、これらの戦闘機は偏向シールドを装備していないため、簡単に破壊されてしまうが、待機ユニットが継続的に出撃することによって、手薄になった中隊をすぐに補強することが可能である。
ドロイド・スターファイターの最も珍しい特徴は、歩行形態への変形機能である。この戦闘機の翼は4本の脚にもなり、惑星を占領しているときに確保した領域内を「歩いて」パトロールすることができるのだ。
歴史
ナブーの戦いの最中に、通商連合のドロイド司令船は、高速かつ無情なドロイド・スターファイターの果てしない大群によって強固に守られていた。この素早い宇宙戦闘機は完全に自動化されたドロイドの頭脳を持っているため、目の前の戦いに集中し、躊躇せずに自身を犠牲にすることができるのだ。事実、この大群はナブーのパイロットたちを圧倒し、後一歩で通商連合に勝利をもたらすはずだったのである。
AATなどの通商連合の他の軍事用兵器と同様に、ドロイド・スターファイターもナブー侵略前に厳格なテストを受けている。ドロイド・スターファイターはエルルード・セクターにおけるデガンの海賊団への急襲の際に実戦使用されており、惑星ロックでニムの私設軍を打ち破る際にも大いに役立った。また、エッサーラ・ティル率いるエコー小隊のパイロットたちがステーションTFP-9を襲撃したとき、彼らは機械の軍隊と衝突したが、このときがナブーとドロイド・スターファイターとの最初の接触だった。これは通商連合が全軍を従えてナブーを封鎖する数週間前の出来事である。ナブーの戦い後も、ドロイド・スターファイターは通商連合の「防衛艦隊」の一部として使用され続け、ゾナマ・セコートへの侵略や、カーサック星系の占領などにも参加している。
また、クローン大戦が勃発し、通商連合が独立星系連合の創設メンバーの一員となると、彼らは自分たちのヴァルチャー・ドロイドを増大する分離主義艦隊へと供給するようになった。連合軍の青と白の6角形を描かれたヴァルチャー・ドロイドは、コルサントの戦いをはじめとするいくつもの戦場でジェダイやクローンのパイロットを悩ましたのである。