デス・スターI
(初代デス・スターから転送)
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デス・スターI、正式名称DS-1軌道バトル・ステーションは、銀河帝国の巨大バトルステーションおよび超兵器である。直径160キロメートルを誇るこの要塞兵器は、惑星破壊の恐怖によって帝国全域における法の施行および秩序の維持を行うため作られたのだった。
当初、デス・スターは分離主義勢力の究極兵器として製造され、その後、遠征型戦闘プラネトイドの開発プロトタイプとなった。分離主義勢力のもとでは開発計画までで終わったが、クローン大戦終結の19年後、銀河帝国によって完成させられることになる。
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特徴
直径160キロメートルを誇るデス・スターIの大きさはクラスIVに相当する月と同程度であり、これは人工建造物としては史上最大の大きさだった。その内部区画の半分は中央核融合炉、亜光速ドライブ、ハイパードライブ、スーパーレーザー発射装置によって占められており、これらの巨大な融合炉や制御システムを作動させるために莫大な人員が必要とされていた。
中央核融合炉では圧縮された星間水素からエネルギーを生成しており、その大部分が推進システムやスーパーレーザーに供給されている。デス・スターIのリアルスペースにおける推進力は強力なイオン・エンジンの連結体によって生み出されていたが、これらのエンジンには大量の放射線を排出するという欠点があった。しかし、この大きさの要塞を動かすことのできるシステムは他に存在せず、操縦要員たちは保護スーツを着用することを強いられていた。
一方、デス・スターIのハイパースペース航行システムはインペリアル級スター・デストロイヤーなどに搭載されたハイパードライブの連結体である。内部では123基の独立したハイパードライブが1つの基幹装置に連結されており、そこで生成された巨大な起動力がデス・スター自体の質量と結合してその何倍もの磁場と重力場を生み出し、この巨体を光速付近にまで加速させるのだ。
大型艦船による攻撃を防ぐために設置された5,000基ものターボレーザー砲塔は、デス・スターの表面に渓谷のような斑点を描いていた。さらに、赤道部分を走る溝には無数のハンガーベイがあり、7,200機のTIE/LNスターファイターやシャトル、4隻のストライク級クルーザー、さらに30,000機を超える他の戦闘艇や輸送艇、陸戦用兵器を格納することが可能である。また、700基を超えるトラクター・ビームの威力も絶大であり、すべてを作動させればインペリアル級スター・デストロイヤーでさえも牽引できた。しかし、デス・スター計画全体における最大の偉業は、間違いなく1つの惑星を完全に破壊できる威力を持ったスーパーレーザーである。
8本のレーザーが収束することによって形成されるスーパーレーザーは、帝国軍の軍事科学の最高峰に位置する兵器である。その最大射程距離は47,060,000キロメートルを誇り、大型艦船以上の大きさをもつ標的に対してのみ使用できた。しかし、1回の発射に費やされるエネルギー量が莫大であるため、次の砲撃を行うには長い充電時間が必要だった。この時間は標的の大きさによって様々であり、惑星クラスの標的を破壊した場合には丸1日かかるが、大型艦船の場合であれば数分で次の砲撃が可能となる。
また、デス・スターに搭載された人工重力発生装置は非常に精巧に造られており、内部では北極から南極へ、外部では外側から内側へ向かって重力場が形成されていた。そして、北極点に相当する位置には最も強力なシールドで守られた100階建ての司令タワーがあり、パルパティーン皇帝が訪れたときに使用されるはずだった。ここではデス・スターで行われているすべての作業を監視することができ、同時にあらゆる命令を下すことができるのだ。さらに、デス・スター内部には多数の搭乗人員が配置されていたため、個人向けの生活施設を始めとして、各種レジャー施設、公園、ショッピング・センター、娯楽施設なども備わっていた。
歴史
銀河共和国の転覆を目論む邪悪なシス卿は、クローン大戦が勃発するはるか以前から、その後の支配体制を維持するための恐るべき計画をも視野に入れていた。やがて実現する銀河帝国は、各地の反乱分子たちに武力による圧倒的な恐怖心を植え付け、さらに多くの星系を新秩序の下に服従させなければならなかったのだ。それは、いまだかつて銀河系が経験したことのない破壊力を備えた究極兵器が必要であることを意味していた。このような要請に基づいて建造された巨大要塞兵器がデス・スターである。重武装がなされたその表面には帝国軍の全艦隊にも匹敵する凄まじい破壊力が備わっていた。
