ヴィクトリーI級スター・デストロイヤー
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ヴィクトリーI級スター・デストロイヤー、またの名をヴィクトリーI級デストロイヤー、ヴィクトリアI級スター・デストロイヤーは、惑星防衛、惑星強襲、地上部隊支援、艦対艦戦闘などの用途に開発された戦艦である。この船はクローン大戦中期には銀河共和国、銀河内乱の時代には銀河帝国と企業セクター、第2次銀河内乱では連合に使用されていた。
特徴
ヴィクトリーI級スター・デストロイヤーは後継機のインペリアル級と同様に、惑星の防衛、惑星への攻撃、地上部隊支援、艦隊戦という3つの主な任務を有していた。しかし、インペリアル級が艦隊戦用に特化されている一方で、ヴィクトリー級は惑星の防衛および攻撃を第一の目的として設計された戦艦である。ヴィクトリー級の地上攻撃用の主な兵器は80門の震盪ミサイル発射管だが、艦隊戦用に装備された10基のクワッド・ターボレーザー・キャノンと40基のダブル・ターボレーザー砲塔も容易に地上攻撃へ転嫁させることができた。
ヴィクトリー級の最も有利な特徴は惑星の大気圏上層に突入できることであり、これはより新型のスター・デストロイヤーには不可能な芸当である。これによって、より正確な地上砲撃ができるようになり、惑星上空への逃走を試みる敵機の追跡も可能となったのだ。
逆に、ヴィクトリー級は亜光速度が低いことが主な欠点となっていた。オルデラン・ロイヤル・エンジニア社によるLF9イオン・エンジンはスター・デストロイヤー・クラスの艦船を推進させるには非力であり、結果的に超高速な宇宙戦闘機の中に単独で置き去りにされてしまうことが多かった。しかし、ハイパードライブの性能には素晴らしいものがあり、ハイパースペースへの突入およびハイパースペース航行速度では、コレリア製のデラックスフラックス・ハイパースペース航行駆動システムによって帝国軍の他の新型戦艦に匹敵する性能を発揮していた。
低速度という弱点の補強策として、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーには敵艦を捕捉するための10基の強力なトラクター・ビーム発射装置が搭載されていた。これらは重装備を施された塔の上に列状に取り付けられており、複数の標的を捕捉することも、1機に集中させることも可能である。
さらに、ヴィクトリー級には護衛やパトロール用の宇宙戦闘機を2個中隊まで格納することができ、帝国軍はTIEファイターを運んでいたが、企業セクター共同体などで使用されていたものの中には他の小型艇を搭載しているものもあった。企業セクター共同体は250隻のヴィクトリー級を購入し、セクター内の惑星防衛に使用していた。したがって、これらの戦艦が予備の航行ドックで見られることもそれほど珍しいことではなかったのである。
歴史
戦争の副産物の1つとして急速なテクノロジーの発達が挙げられるが、クローン大戦当時にも戦艦造船技術は飛躍的な進歩を遂げ、銀河共和国と独立星系連合の両陣営によってより巨大な高速、重武装、重装備の艦船が開発されていった。開発競争は当然のように激しく繰り広げられ、片方が新しい艦船を投入すれば、もう片方の陣営も負けじとさらに優れた艦船を造り出す。そしてついに、過去200年の歴史を凌ぐほどの戦艦造船技術が確立されたのである。
クローン大戦とアクラメーター級アサルト・シップの登場後、レンディリィの支配層は産業スパイと宇宙船技師に、銀河共和国との新規契約に対するクワットの主導権を後退させる方法を考案するよう要求した。その後、まだ戦争が初期段階にあるうちに、2つのライバル企業、レンディリィ・スタードライブ社とクワット・ドライブ・ヤード社は合同開発計画を立ち上げることになる。この計画はヴィクター・イニシエーティブ計画と呼ばれ、宇宙船設計士ワレックス・ブリセックスによってヴィクトリー級スター・デストロイヤーが開発されたのだった。
ヴィクトリー級はクローン大戦中にはほとんど活躍を見せることがなかったが、その後数年にわたって初期の帝国艦隊の中心勢力となり、主力がより巨大かつ高速なインペリアル級スター・デストロイヤーに置き換えられてからも、惑星の防衛任務などで十分な役割を果たすことができた。帝国艦隊の提督や戦術家たちはヴィクトリー級を時代遅れの代物だと考えていたが、反乱同盟軍の奇襲部隊との戦いでは十分に対抗し得る火力を備えていたのである。
だが銀河内乱の後期になると、さすがにこれらの多くが既に旧型艦となり、次第に主力の座を新型艦に取って代わられようになっていったのも事実である。しかし、こうした新型艦の多くもクローン大戦当時に設計、製造されたものを確実に踏襲していた。クローン大戦時に製造された戦艦でも、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーのように銀河系の広範囲にわたって現役で活躍していたものは少なくない。
銀河帝国で使用されていたヴィクトリー級は近隣星系における海賊への攻撃などで成果を挙げていたが、低速であることから反乱同盟軍との戦いで大敗を喫することも多かった。実例として、ほぼ完全にヴィクトリー級だけで編成された帝国軍第4機動中隊のデナブの戦いにおける敗戦が挙げられる。第4機動中隊は複数の小隊によって構成されていたが、より高速な戦艦から成る艦隊を率いていた同盟軍のグリザーノ中佐は1個小隊ごとに攻撃を集中させることによって敵戦力を分断させ、ヴィクトリー級の艦隊を壊滅させることに成功したのだった。ヴィクトリー級の各小艦隊は再結集できるほど素早く動くことができず、確実に勝っていたはずの火力を発揮することができなかったのである。
また、クローン大戦末期にはヴィクトリーIIと呼ばれる後継機種も開発されたが、戦後になると生産ラインから外されたため、完成したものはほんのわずかしか存在していない。それにも関わらず、レンディリィ・スタードライブ社のヴィクトリーII級スター・デストロイヤーはインペリアル級やエグゼキューター級スター・ドレッドノートの世代に強い影響を与えている。ヴィクトリーI級が主として惑星攻撃用の戦艦だったのに対して、ヴィクトリーII級は宇宙戦を意識して設計されているのだ。