ダージ
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ダージという名で知られるこの巨大な賞金稼ぎは、古代の復讐によって突き動かされた無慈悲かつ不死身の戦士である。彼は銀色の装甲服姿であらゆる惑星に出現し、何世紀にもおよぶ暴力と戦争の歴史を切り抜けてきた。彼は自らを賞金稼ぎと称していたが、いかなるギルドにも属さず、後ろ盾も持たず、富にも関心を示していないように思われた。ダージは飽くなき流血の欲望を満たすためだけに狩猟を続けており、およそ2,000年にわたって文字通り何百もの惑星を股に掛けてきたのだ。だが、彼は傷ついた耐衝撃アーマーで完全武装していたため、その真の姿を見た者は1人も存在しない。外観こそ人間とよく似ていたが、ダージこそは一説によると4,000年生きたという報告があるほどの長寿命な種族ジェンダイの1人なのである。
経歴
ジェンダイの特殊な神経系および循環器系は、肉体的な損傷に対して極めて効果的な耐性を有していた。彼らの体内には何百万にもおよぶ神経節が備わっており、心臓無しでも全身の血管に血液を送り届けることができたのだ。多くのヒューマノイドが持つ傷つきやすい重要な体内器官を失った状態でもジェンダイは複数の裂傷に耐えることができ、噂によれば完全に5体バラバラになった状態でも生存可能であるという。さらにこの極端な耐久性に加え、彼らは分断された神経系によって驚異的な反射神経を実現していた。また、ジェンダイは非常に多くの損傷に耐えられたため、長い冬眠期間に入ることができ、その間に傷を癒し、疾患から回復し、加齢プロセスを減速させることができたのだ。
このようにジェンダイは恐ろしい肉体機能を有していたが、広く銀河系にとって幸運なことは、彼らが本質的に攻撃的な種族ではなかったということである。彼らは放浪の種族であり、故郷を何世代もの昔に失っていた。また、彼らは出生率が極めて低かったため、他種族と遭遇する確率が非常に少なく、仮に遭遇したとしても極力対立を避けるようにしていたのだ。ジェンダイは確かに長寿命に適した肉体をしていたが、一方でその精神は年齢と共に衰弱していき、鬱病やヒステリー、その他の精神病に罹りやすくなる。
後にダージとなるジェンダイが生まれたのは共和国の崩壊のおよそ2,000年前のことである。彼は若き日に長老たちによってジェンダイの中でも特に例外的な肉体を持つ者として認められていた。暴力を偏愛していたダージは、偶然にも獲物を追う賞金稼ぎを目撃し、暴力的な人生へと永遠に駆り立てられることになる。血の取引きの魅力は彼を種族から引き離し、遥か銀河系へと導いたのだ。そして彼は自分で探し出した最も経験豊かで危険な賞金稼ぎたちのもとで修行を行い、何世紀にもわたって知識と技術を磨き続けていったのである。
ダージの武器は恐ろしく強力な肉体的能力だけではなかった。彼は文字通りの歩く武器貯蔵庫であり、長距離戦用の2丁のブラスター、格闘戦用のスパイク付き棍棒、そしてエネルギー・ボールのような投てき武器を装備していたのだ。さらに、彼の装甲服にはリスト・ダートも装備されており、前腕部分には短時間であればライトセイバーによる攻撃さえ防ぐことのできるエネルギー・シールド発生装置が組み込まれていた。また、ダージは移動の際に高度な改造を施したスウープ・スピーダー・バイクを利用していたが、速射式ロケット・パックによって空を飛ぶことも可能である。
ナブーの戦いのおよそ1,000年前、銀河系がジェダイ・オーダーとシス卿との戦争によって破壊されていたとき、ダージは数少ないシスの生き残りの1人に雇われていた。このとき彼は多くのジェダイと対戦し、彼らの戦闘技術を学ぶと共に、彼らの動きに対抗するための武器や格闘技術を開発していった。やがてルーサンの戦いでシスが滅亡すると、ダージはジェダイの報復を避けるため姿を消した。だがその後も、ダージは無数の別名を使って賞金稼ぎの仕事を続けており、ついには巨万の富を築き上げたのだった。
