モン・ジュルパ
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モン・ジュルパは、銀河帝国の初期の時代に、惑星タムズ=アンの王子だった人物である。彼は2メートルを超す長身であり、タムズ=アン特有の紫色の肌に、酷く痩せこけた体格をしていた。また、頭からは明るい茶色の鬣を生やしており、王族を表す衣を着用すると共に、エネルギー武器としても使用できる磨きの掛かった笏を常に携えていた。
経歴
邪悪な高官ザテック=チャの陰謀によって、モン・ジュルパはその地位と記憶を奪い取られ、タインズ・ホーキーの鉱山集落へと追放されてしまった。ザテック=チャによる記憶消去の後遺症に苦しめられたジュルパは、単なるお人好しのエイリアンとなってしまい、さらにザテック=チャの工作員によってアンドロイドに偽装されたのである。だが、ザテック=チャ自身も彼の抱えるトラブルから解放されることはなかった。彼は今後の支配体制を固めるために必要な王家の杖(極めて神聖なものに近いタムズ=アンの工芸品)を発見できずにいたのである。
ある日、ジャン・トシュという名の心優しい鉱夫が朽ち果てたアンドロイドに哀れみをかけ、購入していった。そして鉱山キャンプに戻った彼は、そのアンドロイドが実は生物であったことを発見する。そこでジャンとその叔父のガンディは、ジュルパに「死から蘇った男」という意味のケズ=イバンというニックネームを付けた。やがて、この喋れないお人好しのエイリアンは、働き者の労働者であることを証明することになる。
一方、タムズ=アンのソラーグ・デンは行方不明のモン・ジュルパの捜索に乗り出し、彼を探すために地元の犯罪王クレブ・ゼロックを雇った。だが、ゼロックはケズ=イバンを捕らえたものの、デンとの取引条件を完全に無視し、身代金目的で彼を拘束してしまう。そのため、デンは王子を助けるために再び彼の捜索を開始したのだった。既にジュルパの首には法外な懸賞金が掛けられており、IG-88のような悪名高き賞金稼ぎも金のために彼の捜索を行っていたのである。
やがてソラーグ・デン、ジャン・トシュ、C-3PO、R2-D2の活躍によって、ケズ=イバンは無事に解放される。そしてデンがジュルパに王家の杖を渡すと、彼の記憶も蘇った。ジュルパはジャン・トシュの尽力に感謝を表明し、トシュも彼をタムズ=アンへ送り返すことに同意したのである。
タムズ=アンの慣習では、昼と夜が同じ長さになる日の日の出のとき、塔の守護者に王家の杖を進呈した者が、正当なタムズ=アンの支配者になれるとされていた。だが、タムズ=アンに到着したジュルパは、その直後にザテック=チャによって雇われた賞金稼ぎIG-88と遭遇することになる。ジュルパは再び捕らえられ、杖もIG-88の手に渡ってしまったのだった。
ザテック=チャはジュルパを獰猛なダーキーの餌食にしようとするが、突如としてR2-D2が割って入り、彼の救出に成功する。R2-D2はダーキーを怒らせていた寄生虫クリークスを除去して猛獣を鎮め、おとなしい動物に変えてしまったのだ。だが、感銘に浸っている暇はほとんどなく、ジュルパはザテック=チャが塔の守護者のところへ到達することを阻止しなければならなかった。そして死に物狂いの乱闘の末、杖の行方は二転三転したが、最終的にそれを掴んだのはジュルパだった。こうして彼は塔の守護者から、タムズ=アンの正当な王として認められたのである。
ジュルパの次の功績は、タムズ=アンで戦争を続けていた二大勢力を融合させたことだった。彼は和平条約に調印するため、辺境領域のマラミュー・トーダ卿と接触する。そして、トーダ卿の娘であるジェリン姫が海賊ガー・カイボ・レン=チャに誘拐されると、ジュルパとトーダ卿は軍を統合させ、彼女を救出したのだった。この事件を機に両派閥の絆はさらに強化され、後にジュルパとジェリンは恋人同士となったのである。