タル・メリク
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プリンス・タル・メリクは、サティーン・クライズ公爵の故郷、カルヴァラを代表する貪欲で腐敗した元老院議員である。クローン大戦の間、彼はデス・ウォッチ、さらには独立星系連合を支援し、マンダロアに戦士の文化を回復させようと目論んでいた。彼は公爵の側近の1人として行動し、中立星系評議会のメンバーも務めるスパイだったのだ。
目次 |
経歴
サティーン公爵の補佐
タル・メリクはサティーン・クライズ公爵の取巻きの1人であり、周囲の人々に穏やかで柔らかい態度で接することが多かった。だが、彼はサティーンの支持者として立ち回る一方で、プレ・ヴィズラとデス・ウォッチの戦士たち、そしてドゥークー伯爵と独立星系連合と真の同盟を結んでいたのである。彼らは公爵を抹殺し、マンダロアを支配しようと目論んでいたのだ。そして、中立星系評議会がその中立の立場を銀河元老院に嘆願する必要に迫れたとき、メリクはサティーン公爵、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービ、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカー、そして評議会のメンバーたちと共に<コロネット>に搭乗し、コルサントへと向かったのだった。
<コロネット>での暗殺計画
メリクが分離主義勢力と通じていることにはジェダイも評議会も気づいてはおらず、彼は公爵の暗殺に使用する複数のアサシン・プローブが隠された大きな箱を、密かに船のカーゴ・ベイに運び込むことができた。サティーンが、防衛手段としてマンダロアに軍隊を駐留させようとしている銀河共和国について不満を語っていたとき、メリクと他の議員たちは彼女の部屋にいた。そしてサティーンとケノービ将軍が暴力の必要性について激しく議論を行っていると、メリクとオーン・フリー・ターが政治的な話はひとまず後にし、食事をとりながら長い旅を楽しもうと提案したのだった。
クローン・トルーパーの一団がカーゴ・ベイを警備していたとき、メリクは密かにプローブを起動した。ドロイドはトルーパーたちを殺害し、船の上層階へ続く通路を目指す。これらは公爵と彼女を守るすべての者を攻撃するようにプログラムされていたが、メリクだけは例外として安全が保たれていたのである。スカイウォーカーはクローンたちの調査を手助けするために急いでカーゴ・ベイへ降り、議員たちとケノービが夕食の席についたときにプローブと戦った。ジェダイとトルーパーは1体のプローブを破壊するが、もう1体が議員を殺すために上層階へと向かう。ドロイドはかなりの強敵だったが、ジェダイとトルーパーによって2体とも破壊されたのだった。
だが獰猛なアサシン・プローブが停止すると、メリクの安全装置が作動し、破壊されたドロイドの中から何十体もの小型プローブ・キラーが姿を現した。小型ドロイドたちは攻撃を続行するが、ジェダイとクローンの連携によってこれらも撃退される。そして議員たちが再び食事の席につくと、スカイウォーカーはプローブの入っていた箱がどうやって船内に持ち込まれたのかを調べに向かったのだった。彼は船の積荷明細を管理するプロトコル・ドロイドをチェックし、これらの箱が船倉に運び込まれたのは元老院のスタンプが押されていたためだったことを突き止める。この情報から、スカイウォーカーとケノービは議員たちの中に裏切り者が潜んでいると推測したのだった。
その後、ケノービは生き残った1体のプローブ・キラーを発見し、それを皿に乗ったガラス製のドームの中に閉じ込めた。彼はこのドロイドが裏切り者を除くすべての議員を殺すようにプログラムされていると推測し、それを確認するために食事のテーブルへドロイドを運んだのだった。するとドロイドはメリクを除くすべての評議会メンバーに敵意を示したのである。プリンスは一瞬の静寂の後にジェダイから閉じ込められたドロイドを奪い取り、ケノービの聡明さを認めると同時にそれを解き放った。自由になったプローブ・キラーはメリクを除く全員に襲い掛かるが、ケノービによって破壊される。メリクはこの騒然とした状況を利用してブラスターを引き抜き、サティーンを人質にとったのだった。
