カーデュサイマロック
(ラブリアから転送)
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解説
悪魔に似たデヴァロニアンのラブリアは、自分をモス・アイズリーで一番の情報ブローカーだと思っていた。しかし実際には、街一番の大酒飲みで、最悪のスパイだった。典型的なデヴァロニアン男性である彼は、赤い皮膚、尖った耳、2本の黒い角を持ち、頭髪を含めた体毛は一切生えていなかった。
かつてデヴァロン軍の冷酷非情な大尉だったラブリアは、カーデュサイマロックと名乗り、部隊の中でも3番目の地位に就いていた。16代に渡る軍人一家の家系で育った彼にとって、この職業は天職だったのだ。彼はデヴァロンで反乱が起こったときも、部下たちと共に帝国軍に協力し、モンテリアン・セラットの戦いでは女子供を含む700人の捕虜の処刑を監視したとされている。このため彼はモンテリアン・セラットの屠殺者と呼ばれるようになり、その首には反乱同盟軍からも賞金を懸けられていたのである。
戦争が終わるとカーデュサイマロックは軍籍を退き、逃亡するように故郷を後にした。かねてから音楽に熱狂的な関心を持っていた彼は、出発のときも膨大な音楽コレクションを持ち出し、偉大なアーティストとして知られていたマキサ・ジャンドヴァーを求めてタトゥイーンへと向かった。しかし、彼女とついに会うことができず、彼はモス・アイズリーの地下にアパートを借り、この街で暮らすことにしたのだった。そこで彼は素性を隠すため、デヴァロンの言葉で「冷めた食糧」を意味するラブリアに名前を変えると、銀行にエアバルという名義で5,000クレジットの架空口座を設けた。エアバルは彼の新しい名前ラブリアを逆さに綴ったものだった。
ラブリアは自分を情報ブローカーと称するようになったが、偶然耳にしただけの話を確かめもせずに売ってしまうため、その情報はいつも疑わしいものだった。さらに彼はいつも酔っ払っているように見えたが、稀に酔った振りをして情報を集めていることもあり、彼を知る人々はうかつに重要な話ができなかった。一方で新しい住人たちには、彼の恐ろしい姿を見ただけで恐怖し、口を聞くことさえもできなくなる者もいたほどである。
ラブリアが特に重要視していた情報はジャバ・ザ・ハットの組織に関するものであり、彼はよくその情報を仕入れてはスパイのガリンダンに提供していた。しかし、そのほとんどが嘘や役に立たない情報ばかりだったという。
彼はモス・アイズリーの酒場の常連客であり、いつもバーテンダーのウーハーと共に一番乗りをしていた。そんなある日、彼らはフィグリン・ダン率いるモーダル・ノーズの一団が、ジャバ・ザ・ハットの宮殿で演奏を行うためにタトゥイーンへやって来るという話を耳にした。何としてもその演奏を聴きたいと思ったラブリアは、ジャバに気に入られるため、モーリンの賞金稼ぎオブロン・メトロを紹介した。しかし、メトロはすぐにジャバの怒りを買い、ランコアの餌食にされてしまったのである。
挫折感を味わったラブリアは、ウーハーと酒を交わしながら次の計画を思い付いた。ちょうどジャバの最大のライバルとされるウィフィッドのレディ・ヴァラリアンの結婚式が近づいており、その中でマックス・レボ楽団の演奏が予定されていたのだ。ラブリアはヴァラリアンにモーダル・ノーズの演奏を薦め、彼女もその案を大変気に入ったが、ジャバの怒りを買うことは明らかだった。ラブリアはメトロの件での罪滅ぼしとして、ジャバにフィグリンがライバルの結婚式に出演する予定であることを伝えた。激怒したジャバは結婚式を妨害し、それに怒ったヴァラリアンはフィグリンたちに報酬を払おうとしなかった。結局、モーダル・ノーズはウーハーに雇われることになったのだ。
計画は大成功となり、フィグリンたちはモス・アイズリーの酒場で2年間の契約を交わすことになった。さらに、ラブリアは赤外線視力を使ってフィグリンとのサバックの勝負に大勝し、ドイック・ナッツのフィズを除く、すべての演奏機材を手に入れた。こうして再びフィグリンが勝利するまで、ラブリアは彼らをモス・アイズリーに足止めさせることができたのだった。
エンドアの戦いで帝国軍が敗れる直前には、ラブリアは帝国軍にスパイとして雇ってもらいたいとも考えていた。しかし、ジャバの死と帝国の崩壊によって、彼は2つの大きな希望を失ったのだった。もはや彼は当てにならない情報を集めるよりも、気ままに酒を飲みながら大好きな音楽を聴いている方を好むようになり、その後の人生の大半を酒と共に過ごすことになる。しかし、気楽な生活も長くは続かなかった。ホスの戦いの15年後、モンテリアン・セラットの人々から5,000,000クレジットもの賞金を懸けられていたラブリアは、ついにボバ・フェットによって捕らえられてしまったのである。故郷に強制送還された彼は法に基づいて公開処刑の判決を受け、飢えたクオラの群れの中に投げ込まれたのだった。