<スレーヴI>
(スレーヴIから転送)
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<スレーヴI>は、有名な賞金稼ぎジャンゴ・フェットとその息子ボバ・フェットが使用していた改良型プロトタイプ・ファイヤスプレイ級パトロール攻撃艇である。この船は2人のフェットがそれぞれ使用していた時期に、高度な武器システムによる大掛かりな改良を行われていた。
当初ウーヴォIVにあった<スレーヴI>はジャンゴ・フェットによって盗まれ、彼がそれまで使っていた<ジャスター・レガシー>の代わりとなった。やがてヤヴィンの戦いの22年前にジャンゴがジオノーシスで死亡すると、この船はボバ・フェットに相続され、クローン大戦中およびその後に様々な任務で使用されたのだった。ボバはその後も<スレーヴII>、<スレーヴIII>、<スレーヴIV>などへの乗換えを行っている。
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特徴
ジャンゴ・フェットからボバ・フェットへと相続された<スレーヴI>は、旧式の宇宙船に独自の複雑な改造を施したものである。もはや面影はほとんど残っていないが、その原型機種であるファイヤスプレイ31級パトロール攻撃艇はクワット・システムズ・エンジニアリング社がプロトタイプとして開発したものであり、ナブーの戦い以前にわずかな規模で生産されていたに過ぎない。クローン大戦後は宇宙航路上で飛んでいる姿を見ることもほとんどなく、万が一見かけたとすれば、それは<スレーヴI>のように高度な改造を施したものだけである。
ファイヤスプレイは本来、惑星の治安維持部隊や密輸船の迎撃任務などに使われていた宇宙船が、素早く簡単に部品を取り外せる構造から、特に密輸業者や武器商人の間で有名な機種となった。しかし、機体内部の3分の2は駆動システムで占められており、それによって反乱同盟軍のYウィング並みの速度が得られるものの、他に空間的な余裕が極めて少ないため、初期の人気は低かった。とりわけ<スレーヴI>でもこれらの点については同様であり、2人のフェットによってほぼすべての部品が交換された状態で使用されていた。
また、この船は着陸するときはエンジンを下に向けて停泊するが、航行時にはエンジンを進行方向の逆に向けるという変わった一面も持っている。<スレーヴI>のエンジンは2基のクワット社製F-13ドライブ・エンジンと同X-F-16パワー・ジェネレーターによって構成されており、このタイプの船にしては驚くべきほどの亜光速航行を可能にしている。これによって船の戦闘能力の一部が犠牲になってはいるが、獲物を逃走する前に動けなくすることができるため、フェットはこの改造を選んだのである。また、この船のハイパースペースでの能力にはさらに素晴らしいものがある。彼らは敵機より先に目的地に到着し、逃走を阻止するという戦法をよく使っていたが、そのためハイパードライブにはさらなる特別な配慮を施したのだった。
<スレーヴI>の貨物エリアは強靭な骨格と外壁を備えた収容区画に改造されており、武器や装備品を隠す収納庫と囚人を収容する6つの区画からなっている。さらにその中の1つはジェダイを捕らえたときのためにフォース遮断壁で囲まれていた。
一方、外装は強化プレートと電磁波シールドを装備させることによって、全体的な偏向シールドの不足をある程度まで補っていた。また、兵器類はジャンゴの時代には機体の外側後方に1対の回転式ブラスター・キャノンが見えただけだが、ボバは追加プレートの下に震盪ミサイル発射管やイオン・キャノンなどの兵器を追加している。これらはブラスター・キャノンの攻撃を避けるのに必死になっている敵機を不意打ちする際に効果を発揮したのだった。
ボバ・フェットは獲物の追跡に自動追尾装置やSスレッド・トラッカーを使っていたが、これら2つの装置はダミーのプロトン魚雷発射管の上部に取り付けられていた。魚雷では敵機の偏向シールドを貫くことしかできないが、追尾装置やトラッカーは敵機に磁力で取り付けることができる。自動追尾装置には亜空間ラジオと同じ技術が使われており、その有効距離はおよそ15から20光年と短い。一方のSスレッド・トラッカーはホロネット受信器でも拾える信号を発信する。彼は改良型ホロネット受信器を装備することで、ホロネット・Sスレッドを取り付けられた船を銀河系全域にわたって追跡することができたのだ。
また、この船は外部に高度に洗練されたセンサー妨害アレイを装備していたため、高いステルス性を有していた。さらに外装甲は磁気的に偏向されており、有効範囲(宇宙空間では50ユニット、大気中では100キロメートル)内の電気信号やパルスを捉えることができた。これらの磁気的に吸引された信号は敵のセンサー探査を妨害し、宇宙船というよりむしろイオン流のようなものとして捉えられる。本来このシステムは帝国宇宙軍の軍事機密であり、フェットがどのようにしてこれを手に入れたのかは分かっていない。この上さらに、彼は航跡を粒子蒸気で湿らせることによって探査を困難にさせていたのである。
歴史
<スレーヴI>はすべてにおいて効果的かつ能率的であり、所有者にとってはまさに完璧な船である。しかし、ボバ・フェットと同様に悪名を轟かせたこの船も、所有者がタトゥイーンの砂漠でサーラックの餌食となった後、惑星グラクイーンで新共和国の管理下に置かれていた。だがしぶとく生き延びていたフェットは、後にこの船を奪回し、再び賞金稼ぎとしての仕事に使用したのだった。