裏切り者は人質を連れて艦橋に続く廊下へ出ると、艦橋で命乞いするパイロットたちを殺害した。この冷酷な殺害を目の当たりにしたサティーンはメリクを「恐ろしい怪物」と評するが、裏切り者は「それに慣れろ(それがマンダロリアンだ)」と返すのだった。そしてメリクは通信システムを使ってデス・ウォッチの司令部連絡を取る。サティーン公爵の拘束に成功したことを報告したメリクは、プレ・ヴィズラが<コロネット>に3機のドロック級ボーディング・シップからなる援軍を送る間、待機していた。その後、B2スーパー・バトル・ドロイドが船内に侵入し、クローンやサティーンの衛兵と激しい戦いを開始したのだった。
メリクは任務さえ遂行できれば自分が死ぬことも辞さない覚悟を見せ、予防策として船のエンジンにワイヤで爆弾をくくり付けた。その直後にケノービが2人を発見し、ボーディング・シップに逃げ込もうとするメリクを慎重に追跡した。一方、スカイウォーカーとその部下たちは最後のドロイドを撃退し、ジェダイ・ナイトはケノービを探しに向かう。そしてメリクはドロイドに連絡を取り、撤収の準備をするよう信号を送ったのだった。近くのボーディング・シップに乗り込むところで、メリクはサティーンに、ケノービに別れを告げろと言う。公爵とジェダイはもう二度と遭うことはないと悟り、互いの愛を認め合ったのだった。
メリクは2人のロマンチックなやりとりに嫌悪感を示し、その間にサティーンは彼の拘束から逃れるチャンスを得ることができた。彼女はメリクの足を踏みつけ、彼が怯んだ隙にその腕の中から脱出し、彼のブラスターを奪い取ったのだ。彼女はメリクをロマンチックなナメクジの権化だと言い放ち、「ナメクジはいつも踏まれ役なのよ」と指摘した。メリクはこの形勢逆転に感心するが、それでも勝利するのは自分だと告げる。彼は公爵を捕らえることができなくとも、<コロネット>から脱出し、それを破壊することで目的を達成するつもりだったのだ。サティーンはそうはさせないと宣告するが、メリクは彼女に自分を止める力はないと確信していたのである。
裏切り者の元老院議員はこれから殺人者になろうとする公爵をあざ笑った。もし彼女が彼を殺せば、彼女の平和主義の理想はすべて偽善と化すのだ。さらに彼はケノービをあざ笑った。ケノービが彼を殺せば、公爵はジェダイを見下すことになるのだ。メリクは自分を好きなようにしろと言い、先に手を下して「冷酷な殺人者の烙印を押されるがいい」と2人を駆り立てた。だが、その烙印を押されることになったのはサティーンでもケノービでもなく、突然背後からメリクの胸をライトセイバーで突き刺し、彼を殺害したスカイウォーカーだった。ケノービはスカイウォーカーの行動に驚くよりむしろ失望した。スカイウォーカーは平然とした口調で、船が爆破されるところだったと返したのである。
人物と特徴
タル・メリクは自分の目的を達成するために他の人々を利用することで知られ、その相手を騙すために優しさを装っていた。彼は3体のアサシン・プローブとその中に仕込まれたプローブ・キラーを<コロネット>にうまく忍び込ませ、自分の関与を悟られることがないように元老院のスタンプを利用したのである。だが、これは彼にとって裏目に出る結果となった。スカイウォーカーとケノービは犯人が議員たちのいずれかであると絞込み、さらに捕らえたプローブ・キラーがメリクの前でだけ他の3人の議員に鋭い敵意を見せたときと対照的な反応を示したことから、暗殺ドロイドの主人を特定することができたのである。だが、それでも彼はサティーン・クライズ公爵を人質にとることができたのだった。
メリクは非常に策略に長けた計算高い男であり、常に一歩先を読んで行動していた。彼は<コロネット>のエンジンにワイヤで爆弾を縛り付けることで予防策を張り、自分が優位に立つ可能性を最大限に高めていたのである。また、彼は自分が有利な立場にあることを満足し、サティーンとケノービに絶えずそのことを誇示していた。さらにメリクは上官と同様に冷酷非情であり、艦橋にいた武器を持たない4人のコマンドーと、命乞いをする艦長まで殺害している。これを見たサティーンは彼を「恐ろしい怪物」と呼ぶが、メリクにとってはそれこそがマンダロリアンの本質であり、彼女にただ「慣れろ」と言ってのけたのだった。
また、彼はサティーンとケノービとの間のロマンスに明らかな嫌悪感を示した。唐突に恋愛を見せびらかされたメリクは動揺し、腕で抱え込んでいたサティーンに逃げられてしまう。さらに彼はブラスターを奪われ、一瞬にして形成を逆転されたのだった。だが最後の瞬間にも彼はサティーンとケノービをあざ笑い、2人のいずれかを冷酷な殺人者に仕立て上げられることに喜びを感じていたのである。