そして900年後、ダージはマンダロリアンのリーダーを殺害するために雇われた。彼はこの仕事に成功したが、マンダロリアンたちは反撃としてダージにうまく対処し、彼の肉体を支配することに成功した。彼らはジェンダイの肉体構造を調べ上げ、その驚異的な機能を逆手に取る方法を考案したのだ。それはダージの不死身の肉体を彼に敵対させる手法だった。マンダロリアンたちはダージの体中すべての神経節に苦痛を与え、彼は言葉に表せないほどの苦痛を味わいつつも、決して死ぬことができなかったのである。
やがてマンダロリアンの呪縛から逃れることに成功したダージは、損傷を回復させるための長い眠りについた。傷を完治させるにはおよそ1世紀を要し、肉体は元通りに戻ったが、既に危険な域に達していた精神は正気の境界を遥かに越えてしまう。彼は無意識の状態から目覚めると、マンダロリアンへの復讐を求めた。しかし、彼らは既にほとんど絶滅しており、復讐心をそがれてしまった。だが、彼はすぐに新しい目標を見つけた。彼が目を覚ましたのは共和国のクローン兵士たちを率いるジェダイ・オーダーが、独立星系連合のドロイド軍と戦う戦争の真っ只中だったのだ。分離主義勢力のカリスマ的指導者ドゥークー伯爵はダージを雇い入れ、この報復に飢えた古代の賞金稼ぎに皮肉な目標を与えることになる。共和国のクローン兵士たちはマンダロリアンの末裔であるジャンゴ・フェットの遺伝子を受け継いでいた。マンダロリアンは銀河系から一掃されたかもしれなかったが、彼らの遺産はクローン・トルーパーの形で生き続けていたのだ。ダージは亡きジャンゴ・フェットの後継者としてドゥークー伯爵の右腕となり、圧倒的多数の仇敵を殺害できる喜びに大満足したのだった。
また、ダージは通商連合の高官ギラモス・リブカスを殺害するためにジャバ・ザ・ハットに雇われた多数の賞金稼ぎの1人でもあった。彼は当時まだ10歳だった若きボバ・フェットと共にモス・エスパ近郊で焼け焦げたシード・クルーザーにリブカスを追い詰め、ブラスターで獲物の動きを封じた。そしてフェットは法冠のようなリブカスの帽子を盗んで<スレーヴI>へと逃走したが、その一方でダージはリブカスに最後の留めを刺していた。しかし、彼の放ったブラスターの一撃は船の武器庫を直撃し、2人は巨大な炎に包まれてしまう。このときダージもリブカスと共に爆発の中で死亡したと思われていた。だが、ジェンダイの賞金稼ぎは驚異的な生命力で生き延びていたのである。
その後、ダージはドゥークー伯爵によって見出されたダーク・ジェダイ、アサージ・ヴェントレスと共にクローン大戦を戦っていた。ジオノーシスの戦いからおよそ2ヶ月後、2人はグンガンの植民地となっていたナブーの衛星オマー=ダンを攻撃し、スワンプ・ガスと呼ばれる化学兵器で住人たちを皆殺しにしていた。さらに彼らはナブーをも標的としたが、この計画はオビ=ワン・ケノービ将軍とアナキン・スカイウォーカーの活躍によって阻止されてしまう。そして邪悪な戦士たちはドゥークーの命令でスワンプ・ガスの解毒剤を守るため惑星クウェイタへと帰還し、オビ=ワンを含む5人のジェダイがその後を追うのだった。そこでダージはジョン・アンティリーズやニコ・ディアスなど、4人のジェダイを殺害したが、最終的にクウェイタの基地は共和国グランド・アーミーの圧倒的な力によって溶岩の中に沈められてしまう。ダージはその直前にアサージの救出に成功したが、オビ=ワンに解毒剤を奪われ、そのまま彼を取り逃がしたのだった。その後、2人はジェダイから逃走し、ドゥークー伯爵のもとに帰還していた。
さらに2ヵ月後、ダージとアサージは依然として共和国の恐ろしい敵であり、不死身の賞金稼ぎは激しい熱意で数多くのジェダイを殺害していった。そして、彼はドゥークーの命令でインターギャラクティック銀行グループ(IBC)の本拠地、ムーニリンストの防衛に派遣された。そしてオビ=ワン・ケノービ将軍率いる共和国の大規模な機動部隊がムーニリンストへの攻撃を開始すると、ダージは自ら組織したIGランサー・ドロイドによるエリート部隊を指揮し、共和国のクローン軍に襲い掛かった。戦いは当初から共和国側の優勢だったが、ダージとIGドロイド軍は共和国のウォーカー部隊に甚大な被害を与え、形勢は一気に逆転した。そしてついにダージとオビ=ワンによる1対1の死闘が開始され、2人は二度にわたって激しい戦いを繰り広げたが、最終的にこの死闘を制したのはオビ=ワンだった。ダージの敗北によってムーニリンストの戦いは共和国側の勝利に終わり、IBCのサン・ヒル会長も共和国の捕虜となったのである。