バクタ・タンク
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バクタ・タンクは、バクタと呼ばれる強力な治療媒質で満たされた大型特殊タンクである。昆虫型種族ヴラティックスによって生成されるバクタは治癒能力を急激に促進させる効果があるのだ。
解説
近代医学の奇跡と言われるバクタ・タンクは、あらゆる医療チームにとって生命線ともいえる重要な装置だった。このタンクの封入シリンダーの内部にはかなり激しい外傷でも跡を残さずに治療することができるバクタ回復液が詰まっている。バクタの正体は破損した細胞を探して組織の再生を促進し、傷跡をほとんど残さず急速に成長させるバクテリアである。タンク内の赤い半透明の液体はこのバクテリア媒質の成長を促進させる役割を担っているのだ。通常、この液体で治療を受ける患者は呼吸マスクを付けた状態でタンク内に収容され、その近くでは医療ドロイドが監視を行っていた。
銀河内乱より何千年もの昔、タイフェラ原住のヴラティックスと呼ばれる昆虫型エイリアン種族は、カーヴァムというバクテリア粒子からなる合成液体薬品と、アラジと呼ばれるゼラチン状の赤色半透明をした植物性軟膏を混合することによってバクタの開発に成功した。さらにバクタ・タンクの中では、この混合物にアンボリと呼ばれる粘性のある無色の液体も混ぜられている。アンボリは患者の体液を模倣して造られており、栄養剤および殺菌剤としての効果も持っているのだ。
銀河内乱の最中、帝国軍はバクタの重要性を認識し、タイフェラと提携するバクタ製造センターをすべて閉鎖した。この結果、バクタの二大製造メーカーであるゾルティン社とズークフラ社によって市場の独占がなされ、バクタ・カルテルに含まれる企業の力がパルパティーン皇帝の思惑以上に強大なものとなってしまったのだった。そのため、資金の乏しい反乱同盟軍は慢性的なバクタ不足に悩まされることになったのである。