<ブラッドフィン>
(<ブラッドフィン>(スピーダー)から転送)
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<ブラッドフィン>は、ラザロン社製FC-20スピーダー・バイクを改良した、ダース・モール専用のシス・スピーダーである。新シス大戦時代のかつてのシス卿たちが行ったのと同様に、このスピーダーはシス卿を具現する動物の名にちなんで命名されている。モールはかつてアウター・リムの海洋惑星で遭遇し、戦った恐ろしい海中の捕食動物の名を自分のスピーダー・バイクに与えたのだった。
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特徴
暗殺者はみな獲物を追跡し、標的を待ち伏せするための高速かつ静寂な乗り物を必要としている。ダース・モールの場合、その役割を果たすものは滑らかな流線型をしたカスタムビルドのスピーダー・バイクだった。シスの戦士たちの伝統に習い、モールは自分のバイクに力強い認識を持てるような猛獣の名前を付けている。彼は自分のバイクを<ブラッドフィン>と名付けたが、これはモールがかつてアウター・リムの惑星の海で遭遇した邪悪な水中のハンターのことである。
あらゆるスピーダー・バイクと同様に、<ブラッドフィン>は後方に強力な推進エンジンを搭載した小型リパルサーリフト艇である。エンジン・システムは急加速ができるように設計されており、屋外ではほんの2、3秒ほどで最高速度に到達することができる。一方で、<ブラッドフィン>は奇妙な曲型の形状をしていたが、実はこのような構造によって重心を非常に低く保つことができ、スピーダー・バイクとしてのコーナーリング能力を劇的に向上させていたのだ。また、小さな機体は敵にとっても攻撃を当てることが難しく、敵と遭遇したときでも高い確率で生き延びることができた。
ダース・モールは敵を追跡するために<ブラッドフィン>を使用しており、捕らえた獲物は直接自分の手で抹殺することを好んでいた。事実、このスピーダー・バイクには武器がまったく装備されていない。また、このバイクは操縦席が開けているため、シートから直接離脱し、即座に戦闘を開始することができた。モール自身もバイクから飛び降りる技に精通しており、そのまま戦闘に突入することで、目的を達成するにはレーザー・キャノンもその他の似たような武器も全く必要ないことを示していた。さらに、<ブラッドフィン>には自動ブレーキ機能も搭載されており、ハンドルから手を離すと自動的にゆっくりと速度が弱まって、安全な停止を行うことができた。そのため、モールが突然バイクから離脱しても、衝突や転倒は回避されるようにできていたのだ。
また、このバイクにはシールドやセンサーも用意されておらず、モールが弱さの証であると考えた他の追加装備もすべて外されている。その一方で、彼は<ブラッドフィン>に自動操縦システムを搭載しており、腕に取り付けたコムリンクで、最大8キロメートルの距離からこのバイクを召還し、操ることができた。しかし、離れていても目視可能なところにある場合、モールはフォースの力を使ってスピーダーの制御を調整し、純粋な意思の力によってそれを操縦することが多かった。
歴史
ダース・モールのインフィルトレーターと同様に、シス・スピーダーは邪悪なシス・オーダーにおける伝統的な乗り物であり、銀河系の歴史に登場するすべてのシス・スピーダーが等しく高速なバイクだった。また、接近戦を好むモールの性質も彼独特のものではなく、先人たちの大半が同じようにスピーダー・バイクを武装することを避けていた。その代わりに、古代のシス卿たちは、自分たちのバイクを神秘的なルーン文字や、おぞましい戦利品、盗んだ工芸品などで装飾することを好んでいたようである。
<ブラッドフィン>は、実はモールが所有している数台のシス・スピーダーのなかの1台でしかなかった。通商連合によるナブー侵略の直前に、モールはT字型のスピーダーを使用していたが、コルサントにおけるジェダイ・マスター、アヌーン・ボンダーラとの戦いで破壊されてしまったのだ。噂によると、彼はレーザー・キャノンと小型偏向シールド発生装置を装備した武装攻撃用スピーダーも所有していたらしいが、そのような噂には何も具体的な証拠が存在していない。
モールのスピーダー・バイク(おそらくは彼の所有する最後の1台)は、彼がナブーで死亡した際に、共和国によって押収された。しかし、後にそれはインフィルトレーターと共に行方不明となり、その後二度と発見されていない。誰がどのようにして持ち出し、どこに隠しているのかも、まったく分かっていないのだ。