デス・スター計画の初期の構想は、当時、旧共和国の辺境宙域警備隊で中佐を務めていたグランド・モフ・ウィルハフ・ターキンによるものだったが、彼は壮大な視野を持っている一方で技術的な理解に乏しかった。そのため、彼は個人的に親交のあったシーナー・デザイン・システムズ社のレイス・シーナーにこの構想を持ちかけ、来るべき新秩序の下での優遇を条件に、この要塞兵器の設計および開発を依頼したのである。そしておよそ5年後には、クローン大戦が間近に迫るなか、シーナー社を傘下に置くテクノ・ユニオンの手によってデス・スターの設計が進められていた。実際に作業に当たっていたのはテクノ・ユニオンで働くジオノーシアンたちであり、彼らは共和国との戦いでこの究極兵器をテストするつもりだったのだ。しかし、ジオノーシスの戦いにおける敗北によって、この惑星にあるテクノ・ユニオンの設計施設は壊滅的打撃を受けてしまい、デス・スターに関するそれまでの成果も失われてしまったのだった。
だが、誰もその存在を知らぬ間に、デス・スターの設計図はドゥークー伯爵によって持ち出され、シスの手に渡っていたのである。そして、それはパルパティーン皇帝を経て再びターキンにもたらされていた。デス・スター計画は帝国軍の最高機密の1つとされ、その存在は帝国元老院にさえ知らされていなかった。そのため、デス・スターはアウター・リムの外れに位置するほとんど無名のホラズ星系で建造されることとなり、流刑惑星デスペイアの軌道上に造られた建造施設が銀河系のホロメディアや帝国元老院の目に触れる心配は避けられたのだった。しかしこの結果、皇帝は資金調達に苦しみ、宇宙探査や公共事業に割り当てられた予算を内密に不正運用することになる。さらに、デス・スターの建造に充てられた人員はほとんどが囚人や奴隷であり、完成するまでの間に一体どれだけの作業員が死亡したのかも定かではない。
しかし、デス・スターの建造は数々の問題によって遅々として進まなかった。やがて、ターキンはデス・スターの最も重要な要素である惑星破壊兵器、スーパーレーザーの実現性に疑念を抱くようになる。そこで彼は、ブラック・ホールの集合体からなるモー星団の中に独自のシンクタンク、モー研究所を設立し、ベヴェル・レメリスク、トール・シヴロン、オーラン・ケルドア、そして自らがテストしたオムワッティの天才少女、キウイ・ズークスなどの、有能な科学者たちを一堂に召集したのだった。彼らはシーナーとレメリスクによる設計図の再検討を開始し、決定的な誤りを発見することができた。そして、ついにこの研究所でスーパーレーザーを中心としたデス・スターのプロトタイプが完成したのである。ターキンとパルパティーンはこの結果に満足し、ホラズでの建造計画を再開させる決定を下す。ターキンは忠実なナターシ・ダーラ提督に研究所の護衛を命じると、レメリスクと共にホラズへと向かった。だが、彼らが二度とモーに戻ってくることはなく、やがて研究所とプロトタイプ・デス・スターの存在は完全に忘れ去られてしまったのである。
長いときを経て、ターキンの構想はついに現実のものとなった。さらに、野心家であるターキンはデス・スターの力を自らの権力の拡大に利用しようと目論んでおり、事実、コナン・モッティ提督の進言によって皇帝に対する謀叛さえも画策していた。そのため、皇帝は最も信頼しているダース・ヴェイダーをこの作戦に参加させ、ターキンの監視を命じていたのである。
デス・スターIの完成後、グランド・モフ・ウィルハフ・ターキンはスーパーレーザーの威力を図る最初の実験としてデスペイアを破壊した。その成果は予想通りのものだったが、このハイテク技術への過信が結果的に敵を見くびるという帝国軍の弱点を露呈させることになる。デス・スターは大型艦船による攻撃だけを想定して設計されており、小型戦闘機による攻撃などは脅威として受け止められていなかった。しかし、反乱同盟軍の戦力の大部分はこうした小型戦闘機だったのである。
デス・スター計画のことを知った反乱同盟軍は、その設計図の入手を最重要課題として掲げていた。不幸にもオルデランとそこで暮らす何十億もの罪のない人々が犠牲になったが、反乱軍は慎重な分析によって溝にある直径2メートルの排熱ダクトがこの巨大要塞兵器の唯一の弱点であることを突き止めた。しかし、ヤヴィンの戦いにおけるデス・スターIの崩壊後も、どこかのセクターで密かに新たなデス・スターが建造中であるという噂が流れていたのだった。